講演情報

[LS1-3]対人と供給 ―「薬局への期待」を「経営の利益」に変えるデジタル変革

菊池 尚久1, 田中 佑2 (1.株式会社アイリスファーマ 薬局事業部 部長, 2.株式会社アカカベ 取締役 調剤薬局事業本部 本部長)
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令和8年度の調剤報酬改定を経て、薬局経営は「供給インフラとしての機能維持」と「対人業務の質的向上」の両立という、極めて難易度の高い課題を突きつけられています。本ランチョンセミナーでは、深刻な人手不足や医薬品の供給不安が慢性化する現場において、一見すると両立が困難な問題を、テクノロジーによっていかに解決し、次の時代への勝ち筋へと変貌させるかについて、2つの実践事例をもとに紐解きます。

 前半の事例講演では、それぞれの課題に対する具体的なアプローチと変革のプロセスを紹介します。

 第一に、供給インフラの維持と業務効率化の観点から、株式会社アイリスファーマの実践を取り上げます。同社ではAIを活用した在庫管理のデジタル化により、発注・在庫業務を事務職へタスクシフトしながら、供給品質を落とすことなく現場の業務負担を大幅に軽減することに成功しました。デジタル化によって生み出されたリソースを薬剤師本来の対人業務へ再投資するという好循環の実現に加え、AIの需要予測データを医薬品の流通全体へと連携させ、地域の医療インフラをエコシステムで支えていく、同社の先進的な構想と変革の軌跡に迫ります。

 第二に、対人業務の充実化の観点から、フォローアップのデジタル化がもたらす価値について、株式会社アカカベの実践に焦点を当てます。患者が求める待ち時間の短縮などの利便性を担保しつつ、薬剤師本来の役割である「人に寄り添うケア」を両立する環境を構築した事例と共に、地域密着のドラッグストアの現場において、デジタル接点の活用がどのように薬剤師の行動変容を促したのかを明らかにしていきます。終盤では、患者との継続的な信頼関係を築くことで得られた経営的効果についても解説。デジタルツールを用いて継続的な介入が患者の離脱を防ぎ、持続可能な薬局経営へとつなげる、真のDXの一例を提示します。

 後半のパネルディスカッションでは、株式会社カケハシ代表取締役社長・中尾をファシリテーターに、登壇企業2社と共にこの難題を解く筋道を探ります。在庫管理の自動化で生んだ余白を、いかに対人業務へと再投資し、地域医療を支える法人としての事業成長をも安定させていくか。薬局経営に関わるみなさまに向け、10年先も地域インフラとして「選ばれる薬局」であり続けるための、具体的かつ再現性のあるデジタル経営戦略の全容を詳らかにします。


<菊池 尚久>
【略歴】
2009年3月 東邦大学薬学部卒業
2009年4月 大手調剤薬局入社
2019年10月 大手調剤薬局入社
2022年1月 株式会社アイリスファーマ入社
現在に至る

<田中 佑>
【略歴】
2003年 株式会社アカカベ 入社
2016年 日本チェーンドラッグストア協会 大阪府支部担当
2024年 株式会社アカカベ 取締役就任
現在に至る

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