講演情報

[O-5-01]誰もができる災害対策:薬局ゾーニングとスタッフの意識変容の実践的研究

志方 真央1, 井澤 洋2, 原 健太郎2 (1.(株)アイセイ薬局 歌島店, 2.近畿西支店)
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【背景】災害時、薬局は自店舗が安全待機型か避難誘導型かを判断し、早期に役割を定める初動判断が重要となる。しかしこの判断は日常の印象に左右されやすく、動線や棚配置等の構造要素が十分に検討されない場合がある。他業種では構造評価に基づく検討が行われているが、薬局において、主観的な役割評価(直観)と平面図からの構造評価とのズレを整理した報告はない。
【目的】店舗の災害時の役割認識と、平面図を用いたゾーニングによる構造評価とのズレを把握し、併せてスタッフの災害対応意識及びゾーニング理解の変化を明らかにする。
【方法】アイセイ薬局32店舗を対象に災害対応・ゾーニングの勉強会を行い、各店舗で平面図を用いてゾーニングを実施した。安全待機ゾーンと危険ゾーンの概算面積を比較し、相対的に大きい側を主機能として「安全待機型」「避難誘導型」に分類し、店舗が認識する役割と比較した。2026年1月22日から2月28日まで災害対応意識等に関するアンケートを実施した。
【結果】32店舗中、直観と構造評価が一致したのは安全待機型8店舗、避難誘導型9店舗だった。不一致は「避難誘導型と思っていたが安全待機型」が14店舗、「安全待機型と思っていたが避難誘導型」が1店舗で、直観が避難誘導型に寄りやすい傾向が見られた。アンケートでは災害対応意識が67%向上し、避難経路の理解不足は59%減少した。ゾーニング理解は85%向上したが、「よく知っている」は34%にとどまった。
【考察】直観と構造評価のズレが一方向に偏ったことから、避難対応が店舗規模等の印象で判断されやすいことが示唆された。災害対応意識やゾーニング理解の向上は、可視化がスタッフの気づきと主体的な行動を促した可能性を示す。一方、十分な理解には動線や棚配置等の構造把握が課題である。構造の可視化はリスクを共有し、初動判断を補助する対策として有用である。

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