講演情報
[O-8-02]外来がん薬物療法における患者報告型事前症状確認が多次元的QOLに及ぼす影響の検証
菊池 俊裕1, 酒井 理恵1, 丸田 勇樹1,2 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局 日立店, 2.国際医療福祉大学大学院薬学研究科)
【目的】外来がん薬物療法における症状悪化は患者の生活機能や心理面に波及するが、総合的なQOL評価のみでは介入効果の所在を捉えにくい。本研究は、保険薬局の服薬期間中フォローアップに患者自己入力型の事前症状確認を加えることで、EQ-5 D-5 L各次元の悪化を抑制できるかを検証した。
【方法】2023 年4 月~2025 年3 月、保険薬局7 施設で電話フォローを実施した外来がん患者626 例(電話群398 例、事前確認群228 例)を対象とする準実験的介入研究である。後者には電話前にアプリで症状等を自己入力させ、薬剤師が重点聴取項目を設定した。主要評価は12 週時点のEQ-5 D-5 L 五項目の悪化有無とし、患者背景等で調整したロジスティック回帰分析を行った。解析はIBM SPSS Statistics 30 を用い、有意水準を5 %とした。本研究は、茨城県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】「痛み/不快感」の悪化割合は、電話群31.4 %に対し、事前確認群22.4 %(調整OR 0.62, 95 %CI 0.42 - 0.92 )、「不安/ふさぎこみ」(調整OR 0.60, 95 %CI 0.41 - 0.89 )、「ふだんの活動」(調整OR 0.66, 95 %CI 0.45 - 0.98 )で有意な悪化抑制を認めた。一方で「移動の程度」および「身の回りの管理」の2 項目においては、両群間に有意な差は認められなかった。
【考察】事前確認は、患者が事前に症状を言語化することで薬剤師の介入を焦点化させ、特定のQOL次元の悪化抑制に寄与したと考えられる。本手法は、ICTを活用した「患者報告アウトカム(PRO)に基づく服薬フォローアップ」として、薬局実務における支持療法提案の質向上や業務効率化に直結する。一方、本研究は無作為化比較試験ではなく、準実験的デザインであるため、選択バイアスの可能性を排除しきれない点が研究の限界であり、今後は多施設での更なる検証を要する。
【方法】2023 年4 月~2025 年3 月、保険薬局7 施設で電話フォローを実施した外来がん患者626 例(電話群398 例、事前確認群228 例)を対象とする準実験的介入研究である。後者には電話前にアプリで症状等を自己入力させ、薬剤師が重点聴取項目を設定した。主要評価は12 週時点のEQ-5 D-5 L 五項目の悪化有無とし、患者背景等で調整したロジスティック回帰分析を行った。解析はIBM SPSS Statistics 30 を用い、有意水準を5 %とした。本研究は、茨城県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】「痛み/不快感」の悪化割合は、電話群31.4 %に対し、事前確認群22.4 %(調整OR 0.62, 95 %CI 0.42 - 0.92 )、「不安/ふさぎこみ」(調整OR 0.60, 95 %CI 0.41 - 0.89 )、「ふだんの活動」(調整OR 0.66, 95 %CI 0.45 - 0.98 )で有意な悪化抑制を認めた。一方で「移動の程度」および「身の回りの管理」の2 項目においては、両群間に有意な差は認められなかった。
【考察】事前確認は、患者が事前に症状を言語化することで薬剤師の介入を焦点化させ、特定のQOL次元の悪化抑制に寄与したと考えられる。本手法は、ICTを活用した「患者報告アウトカム(PRO)に基づく服薬フォローアップ」として、薬局実務における支持療法提案の質向上や業務効率化に直結する。一方、本研究は無作為化比較試験ではなく、準実験的デザインであるため、選択バイアスの可能性を排除しきれない点が研究の限界であり、今後は多施設での更なる検証を要する。
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