講演情報

[O-8-04]薬剤師の情報過負荷が服薬指導に及ぼす影響と検証行動の意義

佐々木 駿介1, 島 優馬1, 加藤 美津恵2, 丸田 勇樹1,3 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局 日立店, 2.上ヶ原店, 3.国際医療福祉大学大学院薬学研究科)
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【目的】公的情報に加えSNSや生成AIなど情報源が多様化し、情報の過多や矛盾が生じる過情報環境が形成され、薬剤師のインフォメーション・オーバーロード(情報過負荷:IO)が増大し、服薬指導への悪影響が危惧される。本研究は、保険薬剤師のIOの実態を定量化し、服薬指導への影響と、一次情報確認等の「検証行動」による緩和効果を明らかにする。
【方法】2026 年4 月に保険薬剤師を対象に無記名Web横断調査を実施した。主要評価項目をPharm-IO(8 項目)、副次項目を情報源利用頻度や検証行動スコア等とした。さらに、正確性・最新性の担保を客観的に問うシナリオ問題(5 問)を設定した。重回帰分析により、IOが服薬指導に与える影響と検証行動の交互作用を検討した。全ての解析はIBM SPSS Statistics 30 を用い、有意水準を5 %とした。本研究は、茨城県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】387 名の有効回答を得た。業務でSNSやAIを高頻度で利用する層(全体の47.8 %)は、非利用層に比べPharm-IOスコアが有意に高かった(p<0.001 )。多変量解析の結果、IOの増大は服薬指導(要点化や双方向性等)の質を有意に低下させた(p<0.01 )。一方、一次情報確認や複数ソース突合を常習とする「検証行動高群」は、シナリオ問題の正答数が有意に高く(p<0.01 )、かつIO増大に伴う指導の質低下が有意に抑制された(交互作用項p<0.05 )。
【考察】過情報環境下でのIO増大は、服薬指導の質を損なうリスク因子である。しかし、一次情報へ立ち返り複数ソースを突合する「検証行動」の実践は、正確な情報選択に寄与するだけでなく、IOの悪影響から服薬指導を守るバッファーとして機能することが示唆された。今後は、過情報環境に対する適切な情報リテラシー支援策の開発が求められる。本研究の限界として、自己記入式のWeb質問票を用いているため、回答バイアスにより過大評価されている可能性がある。

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