講演情報

[P-002-B]薬局薬剤師における心電図所見の認識と理解の乖離 ―致死的不整脈の薬物有害事象回避に向けた実態調査―

佐藤 裕介, 藤谷 修一 ((株)なの花西日本 調剤事業部)
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【目的】 マイナンバーカード保険証の普及により調剤薬局でも特定健診情報に含まれる心電図所見の参照が可能となった。しかしこれらの所見を薬剤師がどの程度認識・理解しているかは検証されていない。本研究では心電図所見を臨床的重要度別に層別化し、重要度認識と自己理解度の乖離を定量化するとともに活用上の障壁を明らかにすることを目的とした。
【方法】 当社所属の薬剤師336名を対象に2026年2月Webアンケートを実施、対象者には研究目的を説明し同意を得た回答のみを解析対象とした。心電図所見20項目を添付文書に基づきG1(禁忌・処方変更7項目)・G2(副作用モニタリング7項目)・G3(処方適応最適化6項目)に分類し、自己理解度・重要度認識を5段階尺度で評価した。Wilcoxon符号付順位検定、IPA分析、個人×所見ペア象限分類、順序ロジスティック回帰を行った。
【結果】 有効回答は116名(回答率34.5%)。全所見で重要度認識(mean 3.58)が自己理解度(mean 2.25)を上回った(p<0.001)。G1致死的4所見(QT延長・Brugada型・WPW・完全房室ブロック)を全て「不可欠・最優先」と認識した薬剤師は6.9%に留まり、Brugada型は80.2%が「言葉のみ/全く不明」であった。個人×所見ペアn=2,313の「重要視するが理解不足」象限はG1で35.0%を占めた。活用障壁は業務時間制約(69.8%)・知識不足(56.0%)が上位であった。ロジスティック回帰分析は心電図確認頻度のみが関連因子であった(調整OR 2.17、95%CI 1.33-3.54、p=0.002)。
【考察】 G1致死的所見の認識欠落は処方監査における介入機会の損失を示唆する。「重要視するが理解不足」象限が35%を占める事実は課題が無関心でなく知識習得の遅延にあることを示し教育介入の余地がある。確認頻度のみが調整後も有意であった点は実践による学習(経験による学習)仮説と整合する。本研究は単一企業の横断研究であり自己評価バイアスと外的妥当性に限界がある。

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