講演情報

[P-024-C]薬局薬剤師によるCYP遺伝子解析結果を活用した服薬指導の一事例 ―CYP2D6低活性型患者への将来リスク説明を中心に―

山内 葉子, 栗谷 和典, 杉浦 万正 (共和メディカル(株)薬局事業部)
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【目的】 民間の遺伝子検査サービスの普及により、個人が薬物代謝の遺伝情報を把握する機会が増加している。薬剤師が情報を適切に解釈し、ファーマコゲノミクスに基づいた指導を行うことは、医療安全と個別化医療の推進に寄与する。本報告では、将来的な服薬リスクを説明することの有用性を一事例から検討した。
【事例・概要】 対象はGenequest®社の遺伝子解析サービスを利用した30代女性。解析結果の閲覧は同社の薬局連携システムを用い、解釈には同社提供のガイドおよびCPIC(Clinical Pharmacogenetics Implementation Consortium)ガイドライン等を参考とした。アセスメント対象は、CYP2C19、2D6、2A6、2B6、2C9の5分子種とした。
【結果】患者はめまい症等でクロナゼパム、ジフェニドール等を服用中であった。現行薬と対象CYP間に重大な相互作用は認められなかったが、CYP2D6において日本人に20%の頻度で存在する活性の弱いタイプであることが判明した。将来的にコデインやトラマドール等の鎮痛薬を使用する際の効果減弱、あるいはSSRI等の抗うつ薬やタモキシフェン服用時の副作用リスク・効果減弱の可能性があるため、具体的な成分名を挙げて注意喚起を行った。患者からは、自身のお薬体質を知ることができ、気をつける成分があるということが分かってよかったと、自身の体質に応じた個別化指導に対し高い満足度が得られた。
【考察】 本事例では現行処方への直接介入は発生しなかったが、将来的な処方設計やOTC医薬品の選択における「予防的アセスメント」としての意義が確認された。調剤報酬改定により、未承認検査サービスの販売制限が明文化されたが、患者が既に保有する情報の解釈支援は薬剤師の本来の職務である。単一症例かつ行動変容に関する長期的アウトカムが未評価であるという課題はあるが、CYP分子種の遺伝子多型の解釈をまじえた個別化指導は、薬局薬剤師の新たな職能として有用であると示唆された。

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