講演情報

[P-026-B]専門医療機関連携薬局にてがん薬物療法施行中の新規心不全発症に対する早期対応と療養指導を実施したフォローアップ症例

須佐 紳之介1, 阪井 美奈子1, 高嶋 優太1, 畑澤 智史1, 谷口 亮央2, 中島 史雄2 (1.(株)ナカジマ薬局サンセイ本店, 2.薬局事業部)
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【目的】近年、我が国の調剤報酬改定において「特定薬剤管理指導加算2」、「調剤後薬剤管理指導料」が新設され、外来がん薬物療法中の副作用管理や心不全患者の体調管理および再入院予防という観点で、薬局薬剤師の貢献が重要視されている。専門医療機関連携薬局として日頃よりがん患者へのフォローアップを実施している中で、がん薬物療法施行中の新規心不全発症に対して早期対応や心不全療養指導を実施したフォローアップ症例を経験したため報告する。
【症例の概要】60代女性。ホルモン受容体陽性、HER2陰性の手術不能乳がんStageIV(多発骨・肝転移)にて通院中。5次治療のエリブリン療法中に病勢増悪を認め、6次治療としてダトポタマブ デルクステカン療法が開始となった。1コースDay15の電話フォローでGrade2相当の両下肢浮腫悪化を聴取し、文書にて主治医へ情報提供を実施。その後、2コースDay1に主治医の紹介にて同病院の循環器内科受診となり、HFpEF(LVEF 58%)と診断された。薬局ではその旨を確認の上で、浮腫観察に加え、家庭血圧・脈拍・体重測定実施を指導した。3コース実施後に患者希望で同療法を中止し、7次治療としてメドロキシプロゲステロン酢酸エステル療法へ変更。開始33日後の電話フォローで浮腫増悪と起坐呼吸を確認し、速やかな受診を促した結果、心不全増悪により即日入院となった。1ヶ月後に退院し、8次治療としてweeklyパクリタキセル+ベバシズマブ療法にてがん薬物療法が再開となったため、薬局にて血圧上昇対策として家庭血圧測定の継続と減塩指導を実施。その結果、2コースDay1時点まで家庭血圧は100~129/60~69mmHgで推移し、心不全症状の増悪なく経過している。
【考察】本症例より、薬局薬剤師が外来がん治療のフォローアップに併せて心不全療養指導を実施することで、心不全を合併するがん薬物療法施行中の患者の再入院予防、QOLの維持向上に貢献可能であることが示唆された。

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