講演情報

[P-059-B]薬剤の使用過多による頭痛(MOH)の回避に向けた薬剤師の服薬指導と代替薬提案の一症例

篠田 佳奈1, 田中 加世子1, 廣瀬 友二2 (1.(株)アルプ アルプ薬局玉川店, 2.調剤薬局部)
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【目的】近年、頭痛患者の増加に伴い、薬剤の使用過多による頭痛(Medication-Overuse Headache: MOH)が臨床上の問題となっている。しかし、MOHの具体的な診断基準まで把握している薬剤師は少なく、適切な服薬指導が行えていない懸念がある。今回、薬剤師が診断基準に基づいた具体的な服薬指導と代替薬の提案を行うことで、副作用への不安を解消しMOHの回避・頭痛薬の減量に繋がった症例を報告し、薬剤師が果たすべき役割について考察する。
【症例】60代女性。片頭痛にてX年Y月より2ヶ月連続でリザトリプタン錠が各12回分処方されており、処方医からも過剰服用を指摘されていた。なお、その4ヶ月前に処方されたラスミジタンコハク酸塩(以下、レイボー®)は、強い薬剤であるという認識や副作用への懸念から未服用のままであった。 X年Y+1月の来局時、薬剤師が「月に10日以上のトリプタン系薬剤の服用が継続するとMOHのリスクが高まる」旨を説明し、患者の服薬不安を傾聴した上で、レイボー®の適切な服用方法と安全性を説明し服用を提案した。翌月以降、リザトリプタンの処方は月6回分に減少し、その後も処方量の増加はなく経過。レイボー®の有効性および安全性も確認され、総頭痛薬の服用回数は月9回以内にコントロールされた。
【考察】本症例では、薬剤師が国際頭痛分類第3版(ICHD-3)の診断基準に基づき、「月10日以上」という具体的な数値を提示して服薬指導を行ったことが、患者の意識変容と適切なセルフモニタリングに繋がった。さらに、患者が抱えていた副作用への不安を受容・解消し、MOHを誘発しにくいとされるレイボー®への移行を促したことで、総服用日数をMOH基準未満(9日以内)に抑制できたと考えられる。 MOHの予防・早期発見において、薬剤師が診断基準に基づいた具体的な服薬指導と、患者の心理的背景に配慮した代替薬の活用提案を行うことは、多職種連携における極めて重要な役割であると考える。

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