講演情報

[P-068-B]COPDを併存する慢性心不全患者に対し、調剤薬局で心不全療養指導士が関与した一例

畑田 恭輔 ((株)アイセイ薬局 伊勢崎店)
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【背景】心不全患者は増加しており、慢性心不全は入退院を繰り返す疾患である。増悪の要因として対応の遅れや服薬アドヒアランス不良が知られている。近年、外来における薬局薬剤師の療養支援の重要性が高まっているが、心不全療養指導士を有する薬剤師による実践報告は少ない。
【症例】70歳代男性。慢性心不全、高血圧、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病を有する。心筋梗塞後にPCI施行歴があり、心不全増悪による入退院を繰り返していた。X年9月以降は自宅療養中であった。X年11月より調剤薬局にて心不全療養指導士を有する薬剤師が介入を開始し、約10か月間フォローを行った。COPD併存により呼吸苦が心不全増悪かCOPD増悪かの判断が困難であった。介入前は自己判断で体調不良時に服薬を中断し、週に数回の飲み忘れを認めていた。薬剤師及び療養指導士として心不全増悪とCOPD増悪の症状鑑別、血圧と自覚症状を組み合わせた重症度判断、受診の要否を自己判断できるよう指導した。介入後は服薬中断および飲み忘れは認められなくなり、呼吸苦や倦怠感出現時に血圧および症状を踏まえ重症度を判断し、受診または経過観察の選択が可能となった。患者からは「症状時の対応が分かり安心した」と発言があった。
【考察】多疾患併存により症状判断が困難であったが、心不全増悪とCOPD増悪の症状鑑別(呼吸苦の性状、体重変動、浮腫の有無等)および血圧変動を組み合わせた判断基準を患者に具体的に提示した点が特徴であり、これら心不全療養指導士としての知識に基づく系統的な指導により、患者の自己判断能力向上を介した意思決定支援につながったと考えられる。現在まで再入院がないことは、これら支援が寄与した可能性がある。調剤薬局における心不全療養指導士の介入は、特に呼吸苦の原因鑑別が必要な多疾患併存心不全患者のセルフマネジメント支援に有用であることが示唆された。

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