講演情報

[P-074-B]アロマターゼ阻害薬による脂質異常症治療薬の処方カスケードリスクの解析

坂井 明日香1, 前田 守2, 月岡 良太2, 長谷川 佳孝2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 仏生山店, 2.(株)アインホールディングス)
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【目的】乳がん治療薬のアロマターゼ阻害薬(AI)はエストロゲン合成を抑制するため、脂質代謝異常をきたすことで、脂質異常症治療薬の処方カスケード(PC)を招く恐れがある。本研究では、AIによる脂質異常症治療薬のPCリスクを乳がんに適応のある選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)と比較することを目的とした。
【方法】2018年1月~2025年12月に当社グループが運営していた保険薬局607店舗の匿名加工済みレセプトデータを用いた。2019年~2024年にAIまたはSERMが初回処方され、一方のみ処方された患者や以前に脂質異常症治療薬の処方が無い患者を対象とした。また、脂質異常症治療薬の処方追加を招く恐れのある併用薬(高血圧治療薬・非定型抗精神病薬等)が処方された患者を除外した。AI処方患者をAI群、SERM処方患者をSERM群とし、高脂血症用剤(YJコード頭3桁:218)の新規処方を生存時間解析(ログランク検定、Cox比例ハザードモデル)で解析した(有意水準0.05)。また、年齢層(20歳ごと)別のサブグループ解析も行った(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0348)。
【結果】AI群12,276名、SERM群6,303名を得た。5年累積発生率はAI群(8.6%)がSERM群(4.8%)よりも有意に高く(p<0.001)、Cox比例ハザードモデルよりAI群が有意に高リスクであった(ハザード比1.64、95%信頼区間1.35-1.99、p<0.001)。年齢層別では40~59歳のみAI群が有意に高リスク(1.46、1.06-2.00、p=0.020)であった。
【考察】本研究より、AI群の方が脂質異常症治療薬のPCリスクが有意に高く、40~59歳の閉経移行期においては、エストロゲンが低下した状態にAIによるエストロゲン合成抑制が加わることで、脂質代謝異常が相乗的に増大した可能性が考えられた。薬局薬剤師は、特に40~59歳のAI処方患者に対して、医療機関と連携して脂質管理およびPC防止に努めることも重要である。

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