講演情報

[P-077-B]医薬品副作用データベースを用いたSSRIによる消化器系有害事象の発現リスク解析

田中 津名魅1, 前田 守2, 月岡 良太2, 長谷川 佳孝2, 大石 美也2 (1.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局 桂御所店, 2.(株)アインホールディングス)
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【目的】選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)による消化器系有害事象は知られているが、薬剤別の発現リスクを網羅的に解析した報告は限られている。本研究ではSSRIの処方実態をレセプトデータで把握したうえで、医薬品副作用データベース(JADER)を用いて消化器系有害事象の発現リスクを薬剤別に解析することで、薬局薬剤師の役割を考察した。
【方法】2025年2月~翌年1月に当社グループが運営していた保険薬局1,116店舗の匿名加工済みレセプトデータを用い、「YJコード頭3桁:117(精神神経用剤)」に該当する抗うつ薬の調剤シェアを集計した。また、2004年4月~2025年3月のJADERを用い、「標準検索式:消化管の非特異的炎症および機能障害(MedDRA/J ver28.1)」の基本語177種を消化器系有害事象として報告オッズ比(ROR)を算出し、ROR>1かつFisher正確確率検定(p<0.05)で有意な関連性ありと判定した。さらに服用開始から発現までの日数よりWeibull分析の形状パラメータ(β)と95%信頼区間を推定した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0350)。
【結果】レセプトデータ解析より、処方された抗うつ薬の35.9%(478,656回/1,334,539回)がSSRIであった。また、JADER解析では、SSRIが被疑薬の消化器系有害事象が313件報告され、パロキセチン(PAX)が最多(174件)であった。PAXが関連する消化器有害事象では悪心(87件、ROR: 2.4)が最多で、Weibull分析では早期発現リスクの高い初期故障型(β=0.49、β<1)と推定された。その他の有害事象については、リスクに経時的な傾向がみられない偶発故障型(β≒1)であった。
【考察】JADER解析には報告バイアス等の影響が含まれるが、薬局薬剤師はSSRI新規処方患者に対して継続的なモニタリングに努める必要があるが、特にPAXでは、服用開始直後の消化管へのセロトニン過剰刺激に伴い発現リスクが高まる悪心等を重点的に確認することも重要と考える。

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