講演情報

[P-083-B]フェーズ理論を用いた指差呼称確認は薬局業務のヒューマンエラーに有効か?

田中 里依1, 服部 翔2, 小竹 武3 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局 一津屋店, 2.大阪支店, 3.神戸薬科大学)
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【目的】薬局のインシデントおよび特定の人によって繰り返されるインシデント発生について、真因分析が重要とされているが、有効な対策も難しいとされているのが現状である。そこで、鉄道業界で使用されているヒューマンエラーを防止策として採用されている指差呼称確認の有効性を検証した。
【方法】指差呼称確認の実施を促す目的でフロンティア大阪支店所属のスタッフに対してフェーズ理論研修(過去の調剤過誤内容振り返り、5段階の意識、指差呼称の効果)を行い、研修前後の28日間のインシデント件数、指差呼称実施や行動変容、研修後の5段階意識、インシデント発生頻度の高い(5回以上)社員の変化を調査し、比較解析した。
【結果】インシデント報告件数は研修前468件(発生率1.64%)、研修後388件(1.25%)、呼称指差確認は研修前160件(実施率34.2%)、研修後174件(44.8%)で有意差を認めた。さらにインシデント発生頻度の高い社員数は研修前34名から研修後24名に減少していた。指差呼称確認の頻度は研修前後ともインシデント発生頻度の高低による違いは認められておらず、研修後意識レベルにも有意差は認められなかった。また、インシデント発生頻度の高い研修後も件数が減少しなかった社員は12名(35%)であり、そのうち8名は研修前後で指差し呼称確認実施あるいは未実施の両方の行動パターンを有しており、一貫していない行動変容が示された。
【考察】フェーズ理論に基づく研修により指差呼称確認の実施率が向上し、調剤インシデント発生率も低下したことから理解促進と行動変容支援が安全行動の定着に寄与したと考えられる。さらに特定の人によって繰り返されるインシデント防止にも研修が有効であることが示されており、過誤発生の特定人物の行動変容のパターンに統一性がないことから、継続的なリマインダーや環境整備など、習慣化を促す仕組みづくりが今後の課題である。

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