講演情報
[P-091-A]AI薬歴による抗コリン作用薬の副作用リスクスクリーニング
藤原 想太 ((株)アイセイ薬局 情報システム部)
【目的】抗コリン作用を有する薬剤は副作用リスクを増加させるが、その作用は多剤に分散して存在するため負荷把握は容易ではない。また患者主訴と薬剤リスクを定量的に結び付けることは困難である。そこで日本版抗コリン薬リスクスケールとAI薬歴文字起こしデータを統合し、抗コリン負荷と患者主訴との関連性を評価し、副作用スクリーニングの可能性を検討した。
【方法】レセプトデータ(2025年12月~2026年3月)より抗コリン負荷を算出した。AI薬歴文字起こしデータを薬剤師作成の症状テンプレートを用い、学習済みSentence-BERTモデルでベクトル化した。各症状テンプレートと文字起こしデータとのコサイン類似度を算出し、閾値以上を主訴ありと定義した。ロジスティック回帰分析により関連性を評価し、ROC解析により識別性能および最適閾値を算出した。
【結果】便秘、吐き気・嘔吐、眠気、眩暈、腹痛、腹部膨満感、頻尿、食欲不振の8症状で有意な関連を認めた(OR 1.19~1.44)。一方、口腔乾燥および耳鳴りでは有意な関連は認められなかった。ROC解析では吐き気・嘔吐(AUC=0.69)、眠気(AUC=0.69)が比較的高く、その他はAUC0.53~0.62であった。
【考察】抗コリン負荷と複数主訴との関連が確認され、本研究プログラムは副作用スクリーニング補助として有用な可能性が示唆された。一方で識別能は中等度にとどまり、口腔乾燥や耳鳴りでは有意な関連を認めなかった。これは症状表現の多様性や文脈把握の限界、抗コリン作用以外の影響が関与する可能性が考えられる。また本研究では年齢、基礎疾患、疾患重症度などの交絡因子を調整しておらず、抗コリン負荷単独の影響評価には限界がある。さらに本スケールは用量依存性や明確な閾値設定を考慮していない点も課題である。今後はスケールの精緻化と自然言語処理の高度化、薬剤師教育による運用改善により、AI薬歴の実臨床活用につながる可能性がある。
【方法】レセプトデータ(2025年12月~2026年3月)より抗コリン負荷を算出した。AI薬歴文字起こしデータを薬剤師作成の症状テンプレートを用い、学習済みSentence-BERTモデルでベクトル化した。各症状テンプレートと文字起こしデータとのコサイン類似度を算出し、閾値以上を主訴ありと定義した。ロジスティック回帰分析により関連性を評価し、ROC解析により識別性能および最適閾値を算出した。
【結果】便秘、吐き気・嘔吐、眠気、眩暈、腹痛、腹部膨満感、頻尿、食欲不振の8症状で有意な関連を認めた(OR 1.19~1.44)。一方、口腔乾燥および耳鳴りでは有意な関連は認められなかった。ROC解析では吐き気・嘔吐(AUC=0.69)、眠気(AUC=0.69)が比較的高く、その他はAUC0.53~0.62であった。
【考察】抗コリン負荷と複数主訴との関連が確認され、本研究プログラムは副作用スクリーニング補助として有用な可能性が示唆された。一方で識別能は中等度にとどまり、口腔乾燥や耳鳴りでは有意な関連を認めなかった。これは症状表現の多様性や文脈把握の限界、抗コリン作用以外の影響が関与する可能性が考えられる。また本研究では年齢、基礎疾患、疾患重症度などの交絡因子を調整しておらず、抗コリン負荷単独の影響評価には限界がある。さらに本スケールは用量依存性や明確な閾値設定を考慮していない点も課題である。今後はスケールの精緻化と自然言語処理の高度化、薬剤師教育による運用改善により、AI薬歴の実臨床活用につながる可能性がある。
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