講演情報

[P-108-C]調剤薬局へのセルフレジ導入による患者および薬剤師の認識調査ーDX、ICT化をより効果的に行うための探索的検討ー

大久保 陽平 ((株)アイセイ薬局)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】医療業界でも機械化が当たり前になっている中で、DX、ICT化の代表例のひとつとしてセルフレジの運用が挙げられる。しかし、調剤薬局での活用事例についてはまだまだ少ないのが実状である。そこで、本研究ではセルフレジ導入により患者の滞在時間や薬剤師の業務効率に与える影響を明らかにし、薬局DXの実装過程における課題を検討することを目的とした。
【方法】2026年1月1日から3月31日において、アイセイ薬局近畿東支店セルフレジ導入済7店舗で、導入前後の変化を調査。セルフレジ導入前後の利用歴のある患者260人と当該店舗に勤務する薬剤師28人にアンケート実施(有効回答は各258人、28人)。患者はレジ操作利便性、滞在時間変化、会計の選好、薬剤師は業務効率化、滞在時間変化、対人業務時間変化を調査。
【結果】操作性について、「簡単・わかりやすい」と回答した患者は203名(約79%)であり、多くがセルフレジ操作に対して肯定的な評価を示した。滞在時間について、「短縮されたと感じる」と回答した患者は106名(約41%)であり、「どちらともいえない」との回答は145名(約56%)を占めた。薬剤師も「短縮されたと感じる」と回答が12名(42.9%)、「変わらない」は14名(50.0%)であり、時間短縮の実感は一様ではなかった。一方、「セルフレジ導入により業務が効率化された」と回答した薬剤師は24名(約86%)、「対人業務に取り組む時間が増えた」と回答したのは19名(約68%)を占め、多くの薬剤師が肯定的な評価を示した。
【考察】本研究より、調剤薬局におけるセルフレジ導入は、患者の利便性向上および薬剤師の業務効率化に一定程度寄与することが示唆された。一方で、滞在時間の短縮効果は一様ではなく、特に操作に不安を抱く患者層への配慮が必要と考えられる。薬局DXを推進する上では、単なる機器導入に留まらず、患者多様性を踏まえた運用設計や対人支援との適切な役割分担が重要な課題である。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン