講演情報

[P-113-B]保険薬局薬剤師の出荷調整に対する現場負担と処方提案の実態調査

田口 吉史1, 丹野 智文2, 増林 北斗3, 小島 史紀4, 仲泉 洋輔4, 末澤 千恵5, 庄村 元希4 (1.(株)なの花中部 なの花薬局 駒爪店, 2.関ケ原店, 3.美川店, 4.事業部, 5.河芸店)
PDFダウンロードPDFダウンロード
【目的】医療用医薬品(以下、薬剤)の出荷調整が数年にわたって続いており、薬剤師の業務負担は増大している。その中で薬剤師は薬剤が確保できないことによる薬剤変更の疑義照会や情報提供を行う時があるが、その判断において診療ガイドライン(以下、GL)等の信頼性の高い情報がどの程度参照されているかは明らかとなっていない。本研究では、出荷調整が薬剤師の業務負担および処方変更業務に与える影響と、処方提案時におけるGL参照の実態を明らかにすることを目的とした。
【方法】2025年11月17日から11月29日に、株式会社なの花中部所属の店舗勤務薬剤師140名を対象に匿名Webアンケート調査を実施した。調査項目は、出荷調整による業務負担、GLの参照状況とGL参照の利点や活用が難しい理由、今後処方変更提案時に現場で求められる資料などとした。
【結果】有効回答61名(43.6%)。出荷調整による業務負担では「患者への説明」「薬剤確保」が共に91.8%と最も多く、「疑義照会」は73.8%であった。GL参照状況は「ほとんど/だいたい参照する」が47.6%、そのうち82.8%が「根拠に基づく処方提案の重要性」を利点と回答した。「あまり/ほとんど参照しない」が52.4%、そのうち75%は「GLを確認する時間がない」と回答した。今後処方変更提案時に現場で求める資料は「限られた時間の中で根拠を持って処方提案を行えるコンパクトな資料」が93.4%で最も高かった。
【考察】出荷調整は主に薬剤師の時間的な業務負担増加につながっていることが明らかとなった。GLの重要性が認識される一方、GL参照には時間の確保が課題となっている現状が示唆された。今後、GLの内容を整理したコンパクトな資料を作成・展開し、業務内で確認できるようにすることで、根拠に基づく処方提案が促進し、薬物療法の質向上に貢献すると考えられる。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン