講演情報
[P-124-A]日本医療機能評価機構(JCQHC)公開データを用いた経口抗がん剤ヒヤリ・ハット事象解析:薬剤特性に起因するエラーパターンの解明
高山 幸1, 藤田 泉2, 舟見 健児3, 大和 正幸4, 丸田 勇樹5,6 (1.(株)フロンティア フロンティア薬局 宝塚店, 2.若竹店, 3.手稲中央店, 4.昆陽池店, 5.日立店, 6.国際医療福祉大学大学院薬学研究科)
【目的】経口抗がん剤では、用法・用量や投与日程等の問題点を患者に交付する前に薬剤師が処方監査で是正する必要がある。本研究では、JCQHC公開データからテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1)、カペシタビン(Cape)、トリフルリジン・チピラシル(FTD/TPI)、テガフール・ウラシル(UFT)の4 剤関連事例を比較し、薬剤別の処方監査上の留意点を検討した。
【方法】JCQHC薬局ヒヤリ・ハット公開データ(2020 年3 月- 2026 年2 月)より、対象4 剤に関連する事例を抽出した。各事例は、発生工程、事象種別、患者への影響度を集計・分類し、薬剤間の差異を比較解析した。
【結果】計1,844 件(S-1 996 件、Cape 420 件、FTD/TPI 218 件、UFT 210 件)を抽出した。処方監査段階が964 件(52.3 %)で最多であり、薬剤別では、それぞれ511 件(51. 3%)、218 件(51.9 %)、119 件(54.6 %)、116 件(55.2 %)であった。同段階の最多ヒヤリ・ハット事象は、S-1 とCapeで投与量239 件(46.8 %)、97 件(44.5 %)、FTD/TPIで投与日数43 件(36.1 %)、UFTで用法68 件(58.6 %)であった。処方監査段階における患者への影響度では、FTD/TPI、S-1、Capeで健康被害懸念が多く、それぞれ89 件(74.8 %)、354 件(69.3 %)、145 件(66.5 %)で、UFTでは治療効果不十分が73 件(62.9 %)が最多であった。
【考察】本研究はヒヤリ・ハット報告に基づくため、事象の背景等の把握には限界があるが、エラーは画一的ではなく、S-1とCapeでは体表面積・腎機能に基づく用量設定、FTD/TPIでは投与スケジュール、UFTではUFT/LV療法における食事タイミングを含む用法指示が重点確認項目と示唆された。薬局における安全管理は網羅的な確認にとどまらず、計算の独立二重チェック、カレンダーを用いた視覚的介入、teach-back法を用いた理解度確認といった各薬剤のリスクプロファイルに合致したアプローチへ転換する必要がある。
【方法】JCQHC薬局ヒヤリ・ハット公開データ(2020 年3 月- 2026 年2 月)より、対象4 剤に関連する事例を抽出した。各事例は、発生工程、事象種別、患者への影響度を集計・分類し、薬剤間の差異を比較解析した。
【結果】計1,844 件(S-1 996 件、Cape 420 件、FTD/TPI 218 件、UFT 210 件)を抽出した。処方監査段階が964 件(52.3 %)で最多であり、薬剤別では、それぞれ511 件(51. 3%)、218 件(51.9 %)、119 件(54.6 %)、116 件(55.2 %)であった。同段階の最多ヒヤリ・ハット事象は、S-1 とCapeで投与量239 件(46.8 %)、97 件(44.5 %)、FTD/TPIで投与日数43 件(36.1 %)、UFTで用法68 件(58.6 %)であった。処方監査段階における患者への影響度では、FTD/TPI、S-1、Capeで健康被害懸念が多く、それぞれ89 件(74.8 %)、354 件(69.3 %)、145 件(66.5 %)で、UFTでは治療効果不十分が73 件(62.9 %)が最多であった。
【考察】本研究はヒヤリ・ハット報告に基づくため、事象の背景等の把握には限界があるが、エラーは画一的ではなく、S-1とCapeでは体表面積・腎機能に基づく用量設定、FTD/TPIでは投与スケジュール、UFTではUFT/LV療法における食事タイミングを含む用法指示が重点確認項目と示唆された。薬局における安全管理は網羅的な確認にとどまらず、計算の独立二重チェック、カレンダーを用いた視覚的介入、teach-back法を用いた理解度確認といった各薬剤のリスクプロファイルに合致したアプローチへ転換する必要がある。
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