講演情報

[P-127-A]認知症を有する高齢者施設入所者において薬剤師がDPP-4阻害薬による水疱性類天疱瘡を発見した一症例

柴田 和美1, 宮島 永2 (1.(株)ココカラファインヘルスケア ココカラファイン薬局守山白山店, 2.(株)MCCマネジメント 人材開発部)
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【目的】認知症高齢者は副作用の自己訴えが困難であり、医療従事者による微細な変化の観察が不可欠である。今回、施設往診同行時にDPP-4阻害薬による副作用を早期に疑い、適切な処方提案により重症化を回避できた症例を経験したため報告する。
【症例提示】90歳代女性。要介護度5、重度アルツハイマー型認知症。X年Y月にHbA1c7.9%、食後血糖値224mg/dLを示し、リナグリプチンとミチグリニドの服用を開始した。
【経過】服薬開始2か月後、HbA1c7.1%、食後血糖値170mg/dL台と安定したため、服用継続となった。服薬開始5ヶ月後、往診同行時のバイタルチェックおよび身体アセスメントにて、四肢に多数の1cm大の紅斑および水疱を確認した。施設介護スタッフへの聞き取りでは、「2週間程前から痒がっている」との情報を得た。服用中のDPP-4阻害薬による水疱性類天疱瘡の副作用の可能性を考慮し、鑑別判断のために往診医に対し、直ちに当該薬の中止と皮膚科受診を提案した。
【結果】往診医によりリナグリプチンの服用中止を指示され、皮膚科受診の結果、水疱性類天疱瘡と診断、プレドニゾロンを服用することになった。その後新たな水疱は発生せず、徐々に皮疹の消退が認められ、1ヶ月後には、紅斑や水疱は完全に消失した。血糖管理はミチグリニドのみでも良好に維持された。
【考察】本症例では、薬剤師が往診同行を通じて直接患者の皮膚症状を観察し、施設介護スタッフからの情報を統合したことで発見に繋がった。DPP-4阻害薬による副作用は投与開始から年単位で経過した後に発症する事例もあり、長期服用患者においても継続的なモニタリングが重要である。
【結論】意思疎通が困難な認知症高齢者において、薬剤師が視診を伴う積極的なモニタリングを行うことは、重篤な副作用の早期発見と安全な薬物療法の維持に大きく寄与できることが示唆された。

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