講演情報

[P-130-A]薬局薬剤師の薬物動態学的評価―PISCSに基づきリバーロキサバンの投与量を再検討した一例―

梅野 美智瑠 ((株)スギ薬局 阪神調剤薬局 草津矢橋店)
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【目的】リバーロキサバンはCYP3A4及びP-gpにて代謝され、CYP3A4阻害薬との併用で血中濃度上昇や出血リスク増大の可能性がある。一方、心房細動のアブレーション前の抗凝固療法では十分な抗凝固強度の維持が重要である。今回、CYP3A4阻害薬併用時のリバーロキサバンについて、PISCSによる薬物相互作用予測に基づき、投与量を再検討した一例を報告する。
【症例】非弁膜症性心房細動、爪白癬のある40代男性。リバーロキサバン15mg/日が処方されたが、他院より1週間前にラブコナゾール100mg/日(中等度のCYP3A4阻害剤)の処方があるとマイナ情報より確認した。リバーロキサバンの血中濃度の上昇リスクを考慮し、処方当日に疑義照会を実施したところ、主治医からはアブレーション前の抗凝固強度維持のため15mg/日維持の意向が示されたが、当日は出血リスクを考慮し10mg/日へ減量となった。PISCSにてCYP3A4寄与率0.18、阻害率0.73でありリバーロキサバンのAUC上昇は約1.2倍と軽度と予測された。既往歴やCCr65.6mL/分、BMI19.6などからDOACスコアは0点だった。
【結果】減量後、患者の状態が安定していたためPISCSの予測結果や患者背景を踏まえ15mg/日への増量を提案し、次回受診時に採択された。増量後、電話フォローアップや来局時面談にて出血イベントや血栓症状は認めず、アブレーションは予定通り施行された。
【考察】本症例ではPISCSにてAUCの増加が軽度と推定され、臨床的に重大な増加ではない可能性が示唆された。薬剤師は、相互作用のリスクに着目した一律の減量ではなく、薬物動態学的評価や患者背景、治療目的を統合的に判断した上で用量を医師と協議する必要がある。PISCSは医師の治療意図を尊重しながら科学的根拠を提示できる手段となり得るツールであり、今後、薬剤師が相互作用評価に積極的に関与することで、より個別化された薬物療法の設計に利用できると考える。

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