講演情報
[P-152-B]在宅医療における抗菌薬適正使用の課題と薬剤師介入の意義:バンコマイシン投与症例の検討
長谷川 洸介1,2, 瀬山 翔史2, 中南 秀将2 (1.(株)メディックス 医療情報管理・教育研修部, 2.東京薬科大学 薬学部 臨床微生物学教室)
【背景】在宅医療における抗菌薬適正使用 (AMS) の重要性が高まる一方で、治療薬物モニタリング (TDM) や培養検査の実施体制には依然として制約がある。腎機能障害を有する高齢患者では、バンコマイシン (VCM) 投与時に適切な投与設計とTDM実施などのモニタリングが求められる。本報告では、在宅医療において保険薬剤師がVCM投与患者に介入し、AMSの課題及び介入意義を検討した。
【症例】サービス付き高齢者住宅入居中、膀胱留置カテーテルや中心静脈カテーテルを留置した90歳代女性。介入時に確認した直近の採血結果における腎機能はCLcr 35.6 mL/minであった。37.5℃の発熱を契機に、感染源や起炎菌不明の感染症疑いでVCM 1回0.5 g、1日2回で投与開始となったが、開始前の採血及び培養検査はいずれも未実施であった。
【介入】保険薬剤師が在宅訪問時に当該処方を確認し、患者背景、投与設計、モニタリング状況を評価した。腎機能に応じた用量設定及び血中濃度管理の必要性と培養検査の重要性について医師へ情報提供を行い、在宅医療における検査体制の制約やTDM実施の困難性を踏まえ、抗菌薬選択を含めたAMSについて検討した。
【結果】VCMは予定どおり5日間投与され解熱した。その後、発熱時には採血を実施し、WBC及びCRPを確認し、抗菌薬を選択する方針となった。以降はセファレキシンが処方され、良好な感染症管理が継続された。また、今後VCMを使用する際には、ガイドラインに準拠した投与設計及びモニタリングを実施する方針が共有された。
【考察】本症例では、在宅医療における培養検査及びTDM実施体制の未整備が、VCM適正使用の障壁として示された。一方で、保険薬剤師による薬学的評価と情報提供は、診療方針の見直しとAMS推進に寄与した。
【結論】在宅医療におけるAMSの推進には、検査体制の整備と薬剤師を含む多職種連携が重要であり、その実践及び体制整備が急務であることが示された。
【症例】サービス付き高齢者住宅入居中、膀胱留置カテーテルや中心静脈カテーテルを留置した90歳代女性。介入時に確認した直近の採血結果における腎機能はCLcr 35.6 mL/minであった。37.5℃の発熱を契機に、感染源や起炎菌不明の感染症疑いでVCM 1回0.5 g、1日2回で投与開始となったが、開始前の採血及び培養検査はいずれも未実施であった。
【介入】保険薬剤師が在宅訪問時に当該処方を確認し、患者背景、投与設計、モニタリング状況を評価した。腎機能に応じた用量設定及び血中濃度管理の必要性と培養検査の重要性について医師へ情報提供を行い、在宅医療における検査体制の制約やTDM実施の困難性を踏まえ、抗菌薬選択を含めたAMSについて検討した。
【結果】VCMは予定どおり5日間投与され解熱した。その後、発熱時には採血を実施し、WBC及びCRPを確認し、抗菌薬を選択する方針となった。以降はセファレキシンが処方され、良好な感染症管理が継続された。また、今後VCMを使用する際には、ガイドラインに準拠した投与設計及びモニタリングを実施する方針が共有された。
【考察】本症例では、在宅医療における培養検査及びTDM実施体制の未整備が、VCM適正使用の障壁として示された。一方で、保険薬剤師による薬学的評価と情報提供は、診療方針の見直しとAMS推進に寄与した。
【結論】在宅医療におけるAMSの推進には、検査体制の整備と薬剤師を含む多職種連携が重要であり、その実践及び体制整備が急務であることが示された。
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