講演情報

[P-154-A]思春期統合失調症患者への在宅訪問における薬剤師介入の意義と課題

西 哲矢 ((株)アイセイ薬局 近畿西支店)
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【目的】精神疾患患者の在宅療養支援における薬剤師訪問の意義と、精神保健福祉士を含む多職種連携の有用性を1症例から検討する。
【方法】統合失調症の10代男性1例を対象に、X年1月から2週に1回、約40回の訪問を行った。患者は学業成績が高く、自ら薬剤情報を調べて独自解釈し、服薬が不安定であったため、訪問看護師と精神保健福祉士の相談を契機に医師指示で薬剤師介入を開始した。薬剤師は服薬指導に加え、学校生活や家庭状況を聴取し、薬剤師が把握した服薬状況、自己中断の有無、副作用の訴え、症状や生活面の変化、家族の不安や受け止めを、必要時に医師、看護師、精神保健福祉士へ随時共有した。経過を後方視的に整理した。
【結果】介入初期、患者は眠気を単一薬剤のみの副作用と捉え自己中断していたため、薬剤師は添付文書の薬物動態グラフを用い服薬時間と薬効発現の関係を説明し、患者は納得し服薬を再開した。その後、訪問の積み重ねの中で日常会話や学校生活の傾聴により信頼関係が形成され、父親との面談や母親からの電話相談対応は家族の不安軽減につながった。精神保健福祉士とは、薬剤師が行ったABAに基づく服薬支援や服薬・生活情報を共有した。
看護師からは薬剤説明負担が軽減され、ストレス緩和や生活支援に時間を割けたとの評価が得られた。X+3年1月以降は症状悪化と服薬不良が進行し、薬剤師が把握した服薬状況と症状変化を医師へ共有したことが入院調整を後押しし、その後の入院に至った。訪問看護休止後も薬剤師訪問は在宅支援の接点として継続した。
【考察】本症例では、根拠を示した服薬説明と継続的な傾聴が患者の納得と信頼形成に寄与し、薬剤師が共有した具体的な服薬・症状・家族情報が多職種の判断と支援に活用された。薬剤師訪問は服薬支援にとどまらず、家族支援と多職種連携の継続を支える役割を果たす可能性が示唆された。

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