講演情報
[P-159-C]医薬品副作用データベース(JADER)を用いた薬剤性腎糸球体障害発現状況の解析
富田 雅之, 岸田 充生 ((株)フロンティア 南関東支店)
【目的】医薬品の副作用として糸球体障害が発現することがあり、腎にとって大きな脅威となるが、病理診断をベースに薬剤性糸球体障害について解析した報告は限られ、その全容は不明な点が多い。本研究では、薬剤性糸球体障害の発現状況を明らかにすることを目的として、PMDAが提供する医薬品副作用データベース(JADER)を用いて網羅的な解析を行った。
【方法】解析には2004年4月から2025年12月までに報告された1,027,194例のデータを用いた。糸球体障害を示す疾患名(MedDRA/J, ver.28.1による基本語)にて検索し、各疾患の被疑薬として報告数の多いものについて報告オッズ比(ROR)を算出した。95%信頼区間を算出し、下限が1を超えるものを有意と判定した。
【結果】糸球体疾患として1,713件がヒットした。この中で100件以上の報告があったのはIgA腎症(391件)、急速進行性糸球体腎炎(319件)、膜性糸球体腎炎(257件)、糸球体腎炎(128件)、巣状分節性糸球体硬化症(124件)、ループス腎炎(113件)であった。転帰について、改善を示した割合は73%であった。病型の異なる3疾患の解析において、IgA腎症では新型コロナウイルスワクチン(141件、ROR:18.7)、インフリキシマブ(31件、15.7)、タクロリムス(27件、5.0)、膜性糸球体腎炎ではブシラミン(79件、361)、クロピドグレル(14件、9.4)、シクロスポリン(11件、5.2)、巣状分節性糸球体硬化症ではシクロスポリン(24件、27.1)、ミコフェノール酸(13件、16.8)、ロキソプロフェン(14件、15.2)が高い関連性を示し(いずれも有意)、疾患毎に差が認められた。
【考察】薬剤性糸球体障害の報告は一定数あり、その約3割の症例では改善には至っていないことが明らかとなった。糸球体疾患の病型によりリスクの高い薬剤が異なることが確認されたことから、その使用に際しては糸球体障害の指標としてeGFRの変化、蛋白尿の発現等に注意を払い、副作用の兆候を早期に発見することが重要と考えられる。
【方法】解析には2004年4月から2025年12月までに報告された1,027,194例のデータを用いた。糸球体障害を示す疾患名(MedDRA/J, ver.28.1による基本語)にて検索し、各疾患の被疑薬として報告数の多いものについて報告オッズ比(ROR)を算出した。95%信頼区間を算出し、下限が1を超えるものを有意と判定した。
【結果】糸球体疾患として1,713件がヒットした。この中で100件以上の報告があったのはIgA腎症(391件)、急速進行性糸球体腎炎(319件)、膜性糸球体腎炎(257件)、糸球体腎炎(128件)、巣状分節性糸球体硬化症(124件)、ループス腎炎(113件)であった。転帰について、改善を示した割合は73%であった。病型の異なる3疾患の解析において、IgA腎症では新型コロナウイルスワクチン(141件、ROR:18.7)、インフリキシマブ(31件、15.7)、タクロリムス(27件、5.0)、膜性糸球体腎炎ではブシラミン(79件、361)、クロピドグレル(14件、9.4)、シクロスポリン(11件、5.2)、巣状分節性糸球体硬化症ではシクロスポリン(24件、27.1)、ミコフェノール酸(13件、16.8)、ロキソプロフェン(14件、15.2)が高い関連性を示し(いずれも有意)、疾患毎に差が認められた。
【考察】薬剤性糸球体障害の報告は一定数あり、その約3割の症例では改善には至っていないことが明らかとなった。糸球体疾患の病型によりリスクの高い薬剤が異なることが確認されたことから、その使用に際しては糸球体障害の指標としてeGFRの変化、蛋白尿の発現等に注意を払い、副作用の兆候を早期に発見することが重要と考えられる。
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