講演情報
[SY1-3]日本薬剤師会の取り組み
田中 千尋 (公益社団法人日本薬剤師会 常務理事)

近年の大規模災害では、被災者の高齢化や慢性疾患の併存、避難生活の長期化などを背景に、医薬品の安定供給や服薬継続支援、生活環境に起因する二次的健康被害への対応が大きな課題となっている。こうした状況において、日常的に地域住民の生活に最も近い場所で医療を支えている薬局薬剤師が、災害医療において果たす役割は極めて重要である。
日本薬剤師会では、災害時における医療救護活動の基本的な考え方として、「被災地域の医療体制を、可能な限り早期に災害前の通常の体制へ戻すための支援であること」を重視している。これは、支援側が医療を代替するのではなく、地域の医療・薬事機能の回復を後押しするという方針であり、これまでの災害対応においても一貫して共有されてきた考え方である。
実災害では、被災都道府県に設置される保健医療福祉調整本部と、被災都道府県薬剤師会に設置される災害対策本部が連携し、現地の状況に即した薬事支援活動を進める。地域の医療資源や住民背景を熟知した薬局薬剤師が主体的に関わることで、避難所や在宅被災者に対する服薬継続支援、医薬品管理に加え、軽症・初期症状に対するOTC医薬品の適切な活用やセルフメディケーション支援など、生活に直結した対応が可能となる。日本薬剤師会は、こうした都道府県薬剤師会の活動を後方から支援する立場として、情報共有、人的・物的支援の調整、災害薬事コーディネーターを軸とした全国的な連携体制の確保に取り組んでいる。
さらに、日本薬剤師会は、支援薬剤師体制の制度設計や人材育成、派遣・管理体制の整備を進め、薬局薬剤師が平時の地域医療の延長線上で災害医療に関与できる環境づくりを目指している。災害対応は特別な経験や技能を持つ一部の薬剤師だけが担うものではなく、日常の服薬支援や健康相談、OTC医薬品を含めた包括的な薬学的支援の積み重ねが基盤となる。災害対応未経験の薬剤師にとっても、地域に根差した薬局業務そのものが災害医療への第一歩であり、「普段を取り戻す」支援の担い手として関わることが期待される。本シンポジウムでは、日本薬剤師会の取り組みを通じて、薬局薬剤師が災害医療に果たす役割と今後の可能性について考察する。
【学歴】
1999年3月 大阪薬科大学卒業
【職歴】
2002年7月 有限会社インフィニティ たけのこ薬局開設
【主な薬剤師会役員歴】
2006年5月 芦屋市薬剤師会 理事
2014年5月~ 芦屋市薬剤師会 副会長(~現在)
2014年6月 兵庫県薬剤師会 理事
2018年6月~ 兵庫県薬剤師会 常務理事(~現在)
2022年6月 日本薬剤師会 理事
2024年6月~ 日本薬剤師会 常務理事(~現在)
【主な公的委員歴】
2024年12月~ 厚生労働省 健康・医療・介護情報利活用検討会
介護情報利活用ワーキンググループ 構成員
日本薬剤師会では、災害時における医療救護活動の基本的な考え方として、「被災地域の医療体制を、可能な限り早期に災害前の通常の体制へ戻すための支援であること」を重視している。これは、支援側が医療を代替するのではなく、地域の医療・薬事機能の回復を後押しするという方針であり、これまでの災害対応においても一貫して共有されてきた考え方である。
実災害では、被災都道府県に設置される保健医療福祉調整本部と、被災都道府県薬剤師会に設置される災害対策本部が連携し、現地の状況に即した薬事支援活動を進める。地域の医療資源や住民背景を熟知した薬局薬剤師が主体的に関わることで、避難所や在宅被災者に対する服薬継続支援、医薬品管理に加え、軽症・初期症状に対するOTC医薬品の適切な活用やセルフメディケーション支援など、生活に直結した対応が可能となる。日本薬剤師会は、こうした都道府県薬剤師会の活動を後方から支援する立場として、情報共有、人的・物的支援の調整、災害薬事コーディネーターを軸とした全国的な連携体制の確保に取り組んでいる。
さらに、日本薬剤師会は、支援薬剤師体制の制度設計や人材育成、派遣・管理体制の整備を進め、薬局薬剤師が平時の地域医療の延長線上で災害医療に関与できる環境づくりを目指している。災害対応は特別な経験や技能を持つ一部の薬剤師だけが担うものではなく、日常の服薬支援や健康相談、OTC医薬品を含めた包括的な薬学的支援の積み重ねが基盤となる。災害対応未経験の薬剤師にとっても、地域に根差した薬局業務そのものが災害医療への第一歩であり、「普段を取り戻す」支援の担い手として関わることが期待される。本シンポジウムでは、日本薬剤師会の取り組みを通じて、薬局薬剤師が災害医療に果たす役割と今後の可能性について考察する。
【学歴】
1999年3月 大阪薬科大学卒業
【職歴】
2002年7月 有限会社インフィニティ たけのこ薬局開設
【主な薬剤師会役員歴】
2006年5月 芦屋市薬剤師会 理事
2014年5月~ 芦屋市薬剤師会 副会長(~現在)
2014年6月 兵庫県薬剤師会 理事
2018年6月~ 兵庫県薬剤師会 常務理事(~現在)
2022年6月 日本薬剤師会 理事
2024年6月~ 日本薬剤師会 常務理事(~現在)
【主な公的委員歴】
2024年12月~ 厚生労働省 健康・医療・介護情報利活用検討会
介護情報利活用ワーキンググループ 構成員
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