講演情報
[SY10-3]イオン薬局におけるバーコード活用の実態について
新井 亮 (イオンリテール株式会社 H&BC本部 調剤部 調剤システム担当)

近年、調剤薬局には医療安全の確保および医薬品情報管理の高度化が求められている。当社では GS1 バーコード・JANコードを活用し、調剤インシデント防止、トレーサビリティ確保、個人情報漏洩防止に取り組んでいるため、その概要を報告する。
当社が運営するイオン薬局では IT 化を積極的に推進し、各種調剤機器を導入している。これらの機器は GS1 バーコードを基盤として医薬品の払出・調製・監査を行い、調剤工程におけるピッキング、監査、薬剤充填時の照合に活用している。GS1 バーコード照合により、規格違いや類似名称医薬品の誤選択をピッキングおよび監査段階で検知した事例を認め、調剤インシデントの未然防止に寄与した。また一部機器では、払い出した薬剤の使用期限およびロット番号を患者単位で記録しており、医薬品回収時の対象患者抽出を迅速化するなど、トレーサビリティ確保に有用であった。
さらに、調剤工程の安全性向上に加えて、患者情報の適切な管理も重要である。個人情報保護の観点では、領収証等の帳票に受付情報のJANコードを付与し 1 対 N 照合を可能とした。これにより、患者情報と帳票の一致確認を機械的に行うことで、要配慮個人情報である帳票取り違えや誤交付リスクの低減に繋がった。
また、医薬品情報管理においても課題が存在する。当社では電子薬歴システムでの電子添文閲覧、添文ナビ、メディナビを併用して情報収集を行っている。しかし電子薬歴システムの併用チェック機能では電子添文改訂情報の反映にタイムラグが生じる課題がある。さらにメディナビの「マイ医薬品集」機能は CSV アップロードが必要であるが、レセコン在庫システムは当社の運用管理上 CSV 出力を制限しているため、活用できていない。このため現状ではメール配信情報を基に必要情報を選別し、調剤時に活用している。
加えて、社内共有として、バイヤーによる企業・卸からの情報配信や薬事担当者による副作用・併用注意情報の発信など、多層的な情報収集体制を構築している。
以上より、バーコード活用は調剤インシデント防止にとどまらず、トレーサビリティ確保、個人情報保護、医薬品情報管理の効率化にも有用であることが示唆された。一方で、情報更新のタイミングやシステム制約といった課題も明らかとなった。今後は情報収集体制およびシステム連携の改善を進め、さらなる医療安全の向上が求められる。
【略歴】
1999年 昭和薬科大学薬学部生物薬学科 卒業
1999年 セントラルメディカル株式会社 入社
2004年 株式会社富士バイオメディックス 入社
2005年 イオン株式会社(現イオンリテール株式会社) 入社
2018年 アイリスファーマ株式会社 入社
2019年 イオンリテール株式会社 入社 名古屋事業部 調剤トレーナー担当
2022年 同社 H&BC本部 調剤部 教育担当
2024年 同社 H&BC本部 調剤部 調剤システム担当
当社が運営するイオン薬局では IT 化を積極的に推進し、各種調剤機器を導入している。これらの機器は GS1 バーコードを基盤として医薬品の払出・調製・監査を行い、調剤工程におけるピッキング、監査、薬剤充填時の照合に活用している。GS1 バーコード照合により、規格違いや類似名称医薬品の誤選択をピッキングおよび監査段階で検知した事例を認め、調剤インシデントの未然防止に寄与した。また一部機器では、払い出した薬剤の使用期限およびロット番号を患者単位で記録しており、医薬品回収時の対象患者抽出を迅速化するなど、トレーサビリティ確保に有用であった。
さらに、調剤工程の安全性向上に加えて、患者情報の適切な管理も重要である。個人情報保護の観点では、領収証等の帳票に受付情報のJANコードを付与し 1 対 N 照合を可能とした。これにより、患者情報と帳票の一致確認を機械的に行うことで、要配慮個人情報である帳票取り違えや誤交付リスクの低減に繋がった。
また、医薬品情報管理においても課題が存在する。当社では電子薬歴システムでの電子添文閲覧、添文ナビ、メディナビを併用して情報収集を行っている。しかし電子薬歴システムの併用チェック機能では電子添文改訂情報の反映にタイムラグが生じる課題がある。さらにメディナビの「マイ医薬品集」機能は CSV アップロードが必要であるが、レセコン在庫システムは当社の運用管理上 CSV 出力を制限しているため、活用できていない。このため現状ではメール配信情報を基に必要情報を選別し、調剤時に活用している。
加えて、社内共有として、バイヤーによる企業・卸からの情報配信や薬事担当者による副作用・併用注意情報の発信など、多層的な情報収集体制を構築している。
以上より、バーコード活用は調剤インシデント防止にとどまらず、トレーサビリティ確保、個人情報保護、医薬品情報管理の効率化にも有用であることが示唆された。一方で、情報更新のタイミングやシステム制約といった課題も明らかとなった。今後は情報収集体制およびシステム連携の改善を進め、さらなる医療安全の向上が求められる。
【略歴】
1999年 昭和薬科大学薬学部生物薬学科 卒業
1999年 セントラルメディカル株式会社 入社
2004年 株式会社富士バイオメディックス 入社
2005年 イオン株式会社(現イオンリテール株式会社) 入社
2018年 アイリスファーマ株式会社 入社
2019年 イオンリテール株式会社 入社 名古屋事業部 調剤トレーナー担当
2022年 同社 H&BC本部 調剤部 教育担当
2024年 同社 H&BC本部 調剤部 調剤システム担当
コメント
コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン
