講演情報
[SY15-4]糖尿病のある人の“自分らしさ”を支える~病院と薬局薬剤師によるダイアベティスケアを紡ぐ~
大東 敏和 (広島大学病院 医療安全管理部/薬剤部 薬剤主任)

平成27年に厚生労働省より示された「患者のための薬局ビジョン」に基づき、保険薬局に求められる役割は、従来の調剤業務中心の機能から、患者一人ひとりの生活を支える継続的な支援へ大きく転換している。一方、外来患者における服薬状況や治療に対する困りごとは、病院側で十分に把握しきれない場合も多く、その情報共有の在り方が求められている。
こうした背景のもと、調剤時の疑義照会とは別に、服薬フォローアップ時の情報共有ツールとして「トレーシングレポート(以下TR)」が各地で活用されている。広島県においては、広島県薬剤師会および広島県病院薬剤師会(県病薬)が協働し、県内共通版TR事業を開始した。本事業では、様式の統一に加え、参加病院において病院薬剤部門が窓口となり、処方医師への情報伝達および薬局へのフィードバックを確実に行う運用体制を構築している点が特徴である。
2019年から3年間で、TR参加病院は19施設から44施設へ増加し、受入件数も5.8倍となった。一方、糖尿病治療に関するTRは少ない状況であった。そこで、県病薬専門薬剤師委員会(糖尿病)を中心に糖尿病薬チェックシートを作成し、糖尿病連携シリーズ研修会(全3回)を通じて普及活動を行った。4地域での開催、延べ参加者数は695名に達し、関心と参画の拡大が認められた。
さらに、各医療機関において病院薬剤師が、医師と薬局薬剤師をつなぐ役割が重要であると考え、当院内分泌・糖尿病内科医局においてTR事業に関する説明会を実施した。その結果、医師からの服薬フォローアップ依頼に対して薬局からTRが届く体制が進展している。TRの内容は、チェックシート項目にとどまらず、糖尿病のある方の生活に結び付いた情報が共有されるようになっている。
本事業を通じて、薬局薬剤師が糖尿病薬に関する基本的な服薬フォローアップを実践できるようになり、糖尿病のある人と「語る」ことが可能となる。その先に、糖尿病のある人が自分らしく生きることを支援するという一連の流れが促進されている。本シンポジウムでは、広島県におけるこれらの取り組みを紹介するとともに、地域で糖尿病治療を牽引する薬剤師がどのような役割を担うべきかについて、参加者とともに議論を深めたい。
【略歴】
2006年 京都大学薬学部 総合薬学科 卒業
2006年 奈良県立医科大学附属病院 薬剤部 入職
2013年 広島大学病院 薬剤部 入職
2017年 広島大学病院 薬剤部 薬剤主任
2020年 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 博士 (医学)
2026年 広島大学病院 医療安全部 GRM
【所属学会・活動】
日本くすりと糖尿病学会:ネットワーク委員(副委員長、中四国ブロック長)、アドボカシー部会(部会長)、将来計画委員会(委員)、試験委員会(委員)、技能研修ファシリテーター
広島県病院薬剤師会:地域医療連携支援検討委員会(委員)
広島県薬剤師会:医療連携委員会(委員)
こうした背景のもと、調剤時の疑義照会とは別に、服薬フォローアップ時の情報共有ツールとして「トレーシングレポート(以下TR)」が各地で活用されている。広島県においては、広島県薬剤師会および広島県病院薬剤師会(県病薬)が協働し、県内共通版TR事業を開始した。本事業では、様式の統一に加え、参加病院において病院薬剤部門が窓口となり、処方医師への情報伝達および薬局へのフィードバックを確実に行う運用体制を構築している点が特徴である。
2019年から3年間で、TR参加病院は19施設から44施設へ増加し、受入件数も5.8倍となった。一方、糖尿病治療に関するTRは少ない状況であった。そこで、県病薬専門薬剤師委員会(糖尿病)を中心に糖尿病薬チェックシートを作成し、糖尿病連携シリーズ研修会(全3回)を通じて普及活動を行った。4地域での開催、延べ参加者数は695名に達し、関心と参画の拡大が認められた。
さらに、各医療機関において病院薬剤師が、医師と薬局薬剤師をつなぐ役割が重要であると考え、当院内分泌・糖尿病内科医局においてTR事業に関する説明会を実施した。その結果、医師からの服薬フォローアップ依頼に対して薬局からTRが届く体制が進展している。TRの内容は、チェックシート項目にとどまらず、糖尿病のある方の生活に結び付いた情報が共有されるようになっている。
本事業を通じて、薬局薬剤師が糖尿病薬に関する基本的な服薬フォローアップを実践できるようになり、糖尿病のある人と「語る」ことが可能となる。その先に、糖尿病のある人が自分らしく生きることを支援するという一連の流れが促進されている。本シンポジウムでは、広島県におけるこれらの取り組みを紹介するとともに、地域で糖尿病治療を牽引する薬剤師がどのような役割を担うべきかについて、参加者とともに議論を深めたい。
【略歴】
2006年 京都大学薬学部 総合薬学科 卒業
2006年 奈良県立医科大学附属病院 薬剤部 入職
2013年 広島大学病院 薬剤部 入職
2017年 広島大学病院 薬剤部 薬剤主任
2020年 広島大学大学院 医歯薬保健学研究科 博士 (医学)
2026年 広島大学病院 医療安全部 GRM
【所属学会・活動】
日本くすりと糖尿病学会:ネットワーク委員(副委員長、中四国ブロック長)、アドボカシー部会(部会長)、将来計画委員会(委員)、試験委員会(委員)、技能研修ファシリテーター
広島県病院薬剤師会:地域医療連携支援検討委員会(委員)
広島県薬剤師会:医療連携委員会(委員)
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