講演情報

[SY18-5]なぜメトホルミンは余ったのか?~症例から「真因」を探る薬剤レビューの実践~

永田 雅史 (株式会社スギ薬局 福町店 管理薬剤師 兼 薬局長 兼 人財開発部 DI課)
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超高齢社会において、慢性疾患を抱える高齢患者は増加の一途を辿っており、地域薬局薬剤師には、薬物療法の安全性と有効性を継続的に評価する役割が強く求められている。特に高齢患者では、生理機能の変化や生活環境の多様化に伴い、服薬不遵守や残薬といった問題が生じやすい。しかし、残薬という“結果”のみに目を向けた表面的な日数調整や、一般的な服薬再指導といった介入にとどまるようでは、その背景に潜む薬物関連問題(MRP)を見逃し、本質的な解決に至らない場合がある。
 本セッションでは、残薬確認を契機に真因探索へ至った薬剤レビューの実践症例を提示する。症例は、2型糖尿病にて近医通院中の70代患者である。投薬時の情報収集(ASK)のプロセスにおいて、特定の糖尿病治療薬における頻回な服薬スキップが判明した。当初は単なるアドヒアランス不良や自己管理不足が疑われたが、丁寧なヒアリングを通じて背景を探ると、そこには副作用への懸念、疾患理解の不足、服薬に対する患者自身の解釈など、複数の要因が複雑に関与していることが見えてきた。
 このような症例において、薬剤師には集まった情報の意味を考え、解決すべきMRPの真因を論理的に分析・特定する評価プロセス(ASSESS)が不可欠となる。さらに、そのアセスメントに基づき、処方医や患者に対して具体的かつ安全な次の一手を提示する介入(ADVISE)を展開することで、はじめて本質的な薬物療法の最適化と患者のQOL向上に繋げることが可能となる。
 当日は、提示する症例の導入部分を共有した上で、参加者の皆様とともに「なぜこの患者は服薬をスキップしていたのか」という真因を考察し、薬剤師がどのような視点でMRPを評価すべきかを検討する。ASK・ASSESS・ADVISEのプロセスを単なる手順ではなく、日々の臨床で活用できる“臨床推論モデル”として位置づけ、明日からの実践的な薬剤レビューと処方最適化について考える有意義な機会としたい。


【略歴】
2013年 神戸薬科大学 薬学部 卒業
2013年 株式会社スギ薬局 入職 現在に至る

資格
2021年 日本腎臓病協会 腎臓病療養指導士 取得
2023年 日本栄養治療学会 NST専門療法士 取得
2025年 日本臨床腫瘍薬学会 外来がん治療専門薬剤師 取得
2025年 日本腎臓病薬物療法学会 腎臓病薬物療法認定薬剤師 取得
2026年 日本化粧品協会 化粧品検定特級(コスメコンシェルジュ) 取得

所属学会
日本糖尿病学会、日本腎臓病薬物療法学会、日本臨床腫瘍薬学会、日本栄養治療学会

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