講演情報
[SY2-3]型を超えてしまう薬剤師「越境して、社会課題に挑む」
木内 翔太 (CrossHealth 代表、みどり薬局)

私は、薬剤師の「型」を、はみ出そうとしたわけではありません。気がつくと、いつも型の外にいたのです。
新卒で大学病院に勤め、保険薬局でも臨床に立ち、東京大学SPHを修了して、いまも同博士課程に在籍しています。表向きは真っ当な薬剤師のキャリアに見えるかもしれません。けれど実際は、国連フォーラムのスタディプログラムでコロンビア・ボゴタを訪れ、「平和がなければ、健康のことなど考えられない」という現実を前に深く挫折し、国際絵本『マヤとくすりやさんのぼうけん』の日本語版を仲間と編集・出版してAmazonで販売し(収益はFIP財団へ寄付)、地域の医療政策を可視化するWebメディア『地域医療スポッター』を立ち上げ、医療政策を毎日発信するPodcast『医療政策ウォッチャー』を休まず配信しています。勤め人の薬剤師という枠では絶対にやれないことを、勝手にやり続けてきました。
なぜそんなことになるのか。私はどうも、組織と肩書きの「型」が、本当に苦手なのです。
その私が東京大学SPHで医師・疫学者・行政官・社会科学者ら他職種と二年間学んで突きつけられたのは、薬剤師の知恵と努力が、医療や社会の外側に驚くほど届いていないという事実でした。臨床のなかで自明だった専門性が、外から見ると不透明で、評価されない。そしてその「届かなさ」は、現場で頑張る個人の努力ではどうにもならない、構造と回路の問題でした。
既存のやり方の内側にとどまっていては、社会課題には届きません。だから私は、「越境」という道を選びました。臨床の外へ、薬局の外へ、薬剤師という枠の外へ。その試みの一つがCrossHealthで、掲げているのは「薬剤師の知見と努力が、臨床を越えて社会課題の解決に貢献できる世界をつくる」というビジョンです。Podcast、地域医療メディア、絵本、博士課程での服薬アドヒアランス研究、教育や講演。いずれも、勤め人の枠ではできない種類の越境を、手探りで試してきたものです。
型からはみ出してしまうことは、長らく弱点だと思っていました。SPHでの越境体験を経て、それは社会課題に届くための武器なのかもしれない、と考えを変えました。本シンポジウムでは、SPHで得た他職種の眼差しが、薬剤師という職能の「越境」にどう結びついたのか、私個人の試行錯誤を率直にお話しします。
【略歴】
2019年 北里大学薬学部薬学科 卒業
2019年 東京科学大学病院 入職
2022年 株式会社ファーメスティ みどり薬局 入職
2024年 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 修了
2024年 東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻 在籍中
2025年 任意団体CrossHealth 設立
新卒で大学病院に勤め、保険薬局でも臨床に立ち、東京大学SPHを修了して、いまも同博士課程に在籍しています。表向きは真っ当な薬剤師のキャリアに見えるかもしれません。けれど実際は、国連フォーラムのスタディプログラムでコロンビア・ボゴタを訪れ、「平和がなければ、健康のことなど考えられない」という現実を前に深く挫折し、国際絵本『マヤとくすりやさんのぼうけん』の日本語版を仲間と編集・出版してAmazonで販売し(収益はFIP財団へ寄付)、地域の医療政策を可視化するWebメディア『地域医療スポッター』を立ち上げ、医療政策を毎日発信するPodcast『医療政策ウォッチャー』を休まず配信しています。勤め人の薬剤師という枠では絶対にやれないことを、勝手にやり続けてきました。
なぜそんなことになるのか。私はどうも、組織と肩書きの「型」が、本当に苦手なのです。
その私が東京大学SPHで医師・疫学者・行政官・社会科学者ら他職種と二年間学んで突きつけられたのは、薬剤師の知恵と努力が、医療や社会の外側に驚くほど届いていないという事実でした。臨床のなかで自明だった専門性が、外から見ると不透明で、評価されない。そしてその「届かなさ」は、現場で頑張る個人の努力ではどうにもならない、構造と回路の問題でした。
既存のやり方の内側にとどまっていては、社会課題には届きません。だから私は、「越境」という道を選びました。臨床の外へ、薬局の外へ、薬剤師という枠の外へ。その試みの一つがCrossHealthで、掲げているのは「薬剤師の知見と努力が、臨床を越えて社会課題の解決に貢献できる世界をつくる」というビジョンです。Podcast、地域医療メディア、絵本、博士課程での服薬アドヒアランス研究、教育や講演。いずれも、勤め人の枠ではできない種類の越境を、手探りで試してきたものです。
型からはみ出してしまうことは、長らく弱点だと思っていました。SPHでの越境体験を経て、それは社会課題に届くための武器なのかもしれない、と考えを変えました。本シンポジウムでは、SPHで得た他職種の眼差しが、薬剤師という職能の「越境」にどう結びついたのか、私個人の試行錯誤を率直にお話しします。
【略歴】
2019年 北里大学薬学部薬学科 卒業
2019年 東京科学大学病院 入職
2022年 株式会社ファーメスティ みどり薬局 入職
2024年 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻 修了
2024年 東京大学大学院医学系研究科社会医学専攻 在籍中
2025年 任意団体CrossHealth 設立
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