講演情報
[SY3-1]本年度診療報酬改定と地域フォーミュラリ-薬局機能の地域医療への進化-
今井 博久 (一般社団法人日本フォーミュラリ学会 理事長)

令和8年度診療報酬改定で、診療報酬体系に初めて地域フォーミュラリの評価が盛り込まれた。改定を俯瞰すると、医師、薬剤師の診療行為のみならず製造と流通を含めて、医薬品の安定供給の強化、地域医療の標準化と効率化に向けたエポック・メーキングな改定といえるだろう。とりわけ、薬局機能が「立地依存の医薬品提供」から「地域医療における実効的な貢献・対人業務」へシフトして行くべき方向性が示され、厚生労働省の「患者のための薬局ビジョン」に基づき、これまでの形式的な施設基準ではなく、実際の介入実績や地域医療への貢献を高く評価しそれを促す内容になった。そうした評価体系に「地域フォーミュラリ」の施策が入った。「地域フォーミュラリ」と「医薬品の安定供給の確保」は、緊密に連動した重要テーマとして位置づけられており、地域の薬局機能に焦点を当てるならば、従来には殆んどなかった機能への大きな歴史的な転換を進めものである。すなわち、地域の「医薬品供給拠点」としての機能強化である。単に処方箋を受け付ける場所から、地域の医薬品供給を守るインフラとしての機能が強く求められ、従来の「地域支援体制加算」と「後発医薬品調剤体制加算」が統合され、新たに大きな括りとして「地域支援・医薬品供給対応体制加算」として再評価された。また、国は地域フォーミュラリを「医薬品の安定供給」と「医療費適正化」を同時に達成するための切り札として推進する指針を明確にした。「医薬品安定供給」と「地域フォーミュラリ」、この2つの施策は相乗効果を狙って同時に進められる。地域フォーミュラリが策定され浸透すれば、薬効群ごとの推奨薬の集約化が進み、それに伴って医薬品の在庫最適化が促され、供給不安への対応として近隣薬局・病院間での相互融通が容易になり、地域全体の医薬品安定供給に貢献する。地域医療における薬局機能は大きな転換を迎えていることを認識する必要がある。より本質的には、こうした地域医療の現場での変化が、わが国の医薬品製造における「少量多品目生産体制」の構造から「多量少品目生産体制」の構造への転換を否応なしに推し進め、医薬品製造の効率化により国全体の医薬品安定供給が達成されるようになる。本シンポジウムでは、薬局機能の観点からの地域フォーミュラリ実施の方法および診療報酬改定における位置づけなどを議論し、また全国の動向や将来展望なども話したい。
【略歴】
1993年:旭川医科大学医学部医学科卒業
1995年:国立東京第二病院(当時)内科研修修了
1999年:北海道大学大学院医学研究科修了(医学博士号取得)
2000年:慶應義塾大学医学部助手
2001年:宮崎医科大学医学部講師
2004年:旭川医科大学医学部助教授
2005年:厚生労働省国立保健医療科学院疫学部長
2017年:東京大学医学部地域医薬システム学講座教授(特任)
2021年:日本フォーミュラリ学会理事長(現在に至る)
2022年:帝京大学大学院公衆衛生学研究科教授(2025年退職)
【略歴】
1993年:旭川医科大学医学部医学科卒業
1995年:国立東京第二病院(当時)内科研修修了
1999年:北海道大学大学院医学研究科修了(医学博士号取得)
2000年:慶應義塾大学医学部助手
2001年:宮崎医科大学医学部講師
2004年:旭川医科大学医学部助教授
2005年:厚生労働省国立保健医療科学院疫学部長
2017年:東京大学医学部地域医薬システム学講座教授(特任)
2021年:日本フォーミュラリ学会理事長(現在に至る)
2022年:帝京大学大学院公衆衛生学研究科教授(2025年退職)
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