講演情報

[SY4-1]生き残れる薬局の薬剤師が目指す道:多職種連携ができる知識と技術の醸成

森川 則文 (広島大学 名誉教授 / 有限会社ファーマシスト・サポート 代表取締役社長)
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医療のDX化の進展に伴い、調剤の機械化・全自動化が進み、調剤の一部外注化が現実のものとなった昨今、現状の薬剤師職能だけでは不十分であることを自覚し、調剤薬局の将来性を疑問視し、不安に感じる薬剤師も多い。調剤行為が激減する次世代の薬局薬剤師に取って、必要なのは患者の状態を把握する能力と介護サービスに適合した医薬品・OTC医薬品の情報提供であろう。
 健常人と要支援患者や要介護患者では、患者自身ができる機能(移動、食事、服薬、排泄)が違う。さらに環境(居宅、施設、グループホーム)と介助者の存在やサービスの違いにより患者の受ける医療内容が異なるので、薬剤師の患者への情報提供は異なる。そこで、現在の状態を聴取し、患者自身ができることと医療関係者や介護職員が提供できる内容を総合的に判断し、適切な医薬品情報を伝える必要が出てきた。現状、丁寧な医薬品情報を提供できても、介護状態や施設サービスに適合した医薬品情報を提供できる薬剤師は少ない。それは、調剤と医薬品情報提供に特化した薬局の経営体制にも問題がある。これを打開できる方策が、ケアマネージャーの資格取得と在宅での検体測定(POCT)である。
 ケアマネージャーという資格は、5年以上の実務経験がなければ受験できず、医療関係者に実務経験を証明でき、有効活用できる能力を担保するものであり、家族をも味方にできる都道府県認定の公的資格である。また、POCTはその場で患者の治療状況を把握できる武器である。私は、病院薬剤師時代、脳神経外科病棟を担当し、居宅環境を把握した上で医薬品情報を伝えるためにケアマネージャーの資格を取得し、要介護状態の患者にTDM結果と介護サービス内容を伝え、退院時服薬指導を行ってきた。さらに、広島大学薬学部に転出後は、広島市介護認定審査会委員として介護認定業務を行ってきた。患者自身が受ける介護サービスを理解した上で、医薬品の作用時間・治療効果に基づいた在宅医療、施設医療、終末期医療の違いを判断できるのは薬剤師のみである。その結果、医療関係者の職能を最適に調整することで、最良の患者サービスにつながり、「症状が悪くなる前に知りたい、要介護でも自分一人で楽しく生活したい」という患者の希望を達成できる。
 今回のシンポジウムでは、人生100年時代に生き残れる薬局経営と薬局薬剤師の生涯教育と職能展開を多職種連携という視点で議論したい。


【略歴】
1983年 徳島大学大学院薬学研究科修士課程 修了
1983年 香川医科大学医学部附属病院 薬剤師
1991年 大分医科大学医学部附属病院薬剤部 副薬剤部長
2002年 広島大学医学部総合薬学科 教授(臨床薬物治療学)
2006年 広島大学薬学部 教授(併任)
2024年 広島大学 名誉教授
2025年 (有)ファーマシスト・サポート 代表取締役社長
薬剤師免許証下付(薬籍登録第193825号)、薬学博士(徳島大学 乙薬第8号)
介護支援専門員免許証下付(登録第4400908号)
日本臨床薬理学会認定薬剤師(第9832号)・指導薬剤師(第9926号)
日本医療薬学会認定薬剤師(第99-0132号)・指導薬剤師(第99-0144号)
日本薬剤師研修センター研修認定薬剤師(第95-00111号)・指導薬剤師(第3A-44-0120号)
PECS(更新10回)・JPALS認定薬剤師(レベル6・更新4回)

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