講演情報
[SY4-4]多職種連携における薬剤師の実践的役割
國貞 雄介 (株式会社M&C キタバ薬局 管理者・薬剤師)

本発表は、在宅医療における多職種連携の中で薬剤師が担う実践的役割について、政策概念から薬剤師が発揮する機能を整理し、症例に基づき検討したものである。
厚生労働省の報告では、チーム医療は「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と定義されている。また「患者のための薬局ビジョン」においては、薬剤師は服薬情報の一元的・継続的把握を基盤として、在宅医療を含む地域包括ケアにおいて薬学的管理・指導を担うことが求められている。一方で、こうした概念を実際の在宅医療の現場に落とし込む際、薬剤師がどの場面で何を担うべきかは必ずしも明確ではない。実務上は個々の薬剤師の判断や経験に委ねられる状況にあり、未だ検討の余地がある。
そこで、本発表では、実際に経験した薬物療法改善症例の検討を通じて、在宅医療における薬剤師の実務における機能を、薬学的専門性に基づく問題発生時の原因究明を通じた薬物療法の安全性、及び効率の向上、患者の理解と納得を基盤とする服薬管理の改善の促進、状況整理・課題の可視化による治療方針の検討支援、の3点に整理した。
薬物療法の安全性及び効率の向上の例として症例1を示す。PTEG管理下の経管投与におけるチューブ閉塞に対し、薬剤特性と投与手技の観察から原因を推定し、懸濁操作、及びシリンジ角度の指導により閉塞を回避した。服薬管理の改善の促進の例として症例2を示す。多剤併用、及び用法誤認に伴うアドヒアランス低下に対し、患者の意向を踏まえた処方提案を行い、減薬と服薬行動の改善を実現した。治療方針の検討支援の例として症例3を示す。施設入居時に持参薬の整理、及び用法の簡略化を行い、残薬状況や管理体制を可視化した情報を医師へ提供することで、初回往診前の治療方針検討を支援した。
これらの症例は、薬剤師が多職種連携の中で、問題の把握と要因整理、服薬管理の改善支援、治療方針検討に資する情報整理といった機能を担いうることを示唆した。多職種間の状況共有と役割分担のもとでこれらの機能を意識的に発揮することは、在宅医療における薬物療法の質の向上に寄与する可能性がある。今後、役割の明確な位置づけを前提とした連携における実践的な貢献実績の蓄積が重要であると考えられた。
【略歴】
2017年 広島大学薬学部薬学科 卒業
2017年 株式会社せいき(現M&C)キタバ薬局 メディカルスクエア店(現向陽台店) 入社
2018年 研修認定薬剤師 取得(第18-127443号)
2018年 スポーツファーマシスト 取得(261526)
2021年 株式会社M&Cキタバ薬局 西山台店 薬局長
2023年 認定実務実習指導薬剤師 取得(第22235268号)
2026年 株式会社M&Cキタバ薬局 医療連携室 学術担当
厚生労働省の報告では、チーム医療は「医療に従事する多種多様な医療スタッフが、各々の高い専門性を前提に、目的と情報を共有し、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者の状況に的確に対応した医療を提供すること」と定義されている。また「患者のための薬局ビジョン」においては、薬剤師は服薬情報の一元的・継続的把握を基盤として、在宅医療を含む地域包括ケアにおいて薬学的管理・指導を担うことが求められている。一方で、こうした概念を実際の在宅医療の現場に落とし込む際、薬剤師がどの場面で何を担うべきかは必ずしも明確ではない。実務上は個々の薬剤師の判断や経験に委ねられる状況にあり、未だ検討の余地がある。
そこで、本発表では、実際に経験した薬物療法改善症例の検討を通じて、在宅医療における薬剤師の実務における機能を、薬学的専門性に基づく問題発生時の原因究明を通じた薬物療法の安全性、及び効率の向上、患者の理解と納得を基盤とする服薬管理の改善の促進、状況整理・課題の可視化による治療方針の検討支援、の3点に整理した。
薬物療法の安全性及び効率の向上の例として症例1を示す。PTEG管理下の経管投与におけるチューブ閉塞に対し、薬剤特性と投与手技の観察から原因を推定し、懸濁操作、及びシリンジ角度の指導により閉塞を回避した。服薬管理の改善の促進の例として症例2を示す。多剤併用、及び用法誤認に伴うアドヒアランス低下に対し、患者の意向を踏まえた処方提案を行い、減薬と服薬行動の改善を実現した。治療方針の検討支援の例として症例3を示す。施設入居時に持参薬の整理、及び用法の簡略化を行い、残薬状況や管理体制を可視化した情報を医師へ提供することで、初回往診前の治療方針検討を支援した。
これらの症例は、薬剤師が多職種連携の中で、問題の把握と要因整理、服薬管理の改善支援、治療方針検討に資する情報整理といった機能を担いうることを示唆した。多職種間の状況共有と役割分担のもとでこれらの機能を意識的に発揮することは、在宅医療における薬物療法の質の向上に寄与する可能性がある。今後、役割の明確な位置づけを前提とした連携における実践的な貢献実績の蓄積が重要であると考えられた。
【略歴】
2017年 広島大学薬学部薬学科 卒業
2017年 株式会社せいき(現M&C)キタバ薬局 メディカルスクエア店(現向陽台店) 入社
2018年 研修認定薬剤師 取得(第18-127443号)
2018年 スポーツファーマシスト 取得(261526)
2021年 株式会社M&Cキタバ薬局 西山台店 薬局長
2023年 認定実務実習指導薬剤師 取得(第22235268号)
2026年 株式会社M&Cキタバ薬局 医療連携室 学術担当
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