講演情報
[SY5-1]外来乳癌診療における薬局薬剤師への期待ー病院、薬局、そして薬局間連携で築く、外来がん治療の未来ー
木村 光誠 (大阪医科薬科大学 一般・消化器外科 講師)

近年、外来がん薬物療法は急速に複雑化している。乳癌診療においても、点滴化学療法のみならず、CDK4/6阻害薬、抗HER2療法、抗体薬物複合体、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)など多様な薬剤が外来で使用されるようになった。一方で、外来患者数の増加と治療の長期化により、病院のみで副作用管理を完結することは困難となっている。有害事象の多くは患者が自宅で経験しており、受診前に重症化するケースも見られる。
このような背景の中、トレーシングレポートをはじめとした病院・薬局連携が推進され、調剤薬局薬剤師には“薬を渡す役割”から、“患者を継続的に診る役割”への変化が求められている。服薬情報等提供料の整備以降、薬局から医療機関への情報提供は制度的にも重要視されているが、情報共有の質やタイミングには施設間で差が存在する。
本講演では、乳癌外来診療で実際に生じている問題点をふまえ、病院が薬局に期待する役割について述べる。具体的には、発熱、脱水、嘔吐、下痢、倦怠感などの有害事象の早期発見、アベマシクリブによる下痢マネジメント、FNリスク患者へのフォロー、サプリメントや併用薬確認など、薬局だからこそ拾える情報について考察する。またICI治療では、下痢、呼吸苦、皮疹、内分泌異常など、一見軽微な症状が重篤な免疫関連有害事象の初発症状である場合があり、地域薬局による早期察知の重要性についても取り上げる。当科へのトレーシングレポートを検討し、“欲しい内容”と“不要な内容”についても議論したい。
さらに今後は、Patient Reported Outcome(PRO)やAIを活用した副作用・重症化予測、受診勧奨支援など、新たな医療連携が進むと考えられる。その中で調剤薬局薬剤師は、単なる情報伝達者ではなく、「患者の日常を医療につなぐ存在」として重要な役割を担うことになる。
現代サッカーでは、サイドを駆け上がり攻撃参加し、時に得点まで奪う“超攻撃的ディフェンダー”が試合の流れを変える。これからの調剤薬局薬剤師にも、単なる“処方箋を待つ存在”ではなく、自ら医療の最前線へ駆け上がる姿勢が求められている。病院だけでは支えきれない時代だからこそ、地域薬局が攻守両面で患者を支える重要なプレイヤーとなることを期待したい。
【略歴】
2000年 大阪医科大学医学部 卒業
2009年 大阪医科大学大学院医学研究科博士課程修了
2011年 博士(医学)の学位授与
2014年 大阪医科大学 助教(一般・消化器外科)
2023年 大阪医科大学 講師(一般・消化器外科) 現在に至る
このような背景の中、トレーシングレポートをはじめとした病院・薬局連携が推進され、調剤薬局薬剤師には“薬を渡す役割”から、“患者を継続的に診る役割”への変化が求められている。服薬情報等提供料の整備以降、薬局から医療機関への情報提供は制度的にも重要視されているが、情報共有の質やタイミングには施設間で差が存在する。
本講演では、乳癌外来診療で実際に生じている問題点をふまえ、病院が薬局に期待する役割について述べる。具体的には、発熱、脱水、嘔吐、下痢、倦怠感などの有害事象の早期発見、アベマシクリブによる下痢マネジメント、FNリスク患者へのフォロー、サプリメントや併用薬確認など、薬局だからこそ拾える情報について考察する。またICI治療では、下痢、呼吸苦、皮疹、内分泌異常など、一見軽微な症状が重篤な免疫関連有害事象の初発症状である場合があり、地域薬局による早期察知の重要性についても取り上げる。当科へのトレーシングレポートを検討し、“欲しい内容”と“不要な内容”についても議論したい。
さらに今後は、Patient Reported Outcome(PRO)やAIを活用した副作用・重症化予測、受診勧奨支援など、新たな医療連携が進むと考えられる。その中で調剤薬局薬剤師は、単なる情報伝達者ではなく、「患者の日常を医療につなぐ存在」として重要な役割を担うことになる。
現代サッカーでは、サイドを駆け上がり攻撃参加し、時に得点まで奪う“超攻撃的ディフェンダー”が試合の流れを変える。これからの調剤薬局薬剤師にも、単なる“処方箋を待つ存在”ではなく、自ら医療の最前線へ駆け上がる姿勢が求められている。病院だけでは支えきれない時代だからこそ、地域薬局が攻守両面で患者を支える重要なプレイヤーとなることを期待したい。
【略歴】
2000年 大阪医科大学医学部 卒業
2009年 大阪医科大学大学院医学研究科博士課程修了
2011年 博士(医学)の学位授与
2014年 大阪医科大学 助教(一般・消化器外科)
2023年 大阪医科大学 講師(一般・消化器外科) 現在に至る
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