講演情報

[SY6-1]ハワイ大学医学部Sim Tikiシミュレーションセンターにおける医療従事者のためのシミュレーションセンター教育を体験して

大鳥 徹 (近畿大学 薬学部 医療薬学科 教授)
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薬学教育は、2006年に6年制教育が導入されたことを契機として、知識・技能・態度を兼ね備えた薬剤師の養成を目的とする教育へと大きく転換しました。また、その目的達成のための学修目標が、薬学教育モデル・コアカリキュラム(以下、モデル・コアカリ)に詳細に示されました。
 2006年版モデル・コアカリでは、C15「薬物治療に役立つ情報」の中で、「個々の患者への適正な薬物治療に貢献できるようになるために、患者からの情報の収集・評価に必要な基本的知識・技能・態度を修得する」ことが一般目標として掲げられており、薬学生に対するフィジカルアセスメント教育の必要性が示唆されました。
 さらに、2013年改訂版モデル・コアカリでは、E「臨床薬学」の中で、「代表的なフィジカルアセスメントの検査項目を列挙し、その目的および異常所見を説明できる」ことが到達目標として明記されました。これにより、薬学生が脈拍測定や聴診などを通じて患者の状態を的確に把握し、その情報を基に適切な薬物治療を選択するための技能を修得することが、より明確に求められるようになりました。
 しかしながら、これらの目標を達成するための具体的な教育方法は、多くの薬科大学において十分に確立されていないのが現状でした。本学においても同様に、フィジカルアセスメント教育の体系的な方法は確立されていませんでした。そこで私は、医学や看護学分野における教育手法に着目し、フィジカルアセスメント教育に関する情報収集を進めました。
 そのような状況の中、2016年に今回紹介するSim Tikiシミュレーション・センターが日本において医師・看護師を対象に実施している「Fun Sim J」に参加する機会を得ました。フィジカルシミュレータを用いたシミュレーション教育は非常に臨場感が高く、薬学生の臨床教育に有用であると強く感じ、本学の薬学教育へ是非導入したいと考えました。
 そこで2018年に、ハワイ大学John A. Burns School of MedicineのSim Tikiシミュレーション・センターにおいて、3か月間にわたりシミュレーション教育について研修を受けました。今回の発表では、この留学期間中に経験した、日本と米国における教育および働き方に対する考え方の違い、ならびにそこで受けたカルチャーショックについてお話しさせていただきます。


【略歴】
1990年3月 京都薬科大学 薬学部 薬学科 卒業
1990年4月 (財) 天理よろづ相談所病院 薬剤部
2006年4月 近畿大学 薬学部 医療薬学科 講師
2011年4月 近畿大学 薬学部 医療薬学科 准教授
2018年1月~3月 Sim Tiki simulation center, John A. Burns School of Medicine, UH留学
2021年4月 近畿大学 薬学部 医療薬学科 教授

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