講演情報

[WS-2]余命半年から考える価値観―もしバナゲーム体験ワークショップ

前田 章子 (キョーワメディカルケア株式会社 在宅推進部 あかり訪問看護ステーショングローバルビレッジ津雲台出張所 看護師)
PDFダウンロードPDFダウンロード
本ワークショップでは、人生の最終段階において何を大切にするかを考えるカードゲーム「もしバナゲーム」を用い、参加者が自身の価値観を言語化するとともに、他者の価値観に触れる機会を提供することを目的とした。もしバナゲームはアメリカで作られ、日本では亀田総合病院の医療者らによって導入され、独自の形で普及してきた。

演者は友人の紹介をきっかけに本ゲームのワークショップに参加し、その意義に共感したことからマイスター資格を取得した。実践を重ねる中で、本ゲームは看護師に限らず、多職種や一般の人々にも広く共感を得られることを実感した。さらに、大学生を対象に実施した際には、参加者が自身の価値観を言語化する難しさに直面するとともに、他者との価値観の違いに気づく貴重な機会となり、その重要性が示唆された。

当社は薬局部門と訪問看護部門を有しており、日常的に多職種で連携しながら地域医療に取り組んでいる。そのような背景のもと、両部門が連携し、本ゲームの特性を活かしたワークショップを薬剤師へ展開することとなった。

医療現場においては、患者一人ひとりの価値観を尊重した関わりが求められるが、日常業務の中で自身の価値観を深く見つめ直す機会は多くない。また、他者の価値観を知る経験も限られているのが現状である。そこで本ワークショップでは、主に薬剤師を対象とし、看護師がファシリテーターとして進行する。

参加者は「余命半年」と仮定された状況の中で、自身にとって重要な価値観を選択し、その理由を共有する。さらにグループ内での対話を通して、他者との価値観の違いや共通点に気づくことを促す構成とした。

参加者が自身の価値観を明確にするだけでなく、他者の価値観を尊重する視点を養うことが期待される。特に薬剤師においては、服薬指導や患者対応の場面で、患者の背景や思いに寄り添う姿勢が重要であり、本ワークショップはその実践につながる示唆を与えるものと考える。多職種間における価値観共有の重要性を再認識し、対人支援の質の向上に寄与することを目指す。


【略歴】
2000年 川崎医療福祉大学卒業。看護師・保健師免許取得。
2000年 淀川キリスト教病院に入職し、臨床経験を積む。クリニック勤務を経て介護支援専門員資格を取得。
2014年 キョーメディカルケア株式会社に入職。訪問看護に従事する。
2018年 もしバナマイスタープログラムを受講し、もしバナマイスターを取得、現在に至る。

コメント

コメントの閲覧・投稿にはログインが必要です。ログイン