講演情報
[14-O-T001-07]医療法人明寿会のDX その5AIを用いた会議録の作成について
*福田 英道1、坪田 聡1、南部 和治1、本江 淳也1 (1. 富山県 介護老人保健施設アルカディア雨晴)
介護老人保健施設での議事録作成は時間がかかり、職員にとって負担となっている。AIの音声認識ソフト「Whisper」を活用し、音声ファイルから文字起こしを行った。相談員とケアマネージャーによる評価では、作業時間が半減または2/3に減少し、聞き逃しも減ったと報告された。これにより、議事録作成の支援ツールとしての有用性が示された。今後、看護や介護職にも普及させたい。
【目的】
介護老人保健施設では、様々な会議の開催と議事録の作成・保存が求められており、特に加算算定に関連するものが多い。2024年度の介護報酬改定においても、この傾向が強まっている。 我々は昨年の本学会で、AIによる会議の音声テキスト化について報告した。その後、AIの急速な進歩により、長文テキストを瞬時に要約する技術が一般に普及してきている。 本研究では、ローカルの音声テキスト化サーバーで作成した会議記録をAIソフトウェアで処理し、効率的な議事録作成システムを構築したので報告する。
【方法】
音声テキスト化:
前回詳述したので、今回は概略のみ示す。オープンソースソフトウェア「whisper.cpp」を使用した。ハードウェアはMouseComputer社「PM-Z390」(CPU: Intel Core i7-9700K、GPU: NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER)を使用した。音声データはZoom会議録画機能やスマートフォンで録音したファイルを使用した。
議事録作成:
テキスト化されたデータから個人が特定される氏名や住所の情報を削除後、無料で利用できるAnthropic社の「Claude 3.5 Sonnet」クラウドAIサービスを使用した。プロンプトに「下記の要約をしてください。」と指示し、テキストを入力。30分の会議に対する処理時間は10秒以内であった。
【結果】
会議議事録作成に携わる職員8名を対象にアンケート調査を実施した。その結果、従来のPCを使用しない手作業での議事録作成に要した平均時間は51.25分(標準偏差53.6分)であったのに対し、AI利用後の平均作成時間は24.8分(標準偏差38.8分)となり、約52%の時間短縮が達成された。特筆すべき事例として、1名の職員は従来30分を要していた作業が3分に短縮され、90%の時間削減を実現した。
【結論】
AI議事録作成の支援に役立つツールであることが示された。今後は、議事録作成以外にサマリー、紹介状作成などに用途を拡げ、看護、介護職への更なるツール利用を普及させていきたい。
介護老人保健施設では、様々な会議の開催と議事録の作成・保存が求められており、特に加算算定に関連するものが多い。2024年度の介護報酬改定においても、この傾向が強まっている。 我々は昨年の本学会で、AIによる会議の音声テキスト化について報告した。その後、AIの急速な進歩により、長文テキストを瞬時に要約する技術が一般に普及してきている。 本研究では、ローカルの音声テキスト化サーバーで作成した会議記録をAIソフトウェアで処理し、効率的な議事録作成システムを構築したので報告する。
【方法】
音声テキスト化:
前回詳述したので、今回は概略のみ示す。オープンソースソフトウェア「whisper.cpp」を使用した。ハードウェアはMouseComputer社「PM-Z390」(CPU: Intel Core i7-9700K、GPU: NVIDIA GeForce GTX 1660 SUPER)を使用した。音声データはZoom会議録画機能やスマートフォンで録音したファイルを使用した。
議事録作成:
テキスト化されたデータから個人が特定される氏名や住所の情報を削除後、無料で利用できるAnthropic社の「Claude 3.5 Sonnet」クラウドAIサービスを使用した。プロンプトに「下記の要約をしてください。」と指示し、テキストを入力。30分の会議に対する処理時間は10秒以内であった。
【結果】
会議議事録作成に携わる職員8名を対象にアンケート調査を実施した。その結果、従来のPCを使用しない手作業での議事録作成に要した平均時間は51.25分(標準偏差53.6分)であったのに対し、AI利用後の平均作成時間は24.8分(標準偏差38.8分)となり、約52%の時間短縮が達成された。特筆すべき事例として、1名の職員は従来30分を要していた作業が3分に短縮され、90%の時間削減を実現した。
【結論】
AI議事録作成の支援に役立つツールであることが示された。今後は、議事録作成以外にサマリー、紹介状作成などに用途を拡げ、看護、介護職への更なるツール利用を普及させていきたい。