講演情報
[14-O-D003-05]認知症の方の馴染みの世界に寄り添っていけるのか
*丸山 博信1 (1. 神奈川県 介護老人保健施設茅ヶ崎浜之郷)
認知症を患っている利用者様への理解を深めることで、馴染みの環境、関係になっていただく方法を考える。認知症への理解のために施設内で勉強会を実施。利用者様の普段の環境を観察、1対1でのコミュニケーションを実施・評価を行う。個々の利用者様への理解を深めコミュニケーションを行うことは、認知症利用者様にとっての馴染みの環境づくりの一環として有効であった。施設でも馴染みの環境や関係が構築されていると今後考える。
【施設紹介】
当施設は神奈川県茅ヶ崎市にある。1991年1月に開設、入所定員110名(ショートを含む)通所デイケア定員40名の介護老人保健施設である。従来型の施設であり、集団生活が主になっている。
【目的】
認知症を患っている利用者様への理解を深めることで、馴染みの環境、関係になっていただく方法を考える。
【方法】
対象者:当施設3階利用者のうち認知症既往のある方、または認知症高齢者の日常生活自立度2同等またはそれ以上の方から5名抽出する。
実施場所:当施設内3階フロア
期 間:2024年2月1日~同年5月31日
事前研究(1) 認知症介護実践者リーダー研修受講者による施設内研修を実施
事前研究(2) 書籍「認知症の人との馴染みの関係をつくる」をもとに学習
研究(1) 利用者様の当施設の関わりやすい場所はどこであるか観察を行う
研究(2) 対象者と関わりやすい環境で会話を何回か分けて実施。
研究(3) 最終評価を行なう。
【結果】
本研究では、利用者様の体調や性格によって異なるが、居室・廊下・食堂(談話スペース)など、さまざまな場所で馴染みの関係が散見され、話を聞くことができた。比較的自立度が高い方は、廊下など人の行きかうところに集まり、職員や利用者様同士で会話をされていた。会話の際に同じフレーズを繰り返される方も内容を掘り下げていくと、環境の変化や時間の経過によってだんだんと変化していくことが、自分でも新たな発見として学ぶことができた。会話に集中できない際にはテレビや他者の会話が入りにくく、一対一で集中しやすい環境でコミュニケーションを行う。ユマニチュードの技法を用いる場面もあった聞き取りでは、「ここはどこか」と聞くと、仕事場、家、泊まりに来ているホテルなど、利用者様の中での答え方はそれぞれであった。なかでも比較的自立度が高く、廊下で話していた方は、街中で会話を楽しんでいるような雰囲気を感じた。職員との関係について質問した際は、子供、家族、同僚、店長、誰か分からないとの回答を得た。
【考察】
職員同士でケアの統一を行うことでなじみの環境を構築しやすいのではないか。会話の環境や時間を変えることで変化してき、利用者様の馴染みの世界へのよりさらに新たな一面も発見できるのではないか。
【結論】
認知症を患っている方の中で、老健という限られた期間の中であっても各々馴染みの環境や関係が構築されていると考える。
【まとめ】
利用者様一人ひとりの世界に携わることはとても貴重な体験であった。関わる職員が変わると、また違った関わりの中で新しい馴染みの世界が形成されると考える。「それぞれの職員と、各利用者様との馴染みの世界を共有し、より理解の深まった会話をする」というサイクルを繰り返していくことで、今いる環境が「その人の馴染みの世界・関係」として形成されていくのではないか。職員は利用者の良き理解者であることが前提として必要である。今回の研究では、他の職員の協力を得て別途時間を設け、コミュニケーションを行っていた。日々の業務の中で個別に時間を設けて1対1の環境をつくること(聞くこと)は難しいことであった為コミュニケーションの時間不足は大きな課題であると改めて感じた。否定はできるだけ避けるように対応はしたが解決できないときもみられ、利用者一人ひとりの「世界」が存在しぶつかり合うこともみられた為今後もケアの見直しが必要と考えケアの充実を行っていく。
当施設は神奈川県茅ヶ崎市にある。1991年1月に開設、入所定員110名(ショートを含む)通所デイケア定員40名の介護老人保健施設である。従来型の施設であり、集団生活が主になっている。
【目的】
認知症を患っている利用者様への理解を深めることで、馴染みの環境、関係になっていただく方法を考える。
【方法】
対象者:当施設3階利用者のうち認知症既往のある方、または認知症高齢者の日常生活自立度2同等またはそれ以上の方から5名抽出する。
実施場所:当施設内3階フロア
期 間:2024年2月1日~同年5月31日
事前研究(1) 認知症介護実践者リーダー研修受講者による施設内研修を実施
事前研究(2) 書籍「認知症の人との馴染みの関係をつくる」をもとに学習
研究(1) 利用者様の当施設の関わりやすい場所はどこであるか観察を行う
研究(2) 対象者と関わりやすい環境で会話を何回か分けて実施。
研究(3) 最終評価を行なう。
【結果】
本研究では、利用者様の体調や性格によって異なるが、居室・廊下・食堂(談話スペース)など、さまざまな場所で馴染みの関係が散見され、話を聞くことができた。比較的自立度が高い方は、廊下など人の行きかうところに集まり、職員や利用者様同士で会話をされていた。会話の際に同じフレーズを繰り返される方も内容を掘り下げていくと、環境の変化や時間の経過によってだんだんと変化していくことが、自分でも新たな発見として学ぶことができた。会話に集中できない際にはテレビや他者の会話が入りにくく、一対一で集中しやすい環境でコミュニケーションを行う。ユマニチュードの技法を用いる場面もあった聞き取りでは、「ここはどこか」と聞くと、仕事場、家、泊まりに来ているホテルなど、利用者様の中での答え方はそれぞれであった。なかでも比較的自立度が高く、廊下で話していた方は、街中で会話を楽しんでいるような雰囲気を感じた。職員との関係について質問した際は、子供、家族、同僚、店長、誰か分からないとの回答を得た。
【考察】
職員同士でケアの統一を行うことでなじみの環境を構築しやすいのではないか。会話の環境や時間を変えることで変化してき、利用者様の馴染みの世界へのよりさらに新たな一面も発見できるのではないか。
【結論】
認知症を患っている方の中で、老健という限られた期間の中であっても各々馴染みの環境や関係が構築されていると考える。
【まとめ】
利用者様一人ひとりの世界に携わることはとても貴重な体験であった。関わる職員が変わると、また違った関わりの中で新しい馴染みの世界が形成されると考える。「それぞれの職員と、各利用者様との馴染みの世界を共有し、より理解の深まった会話をする」というサイクルを繰り返していくことで、今いる環境が「その人の馴染みの世界・関係」として形成されていくのではないか。職員は利用者の良き理解者であることが前提として必要である。今回の研究では、他の職員の協力を得て別途時間を設け、コミュニケーションを行っていた。日々の業務の中で個別に時間を設けて1対1の環境をつくること(聞くこと)は難しいことであった為コミュニケーションの時間不足は大きな課題であると改めて感じた。否定はできるだけ避けるように対応はしたが解決できないときもみられ、利用者一人ひとりの「世界」が存在しぶつかり合うこともみられた為今後もケアの見直しが必要と考えケアの充実を行っていく。