講演情報
[14-O-P101-05]生産性向上に向けた取り組み業務改善を試みて学んだこと
*元田 智香1、出永 寿美1、中村 千恵子1、森口 美琴1、梅田 三智代1、立津 梨恵1 (1. 熊本県 介護老人保健施設リバーサイド御薬園)
当施設では人手不足を補うため、介護アシスタントの導入や技能実習生の受け入れといった人材確保を行っているが、人材不足に苦慮している現状にある。そこで、各勤務帯の職員配置を検討、業務内容や利用者像の見直しなどを行い、試行錯誤の段階ではあるが必要な時間帯や場所にスタッフ数が確保でき、安全の確保やQOLの向上に繋ぐことが出来たので報告する。
はじめに
深刻な人材不足は介護業界のみならず他業種でも全国的に大きな問題である。
当施設でも、求人活動の工夫、介護アシスタントの採用、外国人労働者の受け入れ、介護ロボットやICT
の活用など積極的に行ってはいるが、ここ数年来介護職のみならず全ての職種において慢性的な人材不足に
苦慮している現状にある。
今回、入所フロアのケア体制の見直しと、人員配置の変更等を行い、安全で効率的な業務の遂行と職員の
精神的・身体的な負担を軽減することを目標に、現場リーダーを中心にチームをつくり業務改善を行った経
緯と結果について報告する。
取り組み開始:令和 6年 4月~ 現在
(1)現場リーダーのチーム編成
(2)取り組み内容についての話し合いと目標設定
(3)経過評価と取り組み内容の再検討
取り組み内容
(1)2階・3階フロアの体制の変更
・利用者の状態別にフロアを整理
・利用者の状態に応じた職員の配置の検討
・各フロアの業務分担の見直し
・夜勤帯の業務の見直し
(2)体制変更後の評価・修正
・利用者の生活状況について
・入浴業務、見守り要員、誘導時間等の変化と人員配置数の適正について
・気づきやヒヤリハット、事故件数の変化について
・体制変更前後について職員への聞き取り調査
結果
(1)各フロアを状態別にしたことで・・・
・職員がケアを提供する際の観察ポイントや注意事項が明確になり情報収集と把握がしやすくなった。
・夜勤者を5人から4人に減らすことができた。それにより、日勤者が増え、日勤業務に余裕ができた。
・リスクの想定がしやすくなり、事故件数も減少の傾向にある。
(2)日中の業務については、入浴業務や誘導時間、見守り体制など、職員の動線や時間が短縮され効率的
に業務の遂行ができるようになってきた。
(3)今回の業務改善をきっかけに、以前よりも、職員間での情報交換や共有ができるようになり、他職種
からの協力体制がより得られるようになった。
考察
(1)開設時より利用者の状態や職員の状況に応じて、大きな業務改革を何度か行っているが、その都度、
全職員で同じ目標に向かい協力する職場の環境が、職員の負担軽減や利用者のリスク軽減など、より
一層業務改善の効果を職員が感じることができた。
(2)利用者の状態像でフロアを区別したことで、様々なリスクを想定する必要があるが、注意するポイン
トが絞りやすく職員の負担軽減にもつながった。
(3)フロアの担当制を廃止し、2階・3階のフロアを全職員で担当することで、全利用者の状態を把握しや
すくなった。
まとめ
今回大幅な業務改善を行う際に、職員が動きやすい環境づくりやシステムづくりをリーダーが行い、発
信、指示出ししたことで全職員へ周知することができた。また、リーダー同士が密に連携し、対話や情報共
有を繰り返すことの大切さを実感した。今後も人材不足の問題が解決することは難しいため、ICT、福祉
用具の活用などを上手に取り入れたケアの提供と併せて、個々の職員が協力しあう職場環境をつくることが
職員が定着し、ケアの質の向上につながり、ひいては全体的な生産性の向上につながる事を感じることがで
きた。
深刻な人材不足は介護業界のみならず他業種でも全国的に大きな問題である。
当施設でも、求人活動の工夫、介護アシスタントの採用、外国人労働者の受け入れ、介護ロボットやICT
の活用など積極的に行ってはいるが、ここ数年来介護職のみならず全ての職種において慢性的な人材不足に
苦慮している現状にある。
今回、入所フロアのケア体制の見直しと、人員配置の変更等を行い、安全で効率的な業務の遂行と職員の
精神的・身体的な負担を軽減することを目標に、現場リーダーを中心にチームをつくり業務改善を行った経
緯と結果について報告する。
取り組み開始:令和 6年 4月~ 現在
(1)現場リーダーのチーム編成
(2)取り組み内容についての話し合いと目標設定
(3)経過評価と取り組み内容の再検討
取り組み内容
(1)2階・3階フロアの体制の変更
・利用者の状態別にフロアを整理
・利用者の状態に応じた職員の配置の検討
・各フロアの業務分担の見直し
・夜勤帯の業務の見直し
(2)体制変更後の評価・修正
・利用者の生活状況について
・入浴業務、見守り要員、誘導時間等の変化と人員配置数の適正について
・気づきやヒヤリハット、事故件数の変化について
・体制変更前後について職員への聞き取り調査
結果
(1)各フロアを状態別にしたことで・・・
・職員がケアを提供する際の観察ポイントや注意事項が明確になり情報収集と把握がしやすくなった。
・夜勤者を5人から4人に減らすことができた。それにより、日勤者が増え、日勤業務に余裕ができた。
・リスクの想定がしやすくなり、事故件数も減少の傾向にある。
(2)日中の業務については、入浴業務や誘導時間、見守り体制など、職員の動線や時間が短縮され効率的
に業務の遂行ができるようになってきた。
(3)今回の業務改善をきっかけに、以前よりも、職員間での情報交換や共有ができるようになり、他職種
からの協力体制がより得られるようになった。
考察
(1)開設時より利用者の状態や職員の状況に応じて、大きな業務改革を何度か行っているが、その都度、
全職員で同じ目標に向かい協力する職場の環境が、職員の負担軽減や利用者のリスク軽減など、より
一層業務改善の効果を職員が感じることができた。
(2)利用者の状態像でフロアを区別したことで、様々なリスクを想定する必要があるが、注意するポイン
トが絞りやすく職員の負担軽減にもつながった。
(3)フロアの担当制を廃止し、2階・3階のフロアを全職員で担当することで、全利用者の状態を把握しや
すくなった。
まとめ
今回大幅な業務改善を行う際に、職員が動きやすい環境づくりやシステムづくりをリーダーが行い、発
信、指示出ししたことで全職員へ周知することができた。また、リーダー同士が密に連携し、対話や情報共
有を繰り返すことの大切さを実感した。今後も人材不足の問題が解決することは難しいため、ICT、福祉
用具の活用などを上手に取り入れたケアの提供と併せて、個々の職員が協力しあう職場環境をつくることが
職員が定着し、ケアの質の向上につながり、ひいては全体的な生産性の向上につながる事を感じることがで
きた。