講演情報
[14-O-P104-07]多職種での情報共有・連携・業務の効率化を目指して~インカムを導入して~
*小村 早苗1、新山 寿夫1 (1. 三重県 みえの郷)
当施設は、97床(3フロア)あり病院と併設型である。業務時、職員への連絡手段やナースコールの対応をPHSにて行っていた。そのため、PHSを所持する職員に負担が多く、また、センサーコールが重なると対応が遅れリスクに繋がる事もあった為、今回インカムを導入し職員全員が所持することとなった。インカム導入後は一部の職員の負担軽減に繋がり、業務の効率化も図ることができリスクの軽減にも繋がっている。
【はじめに】
当施設では各フロアの看護・介護職員一名ずつがPHSを所持し、業務連絡やナースコール・センサーコールなどの対応をPHS所持者が行うことが多く負担が偏っていた。また他の職員は排泄や入浴介助など通常の業務に入るとナースステーションへ戻る事も少ないため、コール状況などの把握も難しかった。そのためセンサーコールなどが重なった際、インシデント・アクシデントや転倒事故も多く、また早急に全職員への情報共有を行いたい際も他業務でフロアを離れている職員への連絡漏れが生じることもみられた。その日常的にみられるリスクや問題点を改善するため、令和4年4月より職員が同時に受信できるインカムを導入しどのような変化や業務改善されたかをここで報告する。
【方法】
I 令和3年~令和5年インシデント・アクシデント集計(導入前後の1年間を含む) II職員へのアンケート集計
【結果・考察】
インカムを導入前(令和3年)はインシデント・アクシデントレベル1以上の事故が137件起こっていました。そのうちレベル3aが13件、3bが4件起きていましたが、導入した年(令和4年)は1以上が144件うち3aは12件、3bは7件、4は1件となっていました。導入当初はインカムを装着する職員も限られており、職員自身が慣れていないこともあり反応もまばらであったと思われる。インカム導入が一年を経過したころ(令和5年)には1以上が89件うち3a7件、3b2件、4が1件と明らかに軽減したと思われる。インカム使用方法にも慣れ職員同士が進んで連絡を取り合うことができ、業務を円滑に行える事によりインシデントの減少に繋がったと思われる。
またインカム導入後のスタッフへのアンケート調査では、職員全員へ情報の共有や対応がリアルタイムにできる。ナースコールやセンサーコールが重なった際や緊急時の応援依頼が迅速にできるなどの声が多数みられました。その一方、フロアの場所によっては電波の受信状態が悪い箇所もあり聞き取りにくい時や、作業中でのインカムの操作が不完全になったり、声のトーンや大きさ、速さによっては相手に聞き取りにくいという意見もあるため、定期的なメンテナンスや電波の調整、慣れない職員への使用方法の指導などをしてほしいという声が上がっている。また、マスクやゴーグル、フェースシールドに加えてのイヤホン装着となるため耳への負担を訴える職員もいた。長時間装着している事により耳への痛みや違和感なども出るケースがあったが、職員自身で自分にあったイヤホンを準備することで痛みや違和感に関しては軽減された。
【まとめ】
日々業務に追われる中、特定の職員への負担が多かったが、リアルタイムに情報の共有を行えることにより多職種でスムーズな連携が取れ、利用者を待たせる時間も大幅に減少できた。デメリットとしてインカム操作で職員への伝達に時間がかかるという意見もあり、職員へ操作方法を指導し改善していく必要があると感じた。
今後もインカムの活用を継続し、業務の効率化を目指し利用者の安全、安心、安楽なケアが提供できるよう、また職員の働きやすさを考えていきたい。
当施設では各フロアの看護・介護職員一名ずつがPHSを所持し、業務連絡やナースコール・センサーコールなどの対応をPHS所持者が行うことが多く負担が偏っていた。また他の職員は排泄や入浴介助など通常の業務に入るとナースステーションへ戻る事も少ないため、コール状況などの把握も難しかった。そのためセンサーコールなどが重なった際、インシデント・アクシデントや転倒事故も多く、また早急に全職員への情報共有を行いたい際も他業務でフロアを離れている職員への連絡漏れが生じることもみられた。その日常的にみられるリスクや問題点を改善するため、令和4年4月より職員が同時に受信できるインカムを導入しどのような変化や業務改善されたかをここで報告する。
【方法】
I 令和3年~令和5年インシデント・アクシデント集計(導入前後の1年間を含む) II職員へのアンケート集計
【結果・考察】
インカムを導入前(令和3年)はインシデント・アクシデントレベル1以上の事故が137件起こっていました。そのうちレベル3aが13件、3bが4件起きていましたが、導入した年(令和4年)は1以上が144件うち3aは12件、3bは7件、4は1件となっていました。導入当初はインカムを装着する職員も限られており、職員自身が慣れていないこともあり反応もまばらであったと思われる。インカム導入が一年を経過したころ(令和5年)には1以上が89件うち3a7件、3b2件、4が1件と明らかに軽減したと思われる。インカム使用方法にも慣れ職員同士が進んで連絡を取り合うことができ、業務を円滑に行える事によりインシデントの減少に繋がったと思われる。
またインカム導入後のスタッフへのアンケート調査では、職員全員へ情報の共有や対応がリアルタイムにできる。ナースコールやセンサーコールが重なった際や緊急時の応援依頼が迅速にできるなどの声が多数みられました。その一方、フロアの場所によっては電波の受信状態が悪い箇所もあり聞き取りにくい時や、作業中でのインカムの操作が不完全になったり、声のトーンや大きさ、速さによっては相手に聞き取りにくいという意見もあるため、定期的なメンテナンスや電波の調整、慣れない職員への使用方法の指導などをしてほしいという声が上がっている。また、マスクやゴーグル、フェースシールドに加えてのイヤホン装着となるため耳への負担を訴える職員もいた。長時間装着している事により耳への痛みや違和感なども出るケースがあったが、職員自身で自分にあったイヤホンを準備することで痛みや違和感に関しては軽減された。
【まとめ】
日々業務に追われる中、特定の職員への負担が多かったが、リアルタイムに情報の共有を行えることにより多職種でスムーズな連携が取れ、利用者を待たせる時間も大幅に減少できた。デメリットとしてインカム操作で職員への伝達に時間がかかるという意見もあり、職員へ操作方法を指導し改善していく必要があると感じた。
今後もインカムの活用を継続し、業務の効率化を目指し利用者の安全、安心、安楽なケアが提供できるよう、また職員の働きやすさを考えていきたい。