講演情報
[14-O-A001-04]腰部脊柱管狭窄症の自主トレーニングへの取り組み
*大前 万里子1 (1. 愛知県 介護老人保健施設第二ハートフルライフ西城)
当施設のデイケアご利用者様に、腰部脊柱管狭窄症の症状に悩まされている方が多くみられる。それらの症状を軽くする、もしくは増悪させないために、自主トレーニングを作成し提供する取り組みを行なった。取り組んだ7名のうち4名が3か月継続でき、痺れの軽減は認めなかったが、腰部痛の軽減、筋力の改善、歩行速度の維持、向上などを認めた。自主トレーニングに継続して取り組めた1症例を報告する。
「はじめに」
脊柱管狭窄症とは、加齢による腰の骨の変形や、靭帯が厚くなるなどが原因で、脊柱管を通る神経が圧迫され、様々な症状が起こる疾患である。70歳以上では50%以上が罹患しているという報告がある程、多くの方がかかる可能性のある疾患といわれている。これだけ多くの方がかかる疾患だが、初期であれば手術をしなくても運動療法や投薬で症状が回復、改善することが多いと言われている。症状の改善だけでなく、予防の観点からもアプローチしていくと良いと考え、自主トレーニングの作成に取り組むこととなった。
「目的」
当施設のデイケアご利用者様に、腰部脊柱管狭窄症の症状に悩まされている方が多くみられる。そこで、それらの症状を軽くする、もしくは増悪させないために、サービスとして何か提供できないかと考え、自主トレーニングを作成し提供する取り組みを行なった。
「方法」
書籍を参考に、自主トレーニングの作成を行ない、デイケアのリハビリプログラムへ自主トレーニングを組み込み、自宅で安全に行えるよう指導した。同時に、自主トレーニングの効果をみるため、TUG、MMT、痺れVASの評価を行なった。ご利用者様に自主的に取り組んで頂くため、カレンダーを配布し、取り組めた日に印をつけるよう促した。トレーニングを継続して3か月取り組めた方に表彰状を渡した。 継続して取り組めた1症例について、開始時、3か月後、6か月後にTUG、膝伸展筋力MMT、足裏の痺れVASを評価し、タニタの体組成計での変化を確認した。
「結果」
自主トレーニングを配布した計7名のうち4名の方が3か月継続することができた。継続できた4名については、痺れの軽減は認めなかったが、腰部痛の軽減、筋力の改善や歩行速度の維持、向上を認めた。継続できなかった3名は、糖尿によるめまいの症状がある方、継続する意欲が出ない、自分で適当にやるからいい、などの要因があった。
継続できた1症例について、開始時より、膝の伸展筋力に向上を認め、TUGの速度は維持、向上を認めたが、足裏の痺れに変化を認めなかった。体組成計の結果について、約1年前に比べ、体重に変化はなかったが、筋肉量が2.2kg増加し、体脂肪率が6.4%減少する結果となった。筋肉量は標準には届かなかったが、左右の上肢・下肢、体幹の筋肉量がそれぞれ増加していた。結果、体型判定が運動不足タイプから細身筋肉質タイプとなった。
「考察」
自主トレーニングを指導し、ご自宅で継続して行えた事で、筋肉量の増加および歩行能力の維持、向上につながった症例があった。しかし、痺れの軽減につながる症例はなかった。自主トレーニングへの取り組みにおいて、カレンダーでの自己チェックや継続できた方へ表彰をすることで、モチベーションを持って継続して頂くことができた。継続できなかった3名について、継続できた4名に比べ、症状が重度、日頃からの活動量が低下しているなどの要因があった。
脊柱管狭窄症とは、加齢による腰の骨の変形や、靭帯が厚くなるなどが原因で、脊柱管を通る神経が圧迫され、様々な症状が起こる疾患である。70歳以上では50%以上が罹患しているという報告がある程、多くの方がかかる可能性のある疾患といわれている。これだけ多くの方がかかる疾患だが、初期であれば手術をしなくても運動療法や投薬で症状が回復、改善することが多いと言われている。症状の改善だけでなく、予防の観点からもアプローチしていくと良いと考え、自主トレーニングの作成に取り組むこととなった。
「目的」
当施設のデイケアご利用者様に、腰部脊柱管狭窄症の症状に悩まされている方が多くみられる。そこで、それらの症状を軽くする、もしくは増悪させないために、サービスとして何か提供できないかと考え、自主トレーニングを作成し提供する取り組みを行なった。
「方法」
書籍を参考に、自主トレーニングの作成を行ない、デイケアのリハビリプログラムへ自主トレーニングを組み込み、自宅で安全に行えるよう指導した。同時に、自主トレーニングの効果をみるため、TUG、MMT、痺れVASの評価を行なった。ご利用者様に自主的に取り組んで頂くため、カレンダーを配布し、取り組めた日に印をつけるよう促した。トレーニングを継続して3か月取り組めた方に表彰状を渡した。 継続して取り組めた1症例について、開始時、3か月後、6か月後にTUG、膝伸展筋力MMT、足裏の痺れVASを評価し、タニタの体組成計での変化を確認した。
「結果」
自主トレーニングを配布した計7名のうち4名の方が3か月継続することができた。継続できた4名については、痺れの軽減は認めなかったが、腰部痛の軽減、筋力の改善や歩行速度の維持、向上を認めた。継続できなかった3名は、糖尿によるめまいの症状がある方、継続する意欲が出ない、自分で適当にやるからいい、などの要因があった。
継続できた1症例について、開始時より、膝の伸展筋力に向上を認め、TUGの速度は維持、向上を認めたが、足裏の痺れに変化を認めなかった。体組成計の結果について、約1年前に比べ、体重に変化はなかったが、筋肉量が2.2kg増加し、体脂肪率が6.4%減少する結果となった。筋肉量は標準には届かなかったが、左右の上肢・下肢、体幹の筋肉量がそれぞれ増加していた。結果、体型判定が運動不足タイプから細身筋肉質タイプとなった。
「考察」
自主トレーニングを指導し、ご自宅で継続して行えた事で、筋肉量の増加および歩行能力の維持、向上につながった症例があった。しかし、痺れの軽減につながる症例はなかった。自主トレーニングへの取り組みにおいて、カレンダーでの自己チェックや継続できた方へ表彰をすることで、モチベーションを持って継続して頂くことができた。継続できなかった3名について、継続できた4名に比べ、症状が重度、日頃からの活動量が低下しているなどの要因があった。