講演情報
[14-O-A001-07]利用者様の生活機能向上を目指して~その人のための「支援」とは~
*玉井 美枝子1、伊藤 友美1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設 ハートケア松岡)
自分でできることを増やす目的で、リハビリ・介護職が介入することにより生活機能が向上したので報告する。関節可動域訓練・歩行訓練などを行い、杖歩行やトイレ誘導を促すことでADLが向上した。結果、装具なしでの歩行ができるようになり、自らトイレへ行きトイレ動作が可能になったことで失禁が減った。ADL向上によって、自発性が高まり生活機能が向上し、さらに他者との交流を増やすことができたと考えられた。
【はじめに】
当施設では母体の松岡整形外科・内科リハビリテーションを協力医療機関として、整形外科や理学療法科の特色を活かした専門的なリハビリをPT、OT、STなどのスタッフにより充実させている。デイケアでは、生活機能向上の機能訓練や食事・入浴などの生活支援を行っている。
【事例】
対象者は、83歳女性A様。当施設に約2年半通所されている。2021年8月脳梗塞を発症され入院、右上下肢麻痺が後遺症となり、地域ケア病棟に転床されリハビリを受け、同年11月に退院された。自分でできることを増やしたいという意向のもと、さらなる生活機能向上を目指し週3回のデイケアの利用を開始する。
【経過とケア内容】
<利用開始時>移動は基本、屋内外ともに車椅子を使用。排泄は、便意・尿意が曖昧でリハパン内で失禁あり。立ち上がり後、次の動作がわからず、立位が不安定になることがある。ズボンの上げ下ろしは介助を要する。入浴は機械浴にて、洗身・洗髪・更衣は一部介助。自宅ではベッド上で食事をされ、トイレまで車椅子で移動されるなど離床や歩くことなく生活されていた。リハビリは、関節可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練を実施。麻痺側の右下肢に装具を装着、4点杖を使用し軽介助にて40m程の歩行が可能。40mが近づくにつれ、疲労の訴えや右下肢がすり足気味になる。
<1年後>歩行は4点杖を使用し、軽介助にて100m程の歩行が可能となった。排泄は便意・尿意を感じるようになったとの訴えがあり間に合うことがある。移乗時の立ち上がりや立位は安定している。そのためトイレでのズボンの上げ下ろしは見守りの下、自身で行える。入浴は大きな変化はなく、機械浴を使用。洗身・洗髪・更衣は一部介助。継続したリハビリを行い能力の回復がみられるが、自宅では回復した能力が活かされていないという現状があった。リハビリは、関節可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練を継続し、テーブル上で麻痺上肢の使用を促す訓練を実施。リハビリでの歩行訓練が安定してきたため、デイフロア内の移動は杖歩行となる。
【結果】
2年半後の現在の歩行は4点杖を使用して連続80m歩行が可能となった。右下肢の装具を装着しなくてもすり足になることがなく、床・路面がフラットでなくても安定した歩行が可能となる。疲労の訴えもない。排泄は自分からトイレに行きたいとの訴えがあり、リハパン内の失禁も減少し、ズボンの上げ下ろしも自身で行える。入浴はシャワーチェアで移動し、個浴を使用している。洗身・洗髪・更衣は変わりなく一部介助。自宅では装具を使用せず歩行し、近所を散歩されることもある。車の乗降も見守りのみで行えている。生活機能向上に伴い利用開始時は要介護4だったが現在は要介護2となった。
【まとめ・考察】
以前は、車椅子の移動や排泄について自身から訴えることがなく介助を要した。リハビリや介護の介入により自発性が高まっていき、歩行訓練などのリハビリに積極性がみられるようになり自分でできることが増えた。自分でできることが増えることで生活機能向上ができ、他者との交流が増え笑顔が見られるようになった。今後も、リハビリや介護が連携を取りながら、現在のADLの維持・向上のためリハビリ行い更なる生活機能向上を目指していきたい。
当施設では母体の松岡整形外科・内科リハビリテーションを協力医療機関として、整形外科や理学療法科の特色を活かした専門的なリハビリをPT、OT、STなどのスタッフにより充実させている。デイケアでは、生活機能向上の機能訓練や食事・入浴などの生活支援を行っている。
【事例】
対象者は、83歳女性A様。当施設に約2年半通所されている。2021年8月脳梗塞を発症され入院、右上下肢麻痺が後遺症となり、地域ケア病棟に転床されリハビリを受け、同年11月に退院された。自分でできることを増やしたいという意向のもと、さらなる生活機能向上を目指し週3回のデイケアの利用を開始する。
【経過とケア内容】
<利用開始時>移動は基本、屋内外ともに車椅子を使用。排泄は、便意・尿意が曖昧でリハパン内で失禁あり。立ち上がり後、次の動作がわからず、立位が不安定になることがある。ズボンの上げ下ろしは介助を要する。入浴は機械浴にて、洗身・洗髪・更衣は一部介助。自宅ではベッド上で食事をされ、トイレまで車椅子で移動されるなど離床や歩くことなく生活されていた。リハビリは、関節可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練を実施。麻痺側の右下肢に装具を装着、4点杖を使用し軽介助にて40m程の歩行が可能。40mが近づくにつれ、疲労の訴えや右下肢がすり足気味になる。
<1年後>歩行は4点杖を使用し、軽介助にて100m程の歩行が可能となった。排泄は便意・尿意を感じるようになったとの訴えがあり間に合うことがある。移乗時の立ち上がりや立位は安定している。そのためトイレでのズボンの上げ下ろしは見守りの下、自身で行える。入浴は大きな変化はなく、機械浴を使用。洗身・洗髪・更衣は一部介助。継続したリハビリを行い能力の回復がみられるが、自宅では回復した能力が活かされていないという現状があった。リハビリは、関節可動域訓練・筋力訓練・歩行訓練を継続し、テーブル上で麻痺上肢の使用を促す訓練を実施。リハビリでの歩行訓練が安定してきたため、デイフロア内の移動は杖歩行となる。
【結果】
2年半後の現在の歩行は4点杖を使用して連続80m歩行が可能となった。右下肢の装具を装着しなくてもすり足になることがなく、床・路面がフラットでなくても安定した歩行が可能となる。疲労の訴えもない。排泄は自分からトイレに行きたいとの訴えがあり、リハパン内の失禁も減少し、ズボンの上げ下ろしも自身で行える。入浴はシャワーチェアで移動し、個浴を使用している。洗身・洗髪・更衣は変わりなく一部介助。自宅では装具を使用せず歩行し、近所を散歩されることもある。車の乗降も見守りのみで行えている。生活機能向上に伴い利用開始時は要介護4だったが現在は要介護2となった。
【まとめ・考察】
以前は、車椅子の移動や排泄について自身から訴えることがなく介助を要した。リハビリや介護の介入により自発性が高まっていき、歩行訓練などのリハビリに積極性がみられるようになり自分でできることが増えた。自分でできることが増えることで生活機能向上ができ、他者との交流が増え笑顔が見られるようになった。今後も、リハビリや介護が連携を取りながら、現在のADLの維持・向上のためリハビリ行い更なる生活機能向上を目指していきたい。