講演情報

[14-O-A004-05]睡眠を妨げない介助を目指して~見守り支援システムの導入~

*井戸 洋子1、梅村 健太1 (1. 岐阜県 さわやかリバーサイドビラ)
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自施設に導入された見守り支援システムを使用する事で利用者様の睡眠サイクルの改善が見られた為報告する。夜間パット交換を行う利用者様を対象に見守り支援システムの睡眠状態の深さがわかる事を活用し、睡眠サイクルを崩さないよう排泄介助に入る事を実施した。その結果対象利用者様の良眠状態が多く見られ、日中の活動時間の増進が見られる結果となった。一方、システムの誤表示が見られ巡視の重要性が再確認された。
【はじめに】職員の中で「利用者様の日中の様子を見ていると眠そうにしている姿をよく見かける方がいる」と言う声が聞かれ、様子を観察すると眠そうにしている姿がよく見られる方は、夜間に排泄介助を行っている利用者様に多くいる事が分かった。職員で話し合い先日当施設に導入された「見守り支援システム」を活用し、利用者様の睡眠を妨げず日中の覚醒時間の増進に繋げる事は出来ないかと考えた。
【目的】見守り支援システムを使用した利用者様個々の睡眠を妨げない介助を目指す
【見守り支援システムについて】シート状のセンサーをマットレスの下に敷き込む事で、身体に何も装着する事なく眠っている利用者様の呼吸数や、心拍数、睡眠状態、などのバイタル情報や、覚醒、起き上がり、離床動作等をパソコンや電子モニターにて遠隔でリアルタイムに把握できるシステムである。
【対象者】1.夜間にパット交換を行う利用者様 3名 2.フロア職員 7名
【方法】フロア職員へ見守り支援システム導入後のアンケートを行い、その中で利用者様の睡眠を妨げない介助を行う事が出来ないかを模索した。アンケート結果により「睡眠時のモニターにて睡眠時の眠りの深さ、グラフにて覚醒時間等がわかる」と言う機能を利用し、夜間にパット交換を行う利用者様を対象に、今までは介助に入る時間を決めて行っていた夜間のパット交換を行う時間を細かく定めず、見守り支援システムにて睡眠の状態を確認し介助に入る事で利用者様の睡眠サイクルに合わせた排泄介助を行った。また、アンケート結果から「見守り支援システムが接続状況により誤表示がある事がある」という意見も上がった為、実際に訪室した際の反応によって交換をするという対応も併用した。
【結果】研究の結果グラフを見ると以前までは夜間の睡眠状態がバラバラな日が多かったが、睡眠状態が安定した。また、時間を定めない事により職員が時間に追われず自然と見守り支援システムを見る習慣が付き、夜勤の業務改善に繋がった。以前まで日中眠そうに下を向いている姿を頻繁に見られた利用者様が、自発的にデイルームに行かれテレビを見て過ごす姿、他利用者様と談笑をされる姿が多く見られるようになり以前より日中の活動時間が延びる結果となった。利用者様からも「最近ね、私が起きると替えに来るんだよ、おかげでよー寝れた」と言う声が聞かれる様になった。これらの結果により利用者様の睡眠を妨げない介助が行えると評価した。
【まとめ】今回の研究を通して見守り支援システムを活用する事で利用者様の睡眠を妨げない介助につながる結果となった。この結果により見守り支援システムを活用する事で今回対象であった利用者様だけでなく他利用者様に対しても睡眠改善だけでなく生活の改善へ繋げていけたら良いと考える。その為、利用者様の普段の生活をより深く知る事が大切な為、睡眠サイクルをよく把握し対応する事が利用者様の快適な施設生活につながると考える。個々の利用者様が安心し快適な生活ができるようこれからも援助していきたい。また、訪室してもモニターの表示が違う事があり、実際は寝ていても起きている、トイレに起きてきているのにベッド寝ている事になっている、と言う事があった為実際に巡視を行う事の大切さも再確認が出来る結果となった。