講演情報

[14-O-A008-01]オール青海荘で取組む転倒予防活動

*坂本 陽平1、中村 幸世1、倉光 政綱1、中芝 雅恵1、濱島 ひづる1 (1. 山口県 介護老人保健施設青海荘)
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当施設では、目標管理活動の一環として「転倒予防チーム」を設置し、活動している。令和5年度は『転倒予防とリスク軽減』を目標とし、職員及び、入所者にも一部参加いただき、新しい試みを実践した。その取組み内容と結果について報告する。
【はじめに】
当施設では、目標管理活動の一環として「転倒予防チーム」を設置し、活動している。主な活動内容は、インシデント事例の発生原因の把握・評価、対応策の検討・立案、リスク情報の発信・周知である。令和5年度は『転倒予防とリスク軽減』を活動目標とし、入所者にも一部参加いただいた試みを実践したので、その内容と結果について報告する。
【活動内容】
(1)居室ラウンドの実施全居室を毎月1回ラウンドし、転倒・転落リスクの高い環境因子を特定し、環境改善を提案した。また、その環境が維持されているか、継続して確認した。
(2)入所者用転倒予防DVDの作成・視聴転倒予防DVDを作成し、入所者20名に視聴いただき、その効果を検証した。
(3)KYT研修の実施施設内の設備を使用してKYTトレーニング用の写真を作成し、研修を実施した。
【結果及び考察】
(1)については、一定の成果を得たと思料するが、入所者自身の自発行為により、繰り返し同様の環境因子が再生される事例も散見された。また、入退所や居室移動も多いため、リスク情報が周知されていない事例もみられた。
(2)については、特に成果はみられなかった。
(3)については、当施設の廊下や浴室等を使用して研修写真を作成したので、通常の研修よりリアルな対策立案が検討されたと思料する。
【まとめ】当施設の類型は超強化型であり、令和5年度の入退所者総数は480人、平均すると一日の入退所者数は1.3人となる。毎日必ず1人以上の入所又は退所があるという状況である。
これだけの動きがある中で、入所者個々に応じた環境づくりは容易ではないが、今後も「転倒予防チーム」の活動を通して、日々の環境整備に努め、リスク感性を磨くための情報発信を続けていきたい。なお、今後は施設と入所者・家族の間で 転倒の発生や予防に関する情報共有と相互理解を深めるため、転倒ステートメントの採用・定着を検討していきたい。