講演情報
[14-O-A008-07]「にこやか」で「個性豊か」に過ごせる個別ケア利用者・家族の満足度と売り上げ推移の向上
*真野 祐輔1、谷 佳江子1 (1. 三重県 医療法人富田浜病院 富田浜老人保健施設 小規模介護老人保健施設 浜っこサテライト、2. 医療法人富田浜病院 富田浜老人保健施設 小規模介護老人保健施設 浜っこサテライト)
5年前より施設としての強みを生かす為、様々な個別ケアを実施しているので紹介していくと共に家族の満足度や稼働率の向上について報告する。現在実施している個別ケアの紹介と家族の満足度を図る為実施したアンケートの結果報告。個別ケアが定着してきた事により実施前と現在の稼働率と売り上げ推移を比較した結果、5年前より稼働率、売り上げ推移共に向上した。満足度も高い推移で個別ケアが現在の施設として強みになっている。
【はじめに】
三重県四日市市の北東部にある富田浜老人保健施設浜っこ老健の別館として平成27年4月1日よりサテライト型小規模介護老人保健施設浜っこサテライトを開設。前施設が短期入所生活介護事業所だった事からショートステイ利用者が多かった。ただコロナ過によりキャンセルが相次ぎ、稼働率、売り上げ推移共に下降線を辿っていた。変革期と捉え、多職種連携の強化、29床と小規模を活かした個別ケアの強化に取り組んだ事を報告する。
【目的】
個別ケアを強化する事により利用者、家族の満足度とADLの向上。施設の方針である「にこやか」で「個性豊か」に過ごしてもらう事を目的に開始する。
【実施内容】
現在6つの個別ケアを実施している。
(1)24時間シート。利用者1人1人に合わせたケアの統一を図る目的で実施。入所後1週間アセスメント実施し各担当者が作成。3か月に1回見直し、変更を行っている。
(2)生活リハビリ。リハビリスタッフが直接的に機能訓練を実施するのではなく、日常生活動作(ADL)をリハビリと捉え、自分の力でできるように支援する。現在入所後、個別リハビリで浮彫となった課題を毎日の暮らしの中で行なえるよう多職種で検討し毎日実施している。
(3)ポイント制度。(2)の生活リハビリなどに対する意欲向上の目的で実施している。意欲低下や介護依存によりなかなか生活リハビリを実施できない事があり、ADL低下にもつながった為、生活リハビリを実施する事にポイントを贈呈。50ポイント溜まると本人が欲しいものや食べたい物を多職種で検討しプレゼントしている。
(4)個展。レクレーションの一環で書初めや貼り絵など作成しており、作成後は各利用者に作品を渡していたが面会も可能となり家族も施設に入られる事から個展としてのスペースを確保し誰でも鑑賞できるようにした。
(5)ファイル。1人1人の名前や趣味など記載しファイリングしてある。その人の事が分かるよう工夫して作成しており、毎日計算問題や塗り絵など実施するとファイルに挟み、面会に来られた際に家族や友人に見て頂いている。
(6)サテライト通信。施設での生活状況や実施したイベントの様子など報告する為、発行を4年前より開始した。もともとはコロナ過で面会禁止となり会えない家族に向けて発行していたが、現在は面会も可能となった為、3か月に1回発行し、普段施設に来る事のない家族にも施設での生活を知ってもらうツールとなっている。
その他にもピクニック気分を味わえるよう外での昼食会や花火大会など、毎月利用者が楽しめるイベントを実施している。昨年は初めて施設内でお祭りも開催した。また、施設駐車場の一角に菜園を作り、利用者に水やりをして頂きながら、外へ行く機会も作っている。
【結果】
6月に利用者・家族向けのアンケートを実施。施設サービス(医療・介護ケア等)や職員の基本姿勢(態度・言葉遣いなど)、リハビリ、施設の設備・環境について「良い」「まあ良い」「普通」「少し悪い」「悪い」の5段階で評価してもらった。リハビリは「良い」が68%だったが、その他は90%「良い」と評価して頂いた。一方「少し悪い」「悪い」と評価された方は見えなかった。アンケートの最後には当施設をご利用頂いている理由について「医療・介護の質」「家からの距離」「職員の対応」「リハビリ」「設備」「食事」「イベント」「その他」の8項目で順位もつけて頂いた。1位の理由で最も多かったのが医療・介護の質だった。また、過去5年間の稼働率、売り上げ推移をみても上昇しており、昨年度は過去5年間で一番の売り上げ推移を記録。
【課題】
アンケートの結果を踏まえてリハビリ内容とADL低下防止が今後の課題と考える。
【まとめ】
個別ケアを充実させた事によりアンケート結果や売り上げ推移を見ても、利用者・家族の満足度向上に繋がっていた。利用者・家族だけでなく働くスタッフも業務優先にならず利用者1人1人のケアを考えるようになり、やりがいや達成感にも繋がっている。話し合う事も増え多職種連携も強化できている。今後は見えた課題に向けて新しい取り組みを検討し、利用者・家族・スタッフが満足できる施設、施設の方針である「にこやか」で「個性豊か」に過ごせる施設作りを目指していく。
三重県四日市市の北東部にある富田浜老人保健施設浜っこ老健の別館として平成27年4月1日よりサテライト型小規模介護老人保健施設浜っこサテライトを開設。前施設が短期入所生活介護事業所だった事からショートステイ利用者が多かった。ただコロナ過によりキャンセルが相次ぎ、稼働率、売り上げ推移共に下降線を辿っていた。変革期と捉え、多職種連携の強化、29床と小規模を活かした個別ケアの強化に取り組んだ事を報告する。
【目的】
個別ケアを強化する事により利用者、家族の満足度とADLの向上。施設の方針である「にこやか」で「個性豊か」に過ごしてもらう事を目的に開始する。
【実施内容】
現在6つの個別ケアを実施している。
(1)24時間シート。利用者1人1人に合わせたケアの統一を図る目的で実施。入所後1週間アセスメント実施し各担当者が作成。3か月に1回見直し、変更を行っている。
(2)生活リハビリ。リハビリスタッフが直接的に機能訓練を実施するのではなく、日常生活動作(ADL)をリハビリと捉え、自分の力でできるように支援する。現在入所後、個別リハビリで浮彫となった課題を毎日の暮らしの中で行なえるよう多職種で検討し毎日実施している。
(3)ポイント制度。(2)の生活リハビリなどに対する意欲向上の目的で実施している。意欲低下や介護依存によりなかなか生活リハビリを実施できない事があり、ADL低下にもつながった為、生活リハビリを実施する事にポイントを贈呈。50ポイント溜まると本人が欲しいものや食べたい物を多職種で検討しプレゼントしている。
(4)個展。レクレーションの一環で書初めや貼り絵など作成しており、作成後は各利用者に作品を渡していたが面会も可能となり家族も施設に入られる事から個展としてのスペースを確保し誰でも鑑賞できるようにした。
(5)ファイル。1人1人の名前や趣味など記載しファイリングしてある。その人の事が分かるよう工夫して作成しており、毎日計算問題や塗り絵など実施するとファイルに挟み、面会に来られた際に家族や友人に見て頂いている。
(6)サテライト通信。施設での生活状況や実施したイベントの様子など報告する為、発行を4年前より開始した。もともとはコロナ過で面会禁止となり会えない家族に向けて発行していたが、現在は面会も可能となった為、3か月に1回発行し、普段施設に来る事のない家族にも施設での生活を知ってもらうツールとなっている。
その他にもピクニック気分を味わえるよう外での昼食会や花火大会など、毎月利用者が楽しめるイベントを実施している。昨年は初めて施設内でお祭りも開催した。また、施設駐車場の一角に菜園を作り、利用者に水やりをして頂きながら、外へ行く機会も作っている。
【結果】
6月に利用者・家族向けのアンケートを実施。施設サービス(医療・介護ケア等)や職員の基本姿勢(態度・言葉遣いなど)、リハビリ、施設の設備・環境について「良い」「まあ良い」「普通」「少し悪い」「悪い」の5段階で評価してもらった。リハビリは「良い」が68%だったが、その他は90%「良い」と評価して頂いた。一方「少し悪い」「悪い」と評価された方は見えなかった。アンケートの最後には当施設をご利用頂いている理由について「医療・介護の質」「家からの距離」「職員の対応」「リハビリ」「設備」「食事」「イベント」「その他」の8項目で順位もつけて頂いた。1位の理由で最も多かったのが医療・介護の質だった。また、過去5年間の稼働率、売り上げ推移をみても上昇しており、昨年度は過去5年間で一番の売り上げ推移を記録。
【課題】
アンケートの結果を踏まえてリハビリ内容とADL低下防止が今後の課題と考える。
【まとめ】
個別ケアを充実させた事によりアンケート結果や売り上げ推移を見ても、利用者・家族の満足度向上に繋がっていた。利用者・家族だけでなく働くスタッフも業務優先にならず利用者1人1人のケアを考えるようになり、やりがいや達成感にも繋がっている。話し合う事も増え多職種連携も強化できている。今後は見えた課題に向けて新しい取り組みを検討し、利用者・家族・スタッフが満足できる施設、施設の方針である「にこやか」で「個性豊か」に過ごせる施設作りを目指していく。