講演情報

[14-O-I002-04]介護美容がもつ触れるケアを通した利用者の変化触れることの不思議なチカラ

*大原 美里1 (1. 静岡県 介護老人保健施設 エスコートタウン静清)
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97歳、女性、心疾患のある利用者Y様は、胸水が貯留し、両下腿に浮腫が出現。生活に支障をきたしていく。不眠、浮腫の増悪、頻尿が重なり夜間は30分~1時間に一回トイレに行くペースで眠れていない日が何度か続いてしまった。そんな時に介護美容の資格を取得した職員が夜勤でフットセラピーを約1か月間で10回施術をし、内服薬の調整とフットセラピーの触れる力の相乗効果によって驚きの変化があったのでここで情報を共有したい。
はじめに介護美容をご存じでしょうか?今では全国で介護美容というワードを耳にすることが多くなっていると思います。在宅、施設、地域で生活されている高齢者をターゲットに”心と身体の美容療法”と言われ今注目されているジャンルです。その中にフットセラピーも含まれています。足は第二の心臓と言われていますが、高齢者は活動量が減ることで同じ姿勢でいる事が多くなりリンパの流れが滞り、さまざまな原因がありますが、浮腫が出現してきます。今回対象の利用者は97歳と高齢、心疾患、昼夜逆転でさまざまなことが重なり日に日に浮腫が顕著に出現してきました。職員は、利用者の日々の変化の様子を観察している中でなにか少しでもご本人の負担を減らしたいと思い、夜勤のタイミングで1か月間で10回フットセラピーを実施しました。取り組み利尿剤の開始 胸水貯留し浮腫が顕著、病院受診にて利尿剤処方され内服をはじめた。元々頻尿だがさらに頻尿になったが胸水の改善が見られ減薬していく。フットセラピーの施術時間固定とセラピー前後の両下腿の写真撮影を実施。就寝前の19:30~21:30の間の40分間フットセラピーを実施し、セラピーの効果を知る為にセラピー前後の写真を残した。起床時に浮腫の具合を写真撮影実施。セラピー実施後約8時間~9時間後の朝5:30~7:00の間の両下腿の写真撮影し浮腫の減少具合を確認した。眠前薬の開始 入床から30分~1時間に1回~2回のペースでトイレに起きてしまう。不眠、浮腫の増悪、心臓の負担、歩行の不安定から転倒のリスク大のため、眠前薬を開始した。最初は内服しても寝れないことがあった。ヒーリング音楽をかける。入眠を促すために環境を作った。考察1回目と10回目の違いが一目瞭然です。はじめは眠前薬内服後もなかなか良眠できませんでしたが、音楽をかけたり、アロマをたいてみたりと入眠を促す環境を整え、フットセラピーもあきらめずに続けたことで血流、リンパの流れが促されセラピー8回目にして薬の調整もあり相乗効果でここまで睡眠時間も浮腫の改善も出来たと思いました。まとめ触れるケアを会話をしながら行うことによって、利用者のストレス緩和やリラックスにもつながったと思います。内服薬だけでは改善しきれないことが介護美容を合わせることによって内側からのアプローチができるので、施設や在宅、地域で生活されている高齢者に良き効果が現れるのではないかと思いました。