講演情報

[14-O-L002-07]求職者向け冊子の作成と活用までのヒストリー-地域NO.1に挑め キミのチカラで切り拓こう-

*渡辺 健太1 (1. 大阪府 アロンティアクラブ)
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魅力ある老健、リハビリテーション部門を作るべく、集大成として冊子が完成した。 目的は完成までの経緯を明らかにし、活用方法を検討することとした。HP等から情報を抽出し、半年かけて完成に至った。就職説明会や訪問、施設見学時に配布し、HPで閲覧出来るようにした。 現代に合った内容に努め、魅力的な職場環境となるような考えるきっかけになった。今後冊子を活用し採用者側、求職者側がマッチングするよう努めていく。
【はじめに】 
当施設は、大阪市住之江区にある超強化型老健である。リハビリテーション専門職の在籍数は2024年4月現在36名であり、非常に大所帯となっている。リハビリテーション部門を管理して、丸7年が経過した。ここに至るまでの間、当施設の認知度は低くかつ採用活動をしても紹介会社頼みとなっていた。紹介会社を活用しても応募が少なく発展できずに難航していた。自己応募の希望者を増やすべく、魅力ある老健、魅力あるリハビリテーション部門を作るべくあらゆる取り組みを推進し、その集大成として一つの冊子が完成したため、ここに報告する。

【目的】 
求職者向け冊子の作成から完成に至るまでの経緯を明らかにすること、活用方法を検討することとする。

【方法】 
リハビリテーション部門の運営に関して、まずはミッション、ビジョンの策定を行い、目指す人物像・求める人物像を明らかにした上で、教育システムの構築を行った。臨床、教育、研究、地域貢献活動を包括的に行うビジョンを基本とし、項目毎に発展的活動を継続的に行った。臨床では、リハビリテーション専門職は技術職であるため、基本である臨床能力を高めるべく臨床指導やPTOTST部門を立ち上げ、専門性を強化する仕組みを作った。臨床場面での難渋症例や新規性のある取り組みについては、積極的に研究活動として症例発表を行うことでクリニカルリーズニングを行っていった。教育では、若手教育や学生教育に力を注ぎ、成長の場を積極的に設けた。キャリア形成において、働いていく上での考え方等は経過とともにどんどん変化していくと思われる。当法人にはジョブローテーション制度があり、年間複数回のキャリア面談にて、その多様化を理解した中で適材適所のステージを検討していった。また、離職率低下に努めるためには、よりより職場環境が重要であり、心理的安全性を高める取り組みを推進していった。このように、あらゆる取り組みに関して、適宜ホームページや研究活動にて外部発信を積極的かつ継続的に実施した。 
求職者向け冊子は、まずは過去のホームページ等から情報を抽出し、全体の構想を練りながら半年かけて何度も繰り返し改変し、完成に至った。冊子の活用には、学校の就職説明会や学校訪問、施設見学時に配布することとした。加えて、ホームページにも添付し閲覧出来る状況を作った。

【考察】 
リハビリテーション専門職である理学療法士の平均年齢は男性36.1歳、女性35.1歳(2024年3月末現在)であり、20歳代が多くを占めている。毎年理学療法士の国家試験合格者は1万人以上が誕生し、現役生が殆どを占めている。そのため新卒者に関しては、今後いわゆるZ世代に該当する理学療法士と接することになる。 
ある調査において、平成元年の新卒者が会社選びで最も重要視したものは『やりたい仕事ができる』となっている。しかし、平成30年の調査では『ワークライフバランスを重視する』結果となった。現代のリハビリテーション専門職には、安定、働きやすさ、プライベートの両立を求める傾向にあると思われる。したがって、多様化に対応できる職場環境が重要であり、それらのイメージが出来るような内容のバランスを考慮して冊子として載せることが有効と考える。

【結語】 
求職者向け冊子作成に際し、現代に合った内容、見える化を図り魅力的な職場環境となるよう努め、考えるきっかけが出来た。今後、冊子を活用しながら採用者側、求職者側がマッチングするよう努めていく。