講演情報
[14-O-L009-04]施設への在宅復帰共同生活施設への退所を経験して
*喜友名 正美1、當間 由里香1 (1. 沖縄県 介護老人保健施設うりずん)
当施設は在宅復帰超強化型施設として運営している。今回初めての施設への在宅復帰を連続で2件経験し、リハプログラムに変化が見られたので考察をふまえ報告する。
【はじめに】
当施設は在宅復帰超強化型施設として運営している。毎月30%以上(3~4件)の在宅復帰を行っている。在宅復帰の内訳はご自宅や有料老人ホームなどが大多数である。今回初めての施設への在宅復帰を連続で2件経験し、リハプログラムに変化が見られたので考察をふまえ報告する。
【対象】
○施設へ退所された2件の症例
Aさん:60代。介護度3.疾患:脳梗塞.
Bさん:80代。介護度3.疾患:心不全.
○施設:数名(6名~10名)で共同生活をする施設。3棟に分かれ総勢25名程度。基本的には身の回りのことは自分で行う。職員(介護士)はいない。住居人で役割分担し食事や清掃、行事など行っている。毎日数回の崇拝活動がある。施設への退所後は必要に応じて居宅サービスを利用。
【経過】
〇Aさん:R5年.2月下旬当施設へ入所。
BI=80点。HDSR=25点。歩行:歩行器付き添い
・リハビリプログラム
1.関節可動域運動 2.筋力向上運動 3.基本動作練習 4.歩行練習 5.階段昇降
3月上旬 歩行:歩行器自立
4月下旬 施設へ自宅訪問実施。
課題:階段昇降、内外スロープ、礼拝堂まで200m。
6月中旬 歩行:CPUW自立。TUG=47秒
7月上旬 歩行:シルバーカー自立
7月中旬 施設へ退所。
退所時 BI:80点 歩行:シルバーカー自立。
7月上旬 施設へ退所後自宅訪問実施。
評価:屋内伝歩きで歩行。転倒リスクあり。
洗濯は自分で実践。内スロープも手すりで昇降。
〇Bさん:R5年.5月下旬当施設へ入所。
BI:=85点。HDSR=27点 歩行:CPUW遠監視。
・リハビリプログラム
1.立位バランス練習 2.床上動作練習 3.歩行練習
4.階段昇降 5.IADL練習
6月中旬 TUG=24秒 6MD=220m
7月下旬 居室内で転倒あり 外傷なし
課題:内スロープ、階段
9月中旬 フロア内コロナ発生リハビリ制限
9月下旬 歩行:ブレーキ付きCPUW自立
TUG=20秒 6MD:160m
10月上旬 施設へ退所。
退所時 BI:85点 歩行:ブレーキ付きCPUW自立。
【考察】
今回、初めての施設への退所を2件経験したことでこれまでの在宅復帰とは異なる経験、視点を得ることができた。これまでの自宅や有料ホームへの在宅復帰は基本動作、ADL動作へのアプローチが主であった。今回の共同施設への退所者も1件目はそのように通常のプログラムを実施し退所された。しかしその後の退所後自宅訪問でIADLの必要性や長距離歩行の必要性を知ることができた。もともとの生活状況を踏まえ2件目へはアプローチの内容を検討しIADLを含めたリハビリプロプラムを実施することができた。入所者も退所後の生活が想定、練習ができ安心感や不安解消にもなったと思われる。また、施設の同居人へも助言することもでき、共同生活を円滑に送れることにもつながるのではと考える。
【まとめ】
退所後の生活は当初リハスタッフが考えていた状況と異なることがある。今回の共同施設へは同じ生活環境であるため、退所後の生活を考慮したリハ介入ができ、在宅生活継続の助けとなればと願う。
当施設は在宅復帰超強化型施設として運営している。毎月30%以上(3~4件)の在宅復帰を行っている。在宅復帰の内訳はご自宅や有料老人ホームなどが大多数である。今回初めての施設への在宅復帰を連続で2件経験し、リハプログラムに変化が見られたので考察をふまえ報告する。
【対象】
○施設へ退所された2件の症例
Aさん:60代。介護度3.疾患:脳梗塞.
Bさん:80代。介護度3.疾患:心不全.
○施設:数名(6名~10名)で共同生活をする施設。3棟に分かれ総勢25名程度。基本的には身の回りのことは自分で行う。職員(介護士)はいない。住居人で役割分担し食事や清掃、行事など行っている。毎日数回の崇拝活動がある。施設への退所後は必要に応じて居宅サービスを利用。
【経過】
〇Aさん:R5年.2月下旬当施設へ入所。
BI=80点。HDSR=25点。歩行:歩行器付き添い
・リハビリプログラム
1.関節可動域運動 2.筋力向上運動 3.基本動作練習 4.歩行練習 5.階段昇降
3月上旬 歩行:歩行器自立
4月下旬 施設へ自宅訪問実施。
課題:階段昇降、内外スロープ、礼拝堂まで200m。
6月中旬 歩行:CPUW自立。TUG=47秒
7月上旬 歩行:シルバーカー自立
7月中旬 施設へ退所。
退所時 BI:80点 歩行:シルバーカー自立。
7月上旬 施設へ退所後自宅訪問実施。
評価:屋内伝歩きで歩行。転倒リスクあり。
洗濯は自分で実践。内スロープも手すりで昇降。
〇Bさん:R5年.5月下旬当施設へ入所。
BI:=85点。HDSR=27点 歩行:CPUW遠監視。
・リハビリプログラム
1.立位バランス練習 2.床上動作練習 3.歩行練習
4.階段昇降 5.IADL練習
6月中旬 TUG=24秒 6MD=220m
7月下旬 居室内で転倒あり 外傷なし
課題:内スロープ、階段
9月中旬 フロア内コロナ発生リハビリ制限
9月下旬 歩行:ブレーキ付きCPUW自立
TUG=20秒 6MD:160m
10月上旬 施設へ退所。
退所時 BI:85点 歩行:ブレーキ付きCPUW自立。
【考察】
今回、初めての施設への退所を2件経験したことでこれまでの在宅復帰とは異なる経験、視点を得ることができた。これまでの自宅や有料ホームへの在宅復帰は基本動作、ADL動作へのアプローチが主であった。今回の共同施設への退所者も1件目はそのように通常のプログラムを実施し退所された。しかしその後の退所後自宅訪問でIADLの必要性や長距離歩行の必要性を知ることができた。もともとの生活状況を踏まえ2件目へはアプローチの内容を検討しIADLを含めたリハビリプロプラムを実施することができた。入所者も退所後の生活が想定、練習ができ安心感や不安解消にもなったと思われる。また、施設の同居人へも助言することもでき、共同生活を円滑に送れることにもつながるのではと考える。
【まとめ】
退所後の生活は当初リハスタッフが考えていた状況と異なることがある。今回の共同施設へは同じ生活環境であるため、退所後の生活を考慮したリハ介入ができ、在宅生活継続の助けとなればと願う。