講演情報
[14-O-P201-01]職員の質の向上に向けた4年間の取組
*鹿野 亨1、福田 雄三1 (1. 千葉県 介護老人保健施設はつらつリハビリセンター)
老健職員の質の向上はとても難しい。「質の向上」を調べた所「サービスの質、業務の品質」などがある。
今回の取組は、サービスの質に繋がる職員の「対応の質」に着目し、事務・リハビリ・看護・介護の部署毎のアンケートに職員が答えたアンケート調査に対して対策、実行を行った4年間の取組の先に見えたものは?
今回の取組は、サービスの質に繋がる職員の「対応の質」に着目し、事務・リハビリ・看護・介護の部署毎のアンケートに職員が答えたアンケート調査に対して対策、実行を行った4年間の取組の先に見えたものは?
はじめに
当施設では、毎年4月に「質の向上」をテーマとした施設内研修を実施しており、2021年より「職員を対象にした部署毎のアンケート調査」を実施してきた。
4年間実施してきた内容を集約し、今後の課題について報告となる。
アンケート調査方法
選定・・4部署共通の内容を中心に約20項目を選定。部署毎の業務に沿った内容も一部追加。
下記、2024年の介護アンケート18項目から8項目を抜粋
1、 口調がきつい人が居る(※他者から聞いた事がある)
2、 子供扱いしている人が居る(※同様)
3、 無愛想な対応をされた(※同様)
4、 静止するような口調をしている人が居る(※同様)
5、 車椅子を押すのが速い人が居る(※同様)
6、 夜勤者が誰なのか気になる利用者がいると聞いた事がある
7、 コールを取らない人が居る(※同様)
8、 時間に対して利用者目線の時間配分では無い動きがある(※同様)
期間・・アンケートを配布後、約2週間で回収
人数・・4部署合計約55名(4年間で多少の誤差がある。下記アンケート調査結果の指摘事項は、部署毎でパーセンテージが高かった上位3件を表示)
集計・・集計結果から最多票3件の内容に沿って具体化した対策を決める。
指摘・・職員からの指摘内容を簡略化し、その内容が職員同士のコミュニケーション不足か否かを下記の調査結果表に〇か×で表示
実行・・対策を担当部署全員が共有し、統一した対策を意識して1ヶ月間実行。
評価・・約1ヶ月間の情報収集として、各部の役職者が他部署に聴取して情報を集約。
(評価基準を優・良・可で表示)
発表・・集約した結果と今後の課題などを4月の施設内研修で発表。(選定から約4ヶ月間後に発表)
図表参照
考察
図表項目10について再調査を行った回答には、例えばトイレ介助でいうと残存機能をいかす目的で見守り対応とトイレ介助をしている者を比べたら、トイレ介助をして貰った利用者は楽という感情と単純に嬉しいから利用者の主観で差が出るのでは?という意見を基にサービスの統一を行った。今回の取組を介護役職者が継続していこうと、前向きな意見が聞かれた事は有意義な研修内容であったと感じる。現在も毎月の介護会議で1~2名の利用者に着目し、ケアの統一を行っている。
調査結果12項目中で9項目(表中の75%)が職員同士のコミュニケーション不足の問題であった。コロナ禍において、どの施設でも起こる可能性のある問題であり、会議等、集団で顔を合わせる機会が激減した事が一因として考える。昨年度から新型コロナウイルス感染症は5類感染症へ移行し、これから集団で行う会議は増えていく事でコミュニケーション不足は緩和されていくと感じる。また、今回は記名式アンケートで職員間の意見を言い合える環境としてポジティブに捉えている。
課題
今後も「このアンケートの内容を忘れずに気を引き締めていこう!」と思っていても、1年も経つと忘れてしまい、馴れ合いが生じてしまう。そうならない為に、このアンケート調査を継続する事によって「他部署からも見られている」という、良い緊張感で職員自らが良い職場環境を作り、職員の自立性の向上にも繋がる事に期待したい。
終わりに
今回のアンケート調査を通じて感じた事は、仕事をする上で「人の気持ちの移り変わりについて」。例えば、「初心に返る」や「慣れる事は大事だが、慣れすぎた故に起こる問題」をテーマに再度アンケート調査を行う事で、仕事の取組み方のセルフコントロールによって、より良い職場環境構築を心掛け、今、居る職員がいかに長く働けるかを追求していきたい。
当施設では、毎年4月に「質の向上」をテーマとした施設内研修を実施しており、2021年より「職員を対象にした部署毎のアンケート調査」を実施してきた。
4年間実施してきた内容を集約し、今後の課題について報告となる。
アンケート調査方法
選定・・4部署共通の内容を中心に約20項目を選定。部署毎の業務に沿った内容も一部追加。
下記、2024年の介護アンケート18項目から8項目を抜粋
1、 口調がきつい人が居る(※他者から聞いた事がある)
2、 子供扱いしている人が居る(※同様)
3、 無愛想な対応をされた(※同様)
4、 静止するような口調をしている人が居る(※同様)
5、 車椅子を押すのが速い人が居る(※同様)
6、 夜勤者が誰なのか気になる利用者がいると聞いた事がある
7、 コールを取らない人が居る(※同様)
8、 時間に対して利用者目線の時間配分では無い動きがある(※同様)
期間・・アンケートを配布後、約2週間で回収
人数・・4部署合計約55名(4年間で多少の誤差がある。下記アンケート調査結果の指摘事項は、部署毎でパーセンテージが高かった上位3件を表示)
集計・・集計結果から最多票3件の内容に沿って具体化した対策を決める。
指摘・・職員からの指摘内容を簡略化し、その内容が職員同士のコミュニケーション不足か否かを下記の調査結果表に〇か×で表示
実行・・対策を担当部署全員が共有し、統一した対策を意識して1ヶ月間実行。
評価・・約1ヶ月間の情報収集として、各部の役職者が他部署に聴取して情報を集約。
(評価基準を優・良・可で表示)
発表・・集約した結果と今後の課題などを4月の施設内研修で発表。(選定から約4ヶ月間後に発表)
図表参照
考察
図表項目10について再調査を行った回答には、例えばトイレ介助でいうと残存機能をいかす目的で見守り対応とトイレ介助をしている者を比べたら、トイレ介助をして貰った利用者は楽という感情と単純に嬉しいから利用者の主観で差が出るのでは?という意見を基にサービスの統一を行った。今回の取組を介護役職者が継続していこうと、前向きな意見が聞かれた事は有意義な研修内容であったと感じる。現在も毎月の介護会議で1~2名の利用者に着目し、ケアの統一を行っている。
調査結果12項目中で9項目(表中の75%)が職員同士のコミュニケーション不足の問題であった。コロナ禍において、どの施設でも起こる可能性のある問題であり、会議等、集団で顔を合わせる機会が激減した事が一因として考える。昨年度から新型コロナウイルス感染症は5類感染症へ移行し、これから集団で行う会議は増えていく事でコミュニケーション不足は緩和されていくと感じる。また、今回は記名式アンケートで職員間の意見を言い合える環境としてポジティブに捉えている。
課題
今後も「このアンケートの内容を忘れずに気を引き締めていこう!」と思っていても、1年も経つと忘れてしまい、馴れ合いが生じてしまう。そうならない為に、このアンケート調査を継続する事によって「他部署からも見られている」という、良い緊張感で職員自らが良い職場環境を作り、職員の自立性の向上にも繋がる事に期待したい。
終わりに
今回のアンケート調査を通じて感じた事は、仕事をする上で「人の気持ちの移り変わりについて」。例えば、「初心に返る」や「慣れる事は大事だが、慣れすぎた故に起こる問題」をテーマに再度アンケート調査を行う事で、仕事の取組み方のセルフコントロールによって、より良い職場環境構築を心掛け、今、居る職員がいかに長く働けるかを追求していきたい。