講演情報

[14-O-P201-07]施設内研修について当施設が行ったこと介護主体で講師を行って来た取り組みと成果

*比良  成希1、箱守 恵美香1 (1. 東京都 介護老人保健施設エンジェルコート)
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以前は研修テーマによって外部の講師を招き研修を行っていたが、コロナ禍で講師を招くことが困難になった為、当施設では学習委員が主で研修を行ないテーマ選びや内容についての企画や資料・台本の作成し講師を委員内持ち回りで行なっている。職員育成の取組みに通じた約3年間の学習委員会の活動について報告したい。
〔はじめに〕 職員の資質向上を目指して各施設にて学習会・研修会が開催されていると思うが当施設でも職員研修に力を入れている。コロナ禍で外部講師を招くことが困難になって以降、 内部で介護職員が研修内容を考え、持ち回りで講師役を担うことが増えていった。それにより研修を受ける立場の職員だけでなく講師を担当した介護職員自身の成長につながる面が見られるようになっている。職員育成の取組みにも通じた約3年間の学習委員会の活動について報告したい。〔活動の経過〕〇当施設の学習委員会は介護主体(委員長と各フロア代表者)で行なっており研修の企画・運営を行っている。研修テーマは基本的に年間スケジュールに沿って毎月実施、職員全員が参加できるように各テーマ7回(4日間で)開催している。〇研修日と勤務日が合わず参加出来なかった職員には各フロアの学習委員で個別に対応している。〇毎月の決まったテーマの研修に委員長がパワーポイント・資料(レジュメ)・台本の 作成をして部長・介護科長が内容確認を行い、各フロアの委員が研修前に確認を行っている。〇医療関連等の専門的な知識が必要とされる分野は施設・法人内の看護職・リハビリ職・ 薬剤師等に依頼し監修してもらうか実際に研修を行ってもらっているが専門職の方が行ってくれる研修については時間を多く取れない場合もあり、その時は動画を撮影し研修で 流し質問を集計し専門職の方に渡して答えをもらって後日フロアに伝えている。〇研修の時間は長くても30分以内に設定しているので時間がオーバーしてしまう重要な研修の時は事前ワーク(資料確認)という形で各自、研修参加前にパソコンや資料を読んでもらってから参加してもらっている。〇研修によってはいろんな意見を出しやすいようにグループワークの時間を設け職員間の意見交換を促している。〇日本語が母国語ではない職員に対しては委員長が英語に直した資料を配り研修を行い、アンケートで分からない所は各フロアの学習委員がグーグル翻訳を使って個別に対応している。〇講師を経験した職員から「人前で話をすると自分の理解度が上がる。」という意見が聞かれるようになった。〇今後、法人内で外部講師を招いて感染症の研修を行う予定になっている。〔考察〕 台本を作成するようになってからは、強調したい部分や参加者に問いかける部分が明確になり、複数講師による内容のばらつきが少なくなった。自分自身も学習委員として講師役を担ってみて、当初は不安もあり早口になっていたが、徐々に人前で話す事にも慣れてきた。また事前に資料を読み込み、動画等もしっかり確認するようになり、研修内容を 参加する職員に伝えようと思う責任感を持つことが自分自身の学習にも繋がっていったと感じた。〔おわりに〕 パソコン周辺の環境も整備されてきて、外部・WEB研修が受講しやすくなったのと同時に、実際に外にでかけて研修を受けるという機会も徐々に増えてきた。しかしここ数年の学習委員会での活動を通じて施設内研修の有効な点も見えてきた。講師役だけでなく研修参加者の立場からも、実際に職員同士が集まって学習する中で、意見交換をしたり内容によっては研修終了後でも動画で手順など再確認出来る事もあり大いに勉強になっているとの意見も上がっている。 施設内研修は職員全員のスキルアップに繋がり、利用者様への適切な介護サービスを 提供する上で必要なもので、研修に参加する事自体も勉強になるが講師役を担う事によって得られる知識や経験も更に勉強になると感じた。今後も多くの職員に学習委員会の活動や講師役を経験してもらいたいと思う。