講演情報
[14-O-P203-01]訪問指導を通して介護職のやりがいを得る
*荻野 翔太1 (1. 三重県 介護老人保健施設あのう)
老健入所者に対する訪問指導に参加した介護職員にアンケートを用いて訪問指導を通して感じたことや得られたことについてまとめた。多職種にもアンケートを実施し介護職が参加することで連携が取れ、より実践的に取り組めると回答があった。そして介護職員はその一連の体験を通してやりがいを感じていることが分かり、訪問指導を通して介護現場の職員の成長とやりがいを実感できる機会になるとまとめ、報告する。
【はじめに】
アフターコロナとなり当施設では入所、退所前後訪問指導に介護現場の職員も同行する機会が増えた。同行する介護職員はエリアリーダーだけでなく若手職員にも同行してもらうなかで職員の積極性や意欲的に取り組む姿が見受けられるようになり、訪問指導を通して職員が意欲向上に繋がる良い機会になっているのではないかと感じる。そこで、多職種も含めてアンケートを実施し訪問指導で職員が感じていることや得られたことについてまとめる。
【方法】
アンケート用紙を用いて訪問指導に参加した職員に記入してもらう。設問は「自宅訪問を通して在宅復帰に向けて取り組めたことや自身の学びや経験になったこと。介護職も同行することについて記入して下さい。」と設定し記入してもらう。
リハビリ職員、支援相談員、居宅ケアマネージャーには介護職員も同行してよかったことについて記入してもらった。
【回答】
O介護職員
・自宅に訪問することで本人の暮らしや生活環境を見れて家族とも直接話す機会になった。
・多職種や本人、家族と自宅でADLや今後の課題を確認し施設で自宅を想定した環境設定やトイレ、ズボンの上げ下げなど具体的なリハビリに繋げられた。また、多職種の役割や本人への支援に触れてよい経験になった。今後も訪問の機会があれば同行したいと思う。
Y介護職員
・自宅で本人に関わる家族、ケアマネージャー、相談員、リハビリ職員、介護士が直接、具体的な支援について細かく話し合えた。
・自宅の生活環境を想定した対応やリハビリが出来た。
・施設での本人の様子からは分からなかったが本人のきれい好きな性格や好みを把握でき、施設での過ごし方に繋げられた。
・自分が訪問した利用者の能力向上によりできることが増えていくことに自分も嬉しくなった。
・退所時訪問では1番多くの時間をみてきた介護職が同行することで遠慮がちな本人の立場に立って希望に添える意見を述べることが出来たと思う。
N作業療法士
・利用者様の問題点や家族様の支援がどれぐらいあるのか確認することで施設内での利用者様へのかかわり方や環境設定を自宅に合わせることに繋がった。
・家での生活を多職種と一緒に考えることが出来て良かった。
・介護士からの目線とリハビリ目線では動作の見方が違うので2つの意見を家族様に伝えることが出来て良かった。
T作業療法士
・多職種やご家族様を交えて具体的な在宅復帰に必要なこと、福祉用具の設置などを準備でき、リスクや課題の共有も行えた。
・訪問後の報連相を行うことで相談員や介護士、看護師との協力により在宅復帰に向けた一体感が生まれた。
・夜間帯の様子などよくわかっている介護職員の具体的な意見が訪問時に役立った。
N支援相談員
・自宅での生活を想定したリハビリテーションの実施には、リハビリ職と介護職の連携は不可欠であり、日常生活での実践が重要である。実際に利用者の生活に直接関わる介護職が自宅を訪問し、課題分析に関わることの重要性を改めて感じることができた。
T居宅ケアマネージャー
・ご家族様の思いや本人様の動作がここまでできたらあとは家族が介護し自宅で過ごせる。などの家族の意見を直接聞いたこと、住環境や日常生活動作を見たことを日々のケアの中で住宅生活のイメージ作りに活かせてもらい、困りごとなくスムーズに在宅復帰が出来ました。また、本人様、家族様の施設への信頼が大きくなったと思います。
【考察】
共通して連携がとれたことについての回答があり、読み取れることとして、介護職員が同行することで利用者の課題の共有と施設生活の中で継続した取り組みが行えることで、よりよい在宅復帰に向けた支援に繋がったと解釈できる内容であった。
リハビリ職員の専門性や相談員、ケアマネージャーの豊富な経験から得られる意見をふまえて家族、本人と検討したことが現場の介護職とうまく共有されなくては意味がない。そこに介護職員が参加することでより具体的な検討と共通認識が得られることで、利用者の具体的な目標や課題に向けたリハビリや日課が施設生活の中で行えたことでより良い在宅復帰につなげられたのではないかと考察する。
そして介護職員は回答の中で「また訪問に行きたいと思う、自分も嬉しくなった」とあり、訪問指導に参加することで利用者に対する取り組みが他人事ではなく当事者となることで責任感が生まれ意欲的に利用者の支援に取り組み継続して行えたのではないかと思う。そのような在宅復帰の成功体験や多職種との連携を通して介護職員の成長ややりがいにも繋がっていると感じられる。
【結語】
現場の介護職員、特に若手職員に老健の特色や社会的な役割、利用者への理解や目標達成に取り組む意味などを伝えていくのは日々業務に追われる中でなかなか難しい。しかし、人材不足が避けられない現状でいかにして若手職員にやりがいを実感してもらえるかが重要な課題であると思う。
今回の調査を活かして質の高い在宅復帰支援のためだけではなく介護職員の成長ややりがい、働きがいを実感してもらうためにも積極的に介護職員も訪問指導に同行していきたい。
アフターコロナとなり当施設では入所、退所前後訪問指導に介護現場の職員も同行する機会が増えた。同行する介護職員はエリアリーダーだけでなく若手職員にも同行してもらうなかで職員の積極性や意欲的に取り組む姿が見受けられるようになり、訪問指導を通して職員が意欲向上に繋がる良い機会になっているのではないかと感じる。そこで、多職種も含めてアンケートを実施し訪問指導で職員が感じていることや得られたことについてまとめる。
【方法】
アンケート用紙を用いて訪問指導に参加した職員に記入してもらう。設問は「自宅訪問を通して在宅復帰に向けて取り組めたことや自身の学びや経験になったこと。介護職も同行することについて記入して下さい。」と設定し記入してもらう。
リハビリ職員、支援相談員、居宅ケアマネージャーには介護職員も同行してよかったことについて記入してもらった。
【回答】
O介護職員
・自宅に訪問することで本人の暮らしや生活環境を見れて家族とも直接話す機会になった。
・多職種や本人、家族と自宅でADLや今後の課題を確認し施設で自宅を想定した環境設定やトイレ、ズボンの上げ下げなど具体的なリハビリに繋げられた。また、多職種の役割や本人への支援に触れてよい経験になった。今後も訪問の機会があれば同行したいと思う。
Y介護職員
・自宅で本人に関わる家族、ケアマネージャー、相談員、リハビリ職員、介護士が直接、具体的な支援について細かく話し合えた。
・自宅の生活環境を想定した対応やリハビリが出来た。
・施設での本人の様子からは分からなかったが本人のきれい好きな性格や好みを把握でき、施設での過ごし方に繋げられた。
・自分が訪問した利用者の能力向上によりできることが増えていくことに自分も嬉しくなった。
・退所時訪問では1番多くの時間をみてきた介護職が同行することで遠慮がちな本人の立場に立って希望に添える意見を述べることが出来たと思う。
N作業療法士
・利用者様の問題点や家族様の支援がどれぐらいあるのか確認することで施設内での利用者様へのかかわり方や環境設定を自宅に合わせることに繋がった。
・家での生活を多職種と一緒に考えることが出来て良かった。
・介護士からの目線とリハビリ目線では動作の見方が違うので2つの意見を家族様に伝えることが出来て良かった。
T作業療法士
・多職種やご家族様を交えて具体的な在宅復帰に必要なこと、福祉用具の設置などを準備でき、リスクや課題の共有も行えた。
・訪問後の報連相を行うことで相談員や介護士、看護師との協力により在宅復帰に向けた一体感が生まれた。
・夜間帯の様子などよくわかっている介護職員の具体的な意見が訪問時に役立った。
N支援相談員
・自宅での生活を想定したリハビリテーションの実施には、リハビリ職と介護職の連携は不可欠であり、日常生活での実践が重要である。実際に利用者の生活に直接関わる介護職が自宅を訪問し、課題分析に関わることの重要性を改めて感じることができた。
T居宅ケアマネージャー
・ご家族様の思いや本人様の動作がここまでできたらあとは家族が介護し自宅で過ごせる。などの家族の意見を直接聞いたこと、住環境や日常生活動作を見たことを日々のケアの中で住宅生活のイメージ作りに活かせてもらい、困りごとなくスムーズに在宅復帰が出来ました。また、本人様、家族様の施設への信頼が大きくなったと思います。
【考察】
共通して連携がとれたことについての回答があり、読み取れることとして、介護職員が同行することで利用者の課題の共有と施設生活の中で継続した取り組みが行えることで、よりよい在宅復帰に向けた支援に繋がったと解釈できる内容であった。
リハビリ職員の専門性や相談員、ケアマネージャーの豊富な経験から得られる意見をふまえて家族、本人と検討したことが現場の介護職とうまく共有されなくては意味がない。そこに介護職員が参加することでより具体的な検討と共通認識が得られることで、利用者の具体的な目標や課題に向けたリハビリや日課が施設生活の中で行えたことでより良い在宅復帰につなげられたのではないかと考察する。
そして介護職員は回答の中で「また訪問に行きたいと思う、自分も嬉しくなった」とあり、訪問指導に参加することで利用者に対する取り組みが他人事ではなく当事者となることで責任感が生まれ意欲的に利用者の支援に取り組み継続して行えたのではないかと思う。そのような在宅復帰の成功体験や多職種との連携を通して介護職員の成長ややりがいにも繋がっていると感じられる。
【結語】
現場の介護職員、特に若手職員に老健の特色や社会的な役割、利用者への理解や目標達成に取り組む意味などを伝えていくのは日々業務に追われる中でなかなか難しい。しかし、人材不足が避けられない現状でいかにして若手職員にやりがいを実感してもらえるかが重要な課題であると思う。
今回の調査を活かして質の高い在宅復帰支援のためだけではなく介護職員の成長ややりがい、働きがいを実感してもらうためにも積極的に介護職員も訪問指導に同行していきたい。