講演情報
[14-O-P203-06]小さい頃から介護の仕事に触れてもらう事の大切さお仕事体験イベントにて介護職体験ブースを開設して
*吉井 秀仁1 (1. 岐阜県 社団医療法人かなめ会 山内ホスピタル介護老人保健施設)
当法人は、岐阜新聞社主催お仕事体験イベントに「介護のお仕事体験」のブースで出展した。参加者(年長~小学生)に、介護リフトを使用してベッドから車いすへの移乗介助。車いす移動介助。福祉車両への乗車介助。この3点を体験していただいた。子ども同士や親子で体験していただき、非常に好評な感想を得たのでアンケート結果を紹介するのとともに、幼少期より介護の仕事に触れていただく事の大切さを実感したので報告する。
はじめに
当法人は、2023年より岐阜新聞社主催お仕事体験イベント「キッズタウンぎふ」以下:キッズタウンに介護の仕事体験として出展している。キッズタウンとは、子どもたちがお仕事体験を通して社会の仕組みを学ぶイベントで、地元企業が各々の仕事内容でブースを出展。仕事を体験した子どもは仕事内容に応じて、会場内統一通貨を獲得し、その通貨でお買い物をするイベントである。2019年より開催されており県内では非常に人気の高いイベントである。
子供たちに人気の職業が数多く出展されている中、介護のブースに参加者が集まるのか開催の準備段階より一抹の不安はあった。しかし、体験したお子さんの反応や、一緒に体験してくださったご家族から聴取したアンケートを集計した結果、改めて小さいころから介護の仕事に触れてもらう事の大切さが浮き彫りになってきたので紹介する。
お仕事紹介
今回、「介護のお仕事体験」として3種類の介護体験を準備した。参加者が年少~小学6年生と年齢幅が大きい事も考慮して、どの年代でも楽しんでいただける内容として、#1介護リフトを使用してのベッドから車いすへの移乗体験。#2移乗後の車いすを押して会場から屋外までの車いす介助体験。#3福祉車両に車いすをセッティングし、福祉車両への乗車体験。を準備した。お子さん同士がペアになって体験されるケース、職員が患者役になりお子さんに介助していただくケースもあったが、お子さんの付き添えで参加されているお父さんやお母さんに患者役になってもらい、お子さんが介助するケースが一番人気であり、身体の大きなお父さんが、リフトで吊り上がった時のお子さんの嬉しそうな顔、お父さんの不安そうな顔はサポートしている我々にとっても非常にやりがいのある瞬間であった。
開催報告
キッズタウンは午前午後の2部制で2日間開催している。合計4回のイベントで127組240名以上の方に介護の仕事を体験していただいた。その中で、ご家族で参加していただいた80名の方にアンケートに協力いただけたので紹介する。
アンケート結果
「介護の仕事についてのイメージ」について伺った所、やりがいがある(4名)、これからの社会に必要(4名)、大事な仕事(2名)とポジティブなイメージで回答いただいた方もみえたが、回答の大半は、大変そう(51名)、力仕事(15名)、人手不足(2名)、腰を痛める(2名)とネガティブな意見が大半を占めた。
「今後、介護の仕事に期待する事」への質問に対しては、職場環境の改善に対する意見が一番多く、介護従事者の環境改善やロボットなどの普及、身体的負担・精神的負担の軽減等の意見を認めた。次に人材面の改善への回答が多く認め、「介護に従事する人が増えて欲しい」や、「若い介護職が増えるような取り組みが必要」等の回答を認めた。その他には介護職の処遇改善についての回答も散見した。最後に、今回使用した「介護リフト」の認知度についての質問にでは、介護リフトを実際に使用したことがある・使用場面を見たことがあるとの回答が22名、名前だけ知っている:24名、全く知らない:34名との回答となり、約半数の方に全く周知されていない事が、今回のアンケートを通して判明した。しかし、介護リフトを体験しての感想はポジティブなコメントばかりで、「子どもの力でも簡単に操作できているのでびっくりした」や「医療や介護現場で普及して欲しい」「すごく安心して乗れるのでびっくりした」「職場環境が改善されるのではないか」等のコメントをいただけた。
今後の課題
今回のアンケート結果からも、介護職については一定の認知はされているが、ネガティブなイメージが強い点が改めて浮き彫りになった。一方、まだ認知が低い介護リフトではあったが、使用しての感想はポジティブな意見ばかりで、今後の介護に期待するコメントも散見された。以上の結果からも、介護従事者の中ではICTや介護機器の普及等により、介護方法や介護技術について徐々にアップデートされてきているのは認識されつつあるが、まだ介護現場に関わられていない方々までは十分認識されていない結果であったと考察する。
介護に従事する機会や、身の回りの方が介護を受ける機会になって、初めて“介護”という仕事に触れる方が殆どである。今回のイベント以外でもここ最近、各職能団体や行政等が主催の介護に触れるイベントは散見されるようになってきているが、将来の介護従事者の人材育成として、積極的に介護の仕事を発信していく事が重要である事が改めて認識された。
当法人は、2023年より岐阜新聞社主催お仕事体験イベント「キッズタウンぎふ」以下:キッズタウンに介護の仕事体験として出展している。キッズタウンとは、子どもたちがお仕事体験を通して社会の仕組みを学ぶイベントで、地元企業が各々の仕事内容でブースを出展。仕事を体験した子どもは仕事内容に応じて、会場内統一通貨を獲得し、その通貨でお買い物をするイベントである。2019年より開催されており県内では非常に人気の高いイベントである。
子供たちに人気の職業が数多く出展されている中、介護のブースに参加者が集まるのか開催の準備段階より一抹の不安はあった。しかし、体験したお子さんの反応や、一緒に体験してくださったご家族から聴取したアンケートを集計した結果、改めて小さいころから介護の仕事に触れてもらう事の大切さが浮き彫りになってきたので紹介する。
お仕事紹介
今回、「介護のお仕事体験」として3種類の介護体験を準備した。参加者が年少~小学6年生と年齢幅が大きい事も考慮して、どの年代でも楽しんでいただける内容として、#1介護リフトを使用してのベッドから車いすへの移乗体験。#2移乗後の車いすを押して会場から屋外までの車いす介助体験。#3福祉車両に車いすをセッティングし、福祉車両への乗車体験。を準備した。お子さん同士がペアになって体験されるケース、職員が患者役になりお子さんに介助していただくケースもあったが、お子さんの付き添えで参加されているお父さんやお母さんに患者役になってもらい、お子さんが介助するケースが一番人気であり、身体の大きなお父さんが、リフトで吊り上がった時のお子さんの嬉しそうな顔、お父さんの不安そうな顔はサポートしている我々にとっても非常にやりがいのある瞬間であった。
開催報告
キッズタウンは午前午後の2部制で2日間開催している。合計4回のイベントで127組240名以上の方に介護の仕事を体験していただいた。その中で、ご家族で参加していただいた80名の方にアンケートに協力いただけたので紹介する。
アンケート結果
「介護の仕事についてのイメージ」について伺った所、やりがいがある(4名)、これからの社会に必要(4名)、大事な仕事(2名)とポジティブなイメージで回答いただいた方もみえたが、回答の大半は、大変そう(51名)、力仕事(15名)、人手不足(2名)、腰を痛める(2名)とネガティブな意見が大半を占めた。
「今後、介護の仕事に期待する事」への質問に対しては、職場環境の改善に対する意見が一番多く、介護従事者の環境改善やロボットなどの普及、身体的負担・精神的負担の軽減等の意見を認めた。次に人材面の改善への回答が多く認め、「介護に従事する人が増えて欲しい」や、「若い介護職が増えるような取り組みが必要」等の回答を認めた。その他には介護職の処遇改善についての回答も散見した。最後に、今回使用した「介護リフト」の認知度についての質問にでは、介護リフトを実際に使用したことがある・使用場面を見たことがあるとの回答が22名、名前だけ知っている:24名、全く知らない:34名との回答となり、約半数の方に全く周知されていない事が、今回のアンケートを通して判明した。しかし、介護リフトを体験しての感想はポジティブなコメントばかりで、「子どもの力でも簡単に操作できているのでびっくりした」や「医療や介護現場で普及して欲しい」「すごく安心して乗れるのでびっくりした」「職場環境が改善されるのではないか」等のコメントをいただけた。
今後の課題
今回のアンケート結果からも、介護職については一定の認知はされているが、ネガティブなイメージが強い点が改めて浮き彫りになった。一方、まだ認知が低い介護リフトではあったが、使用しての感想はポジティブな意見ばかりで、今後の介護に期待するコメントも散見された。以上の結果からも、介護従事者の中ではICTや介護機器の普及等により、介護方法や介護技術について徐々にアップデートされてきているのは認識されつつあるが、まだ介護現場に関わられていない方々までは十分認識されていない結果であったと考察する。
介護に従事する機会や、身の回りの方が介護を受ける機会になって、初めて“介護”という仕事に触れる方が殆どである。今回のイベント以外でもここ最近、各職能団体や行政等が主催の介護に触れるイベントは散見されるようになってきているが、将来の介護従事者の人材育成として、積極的に介護の仕事を発信していく事が重要である事が改めて認識された。