講演情報

[14-O-P207-03]少子高齢化社会における人材確保と育成の取り組み外国人技能実習生の育成計画より

*岡 俊介1、中園 和也1 (1. 兵庫県 介護老人保健施設せんけい苑)
PDFダウンロードPDFダウンロード
淡路島の人材不足の背景には、少子高齢化や生産人口の減少が大きく影響している。自施設でも10年先を見据えた人員確保は必須と考える。そのため安定した雇用確保の対策として、次の取り組みを行った。まず新人教育の強化を図るため、人材育成研究施設(以下、ひといく伊月)を新設した。また、介護の質向上から外国人技能実習生、介護福祉士候補生(以下、EPA)の受け入れを拡大し雇用促進と介護技術の向上を目指している。
(はじめに)
高齢化の加速と生産人口の減少は本施設の職員確保においても深刻な問題である。今後、10年、15年先を見据えた人材不足を懸念し、令和3年1月9日から外国人技能実習生(以下、実習生)の受入れがはじまった。フィリピンとミャンマー併せて9名の実習生が抱える言葉の壁の問題・異文化への理解・パーソナリティの尊重を考慮した関わりをすることで、実習生の成長を感じて得た日本人職員のモチベーションの向上と、自らが実習生のお手本となるべく取り組んだ介護過程や介護の質の向上に繋がった育成計画について報告する。
(目的)
介護老人保健施設における外国人技能実習生の育成計画を通して、将来の課題である人材不足という解決策に取り組む。結果、自施設におけるマンパワーの確保と育成を通じて構築した質の高い介護サービスを目指す。
(方法)
育成計画として
1.入職時のオリエンテーション
2.導入研修(人材育成研修施設 ひといく伊月)
3.継続サポート
育成プログラムの具体例として
1.基本マナー・介護技術講習の実施
2.OJTの実施方法として、先輩職員とのペアリング(10年経験者)
3.継続サポート
(カンファレンスへの参加・実習日誌・施設独自で作成した介護技術チェックシートの振り返り・県社協等の研修への参加・資格取得等)
4.アセッサーLv4取得者の評価と、評価後のアンケートの実施。
(結果・考察)
アンケート結果は、全体的に高い評価であった。特に教育支援への満足度は高く、利用者や職員間での相互交流やコミュニケーションも十分に取れていると評価された。
実習生たちは、今後も当施設で働きながら資格取得を目指している。それらの想いを最大限に尊重し働きやすい職場環境と資格取得に向けてサポートの強化をしていく。
(まとめ)
実習生の育成は自施設の将来的な人材不足の解消と今後のサービスの質の向上には不可欠である。
利用者や共に働く私たちにとっても大切な存在である。今後も継続的に育成計画を実施し、より質の高いケアの提供を目指す。
今後も実習生たちが精神的に安心・安全な職場環境が提供できるように取り組んでいく。