講演情報
[14-P-O001-05]リハビリ職のリスクに対する意識について
*大下 あずみ1 (1. 岐阜県 介護老人保健施設いこいの里2号館)
【ねらい】当施設リハ職のリスクに対する取り組みとリスクに対する意識について調べた【要旨】リハ職のリスクの取り組みを10年以上前から、段階的に実施している。今回、リスクの取り組みやリスクに対する意識や考え方についてアンケート調査を実施。リスクの取り組みと合わせて分析をしたことを報告する。
【はじめに】
当施設では2002年にリスク管理委員会が発足しリスクマネージメント(以下リスク)について施設全体で取り組んでいる。リハビリ(以下リハ)は、看護や介護の現場に比べ、直接、リスクの場面に直面する機会が少ない為、リスクに対するイメージが、大変・怖い・自信がないなどネガティブなワードがあり、さらに、知識や経験不足による苦手意識の傾向があった。そこで、リスクを前向き考えられるように、リハでは、10年位前から、リスクの取り組みを段階的に導入している。
今回、リハ職のリスクの取り組みとリハ職のリスクの意識について紹介する。
【当施設のリハのリスクの取り組みについて】
時期に応じて4つの段階に分類。
第一段階(入職して1カ月ぐらい) 教育活動期
施設マニュアルを読む・リスク管理委員からリスクの概要を聞くなどオリエンテーションを受ける。
第二段階(半年ぐらい) 個人リスク活動からリハチーム活動へ
多職種の月間リスク目標まとめを読む・KYT訓練の参加・リハ月間リスク目標の取り組み
インシデント・ヒヤリハット報告を書く・施設内勉強会参加
第三段階(1年経過) リハチームの意見をまとめる
リハ月間リスク目標の司会と記録・KYT訓練の司会と記録
多職種の月間リスク目標の取り組みのまとめへコメント記入
第四段階(1年半経過)リハチームから多職種へ情報提供
施設内勉強会の演者
上記の流れで取り組み段階を決めて実施。
【リハ職対象に、リスクの意識についてアンケート調査を実施】
(内訳PT・OT・ST計8名 老健勤務平均 14.3年)
1)リハビリ訓練時、担当者のリスクと周囲への環境なども意識しながら訓練を行っている 87%
2)リスクへの意識は?
リハ職の方が多職種と比べリスクへの意識が高い 25%
リハ職のリスクの意識が多職種と同じ位の意識 25%
どちらとも言えない 50%
理由 転倒・転落・外傷などのリスクはリハ職の専門性が生かした視点で取り組めるが、誤嚥・誤飲・与 薬・注射・感染など看護・介護の専門性が高いことに関するリスクへの意識は、専門性が低いため、リス クへの意識も低いと考えている為
3)リスクに対してさらに意識をする様になったのは?
入職のころから10% 入職後1カ月頃20% 3ヶ月頃30% 6ヶ月頃30% 1年以上10%
4)リスクの意識・質を維持するために行っている事
毎日出来る事 フロアーの申し送りに参加し多職種の情報収集 62%
インシデントを書く事 62%
フロアーのリスク標語を読む 62%
毎月している事
リハ部門月間リスク目標への取り組み 100%
多職種の月間リスク目標の取り組みを読む 62%
KYT訓練の参加 62%
数カ月の頻度で行っている事
施設内勉強会参加 87%
リハ部門の月間リスク目標の司会・記録 43%
KYT訓練の司会・記録 43%
その他 過去の事例を読む・マニュアルを読む・文献を読む・ナラティブなど、施設内勉強会の演者
リスクに対して何もしない人はおらず、色々な形で努力をしている事が分かった。
5)今後、専門職として出来る事はありますか?
・利用者に対してリスクを常に考えることはリハの役割であると考えている。
・例えば、利用者のリスクが起きない生活環境作りなどを「リスクを知る」強みを生かし多職種協同で取り組む必要性があると感じている。
・リハや多職種のリスクの話し合いの場へ積極的に参加し利用者の安全を検討し、さらなる多職種との連携強化の必要性を感じている。
・新しい事も大切だが、時々、基本に戻り、継続して行う事が大切である。(KYT訓練や毎月のリスク目標に対する振り返り)
・自分だけが良ければ良いではなく、リハチームとして、お互いがフォローする事が必要である。
【まとめ】
老健におけるリスクは大切であると思っているが、リスクに対するイメージは、誰でも、最初の頃は、不安で自信がないなどネガティブなイメージがあることがわかった。そこで、苦手意識が強くなる前に、段階的に、ゆっくり時間をかけてリスクの取り組みを導入することにより、自分で出来る事、チームで出来る事の体験がリスクに対して前向きにとらえ、そして、この環境が専門性のリスクの視点として仕事へ生かしていることがわかった。さらに、リスクを正しく学ぶことで「リスクを知る」ことが、専門職の強みとなった。一方、看護や介護の視点不足の所は、多職種協同で考える・学ぶ・伝えるなど色々な場面を通して自己研鑽するように心掛けている。また、チームの意見をまとめるや発表する場面は、自分の役割や責任感が明確になり、ステップアップの機会へ繋がっている。
リスクは誰にでも潜んでいるので、小さなリスクが大きなリスクへ繋がらない様に、現在のリスクの意識を維持できるように、何度も基本を繰り返し、個人または、チーム、多職種連携で取り組む環境がリスク予防につながると感じています。
当施設では2002年にリスク管理委員会が発足しリスクマネージメント(以下リスク)について施設全体で取り組んでいる。リハビリ(以下リハ)は、看護や介護の現場に比べ、直接、リスクの場面に直面する機会が少ない為、リスクに対するイメージが、大変・怖い・自信がないなどネガティブなワードがあり、さらに、知識や経験不足による苦手意識の傾向があった。そこで、リスクを前向き考えられるように、リハでは、10年位前から、リスクの取り組みを段階的に導入している。
今回、リハ職のリスクの取り組みとリハ職のリスクの意識について紹介する。
【当施設のリハのリスクの取り組みについて】
時期に応じて4つの段階に分類。
第一段階(入職して1カ月ぐらい) 教育活動期
施設マニュアルを読む・リスク管理委員からリスクの概要を聞くなどオリエンテーションを受ける。
第二段階(半年ぐらい) 個人リスク活動からリハチーム活動へ
多職種の月間リスク目標まとめを読む・KYT訓練の参加・リハ月間リスク目標の取り組み
インシデント・ヒヤリハット報告を書く・施設内勉強会参加
第三段階(1年経過) リハチームの意見をまとめる
リハ月間リスク目標の司会と記録・KYT訓練の司会と記録
多職種の月間リスク目標の取り組みのまとめへコメント記入
第四段階(1年半経過)リハチームから多職種へ情報提供
施設内勉強会の演者
上記の流れで取り組み段階を決めて実施。
【リハ職対象に、リスクの意識についてアンケート調査を実施】
(内訳PT・OT・ST計8名 老健勤務平均 14.3年)
1)リハビリ訓練時、担当者のリスクと周囲への環境なども意識しながら訓練を行っている 87%
2)リスクへの意識は?
リハ職の方が多職種と比べリスクへの意識が高い 25%
リハ職のリスクの意識が多職種と同じ位の意識 25%
どちらとも言えない 50%
理由 転倒・転落・外傷などのリスクはリハ職の専門性が生かした視点で取り組めるが、誤嚥・誤飲・与 薬・注射・感染など看護・介護の専門性が高いことに関するリスクへの意識は、専門性が低いため、リス クへの意識も低いと考えている為
3)リスクに対してさらに意識をする様になったのは?
入職のころから10% 入職後1カ月頃20% 3ヶ月頃30% 6ヶ月頃30% 1年以上10%
4)リスクの意識・質を維持するために行っている事
毎日出来る事 フロアーの申し送りに参加し多職種の情報収集 62%
インシデントを書く事 62%
フロアーのリスク標語を読む 62%
毎月している事
リハ部門月間リスク目標への取り組み 100%
多職種の月間リスク目標の取り組みを読む 62%
KYT訓練の参加 62%
数カ月の頻度で行っている事
施設内勉強会参加 87%
リハ部門の月間リスク目標の司会・記録 43%
KYT訓練の司会・記録 43%
その他 過去の事例を読む・マニュアルを読む・文献を読む・ナラティブなど、施設内勉強会の演者
リスクに対して何もしない人はおらず、色々な形で努力をしている事が分かった。
5)今後、専門職として出来る事はありますか?
・利用者に対してリスクを常に考えることはリハの役割であると考えている。
・例えば、利用者のリスクが起きない生活環境作りなどを「リスクを知る」強みを生かし多職種協同で取り組む必要性があると感じている。
・リハや多職種のリスクの話し合いの場へ積極的に参加し利用者の安全を検討し、さらなる多職種との連携強化の必要性を感じている。
・新しい事も大切だが、時々、基本に戻り、継続して行う事が大切である。(KYT訓練や毎月のリスク目標に対する振り返り)
・自分だけが良ければ良いではなく、リハチームとして、お互いがフォローする事が必要である。
【まとめ】
老健におけるリスクは大切であると思っているが、リスクに対するイメージは、誰でも、最初の頃は、不安で自信がないなどネガティブなイメージがあることがわかった。そこで、苦手意識が強くなる前に、段階的に、ゆっくり時間をかけてリスクの取り組みを導入することにより、自分で出来る事、チームで出来る事の体験がリスクに対して前向きにとらえ、そして、この環境が専門性のリスクの視点として仕事へ生かしていることがわかった。さらに、リスクを正しく学ぶことで「リスクを知る」ことが、専門職の強みとなった。一方、看護や介護の視点不足の所は、多職種協同で考える・学ぶ・伝えるなど色々な場面を通して自己研鑽するように心掛けている。また、チームの意見をまとめるや発表する場面は、自分の役割や責任感が明確になり、ステップアップの機会へ繋がっている。
リスクは誰にでも潜んでいるので、小さなリスクが大きなリスクへ繋がらない様に、現在のリスクの意識を維持できるように、何度も基本を繰り返し、個人または、チーム、多職種連携で取り組む環境がリスク予防につながると感じています。